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確定拠出年金ではリスクを取った方が良い理由

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  相談に来られる個人の方に「企業年金は何ですか?」と聞くと、「確定拠出年金がある」という方が大半です。比較的大きな会社の多くが導入しているのでしょうね。2012年12月時点で約17,000の会社が導入し、加入している会社員は438万人。個人が掛金を出して運用することができる「個人型確定拠出年金」の加入者を加えると、もっとたくさんの方々が、この「401K」で資産運用をしています。

  ある調査によると、日本の確定拠出年金の資産規模は12年3月末で6兆円。ただ、その6割は、銀行の定期預金や生命保険などの「元本確保型」金融商品で運用されているといいます。・・・これではもったいないですね。

  最近になって国内外の相場が上昇基調を迎えたからいうのではありません。もともと、確定拠出年金では、ある程度のリスクを取ったほうがいいと考えています。その理由は「大きな税制優遇があるから」というよりもむしろ、「ドル=コスト平均法」という運用のタイミング分散が図れるから。

  ドルコスト~とは、定時定額購入法のこと。確定拠出年金では、毎月毎月、同じ金額で同じ金融商品をコツコツと購入するやり方が採られています。この方法を使うと、少々リスクをとっても、長い目で見ると、良いパフォーマンスを残せる可能性が高まります

  毎月1万円で、ある金融商品を購入する場合を考えてみましょう。

 3月の1口価格:500円・・・・・購入口数:20口
 4月の1口価格:1,000円・・・・購入口数:10口
 5月の1口価格:1,500円・・・・購入口数:6.7口
 6月の1口価格:600円・・・・・購入口数:16.7口

  価格が低いときにはたくさんの口数の購入ができ、価格が高いときには少しの口数しか買えません。このことによって、平均購入単価を引き下げる効果が生まれ、上昇時にはハイスピードで利益を上げることに貢献するのです。

  確定拠出年金の運用での具体的なリスクの取り方は?・・・・というと、これは私の考えですが「株式比率25%~50%までのバランス型投資信託(パッシブ運用)を1本だけ、ひたすら買い続ける」こと。

  株式比率は25%~50%までは、人それぞれ、考え方や好みなどによって、変えても構いません。運用の見直しは、頻繁に行なってはいけません。滅多に行わないようにするのが肝心です。

  見直しをすると、迷いが生じて、相場の低迷期に買い続けることができなくなってしまいます。「投信を購入する掛金を少なくしろ」とか「投信から元本確保型商品に乗り換えろ」という「ささやき」が耳鳴りのようにこだまするのです。

  ・・・・そうしちゃ、ダメなんです。「動かざること山のごとし」でなくては・・・・

  今年から私も個人型確定拠出年金を始めました。株式比率40%のバランス型投信(パッシブ運用)にしています。「ドル=コスト平均法は、下げ相場では機能しない」という専門家がいます。その通りです。また、この手法を使うことで商品そのもののリスク(価格のブレ)を抑えることはできません。それでも構わないのです。下げ相場の間だけ運用をするのだったら、機能しないのは大問題ですが、やがて上げ相場が来ると、ドル=コスト平均法は、その力を存分に発揮してくれます。

  「上げ相場が来なかったら?」という疑問を差しはさむ方は、資産運用に向いてません。

《中村 宏》
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中村 宏

中村 宏

株式会社 ワーク・ワークス 代表取締役社長 山口県生まれ。大阪市立大学経済学部卒業後、 株式会社ベネッセコーポレーションに勤務。2003年にファイナンシャルプランナーとして独立し、 FPオフィス ワーク・ワークス を設立。「お客様の『お金の心配』を解消し、自信と希望にかえる!」をモットーに、個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を行っています。 個人相談件数は1,000件超。 無料のメールマガジン『生活マネー ミニ講座』(平日毎日)配信中。 登録はこちら → http://www.mag2.com/m/0000113875.html ・ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)) ・住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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