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意外に高い「住宅ローン借換え」のハードル 痛い3つのお断り理由

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意外に高い「住宅ローン借換え」のハードル 痛い3つのお断り理由

  7月からメガバンクの10年固定住宅ローンの金利は0.1%上昇し1.7%となりましたが、それでも住宅ローン金利の歴史からみれば、まだまだ低金利。住宅ローン新規や借換えの需要は続きそうです。

  ところで、新規の住宅ローンと借換えの住宅ローンのどちらが借りるのが難しいか、といえば「借換え住宅ローン」の方なのです。既存の住宅ローンを借りた日から経過した時間と返済の実績が、借換えを難しく、あるいは借換え不可=お断り にもしてしまいます。

住宅ローン借り換えお断りの理由

住宅ローン借り換え 痛い3つのお断り理由

  下記は住宅ローンを借り換えたくても、お断りされてしまう理由です。

1.安定継続した収入が今後も見込めるかどうか

  既存ローンを借りたあと、転職、退職などで収入が下がり、返済負担率をクリアーできない状況であると借換えは難しいです。仮に収入が上昇した転職であっても、就職後3年以内であれば収入の継続性は審査されますし、転退職がなくても勤務先が社名変更した場合は、その証明書類の提出が必要となります。

2.団信に加入できるかどうか

  既存ローン返済中に健康状態が悪化、借換え住宅ローンの団信に加入できなければ、一発アウトです。(※住宅金融支援機構のフラット35借換融資は非団信の取り扱いあり。)告知事項の一般的なものは1、最近3ヶ月以内の医師の治療・投薬 2、過去3年以内の手術や2週間以上の治療・投薬 3、障害の有無 を問うものです。

3.延滞実績はないか、過去1年間の返済に遅滞がないか

  この既存住宅ローンが正常に返済されているか、の項目で「レッドカードで退場=お断り」になってしまう方が意外に多いのです。この条件をしっかり公開してない金融機関が多いのと、その審査が意外に厳しいというのが理由として考えられます。

  直近1年間の返済状況は、返済口座の通帳の写し、もしくは1年間の取引明細書(ともに原本確認あり)で確認します。月越えの延滞は論外ですし、担当者は過去1年間のカレンダーと照合しながら、1日たりとも返済に遅延がないかチェックをします。

金融機関が厳しくチェックする理由

  金融機関がここまで厳しくチェックするのには理由があります。「返済にリスクある債権(住宅ローン債権)は極力避けたい」と考えるからです。この低金利競争で、金融機関にとって住宅ローンは以前より薄利多売商品化してしまい、「ちょっと不良債権ができただけで、かなり痛い」のが実情です。

  まして借換え住宅ローンは、金利差目的にその金融機関ではじめて通帳をつくる、というお客様も多いのです。「警戒心をもって審査」は仕方ないことかもしれません。

  住宅ローン、借換え住宅ローンともに「今が借り時。」と言われていますが、確実に借換えメリットが得られそうな住宅ローンであるにもかかわらず、未だ借換えがなされていない案件については「何か理由があるな。」と、考えてみた方がよさそうです。

《太矢 香苗》
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太矢 香苗

太矢 香苗

かな・えるFP相談室 代表 大学卒業後地方銀行に勤務、個人向け融資業務・運用相談を担当する。その後税理士事務所勤務を経て、出産・育児の傍らFP資格を取得。2010年東京都八王子市でかな・えるFP相談室を開設し、地域を中心にセミナー・個別相談・執筆を行っている。市民活動を通じて、子育て支援・女性の社会参画支援・消費生活啓発事業にも取り組んでいる。 八王子市男女共同参画センター登録グループ「多摩らいふサポート」代表、平成25年度市民企画事業補助金交付団体「FPネットはちおうじ」代表、八王子市消費生活啓発推進委員、八王子市防災会議委員、2012年日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。長野県岡谷市出身。 <保有資格>:1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP® 宅地建物取引士(未登録) 寄稿者にメッセージを送る

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