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購入後、価格(資産価値)が落ちないマンションの条件とは?

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購入後、価格(資産価値)が落ちないマンションの条件とは?

 10年前に5,000万円で購入したマンションを売却したところ、5,150万円で売却でき、一方、10年前に4,500万円で購入したマンションが、売却価格3,500万円になってしまいました。

 この差は、いったい何でしょうか?

 この事例の5,000万円のマンションとは、「山手線のある駅から徒歩3分、大手デベロッパー分譲(当初新築)の70㎡の3LDKで、10階部分、南西角部屋、陽当たり眺望良好」でした。一方、4,500万円のマンションは「山手線の同じ駅から徒歩12分、79㎡の3LDK、3階部分で、東向きですが午後からは陽が当たらない」購入時は新築の住戸でした。

 月々の支払いは、11,060円高いけれど売却時には高く売れる物件と、月々の支払いは11,060円安いけど売却時には1,000万円も下がってしまう物件が、現実に存在します。また、前者の物件を貸した場合の家賃は24万円で募集期間は1~2週間、後者は、家賃19万円で募集期間は2ヶ月間(場合により3ヶ月間)くらいかかります。

 あなたはどう思われますか?

 この事例の場合は山手線の同じ駅での比較でしたが、10年前に新築で購入した3,480万円の郊外の駅(大手町まで電車で40分)から徒歩6分、87㎡の3LDK、5階部分 西向きとの比較ではさらに差は大きく、この郊外マンションは売却時1,980万円になってしまいました。

 なぜこのようなことがおきるのでしょうか?

価格が下がりにくいマンション住戸とは?

 価格を押し上げる(又は下がらない)「付加価値」や「希少価値」などの「プレミアムな条件」を持つマンション住戸のことをいいます。要は、売るときに、他人が「買いたい!」と思うマンションのことです。

 では、その条件とは

 東京の主要な場所に行くための交通が便利な「人気沿線」の「人気駅」であること。

 歴史を経て発展している街であり、買物施設・飲食施設・医療施設などが充実していて緑があり治安もよい街であること。「人気街」であること。「街力」があること。

 「駅近(駅から徒歩5分以内)」であること。

 「高台」に建つこと。(縄文時代から陸地であり地盤が安全な地震・水害に強い場所。これからは、この地盤・地質などがよいことが更にプレミアム度を押し上げる可能性があります。)

 国立大学や有名私立大学及びその付属校(小・中・高)が集まる(又はある)街。(学生・教師・職員等の利用駅)であること。

 「大手デベロッパーが売主のブランドマンション」であること。(三井不動産レジデンシャルや住友不動産、三菱地所の3大デベロッパーの他、野村不動産の「プラウド」など。やはり一般的に大手は設計・施工会社も信頼でき、いざという場合も安心というイメージがある。)

 有名公園が近くにあること。(有名公園や庭園に隣接し、バルコニーから緑の景色が見えるなどの場所に建つマンションのプレミアムが高くなることは言うまでもありません。)

 「南向き・陽当り良好」(又は南東、南西等、必ず「南」が入っていること。)

 「角住戸」(特に「東・南・西の角住戸」はプレミアム度が高い。)

 「最上階」

 江戸時代に大名や上級武士が住んでいたエリアに建つマンション。(このような地域は昔から地盤が強固で住みやすい場所であることが多いことから高級住宅地であることが多く、価格が下がりにくい。)

 前面に眺望を遮る建物がなく(今後も建つ可能性は低く)、眺望が開けた場所に立地するマンション。(公園や庭園前、大学の前、雰囲気が良く緑が多い神社の前などは、今後も高層建物が建つ可能性が少なく、眺望が維持されやすい。また、バルコニー前側が地形的に下がっていて、眺望が抜けている場合もプレミアムがつく。東京では富士山が望めるというのもプレミアムがつく。)

 などであると思います。

 そして、補足的に次のような要件も、あれば、なお良いと思います。

 人気小学校の学区内

 最新設備を備えた総合病院が近くにある。都立病院や国立病院はなお良い。(例えば子どもが夜中高熱で意識が無くなった場合など小児科の医師が24時間常駐していて、救急車を呼ぶより、電話してから子どもを抱きかかえて行った方が早い!などはプレミアムになる。)

 外廊下側に面している居室や窓なし居室がなく、全ての居室が外部に面していて(北以外の方位)、陽当たり・眺望がとれていること。リビングがワイドスパンであること。

 営業時間の長いスーパー(できればリーズナブルなスーパーとプレミアムスーパーと呼ばれるスーパーの両方)などの買物施設が近くにあるとなお良い。

 図書館や公的スポーツ施設などが近くにあること。

 他にも、色々ありますが、代表的な点をあげてみました。

 いかがでしょうか?結構そんなことは当たり前のことだとお思いなのではないでしょうか?

 しかし、意外と、不動産会社営業マンの話しを聞いていたり、豪華なカタログやきれいなモデルルームを見学していると、気持ちの高まりから舞い上がり、このような基本的なことが見落とされてしまいがちです。

 気づいてみれば、「コンセルジュがいて豪華で自慢の共用部分はあるが、当初検討していた場所とは全然違う、初めての沿線のいままで降りたことがない駅から徒歩12分の、知らない街に建つマンション」を買うことに、自分で自分を説得しはじめていたりするものです。

 「住宅ローン」の研究も大切ですが、それ以前に、まず、目的物(買うマンション)の選択を誤ってはいけません。どの物件を選ぶかで、その後の人生が変わる可能性があるのです。

「安全」で「価値が落ちにくい」マンションを選択しよう

 先が不透明なこれからの時代、一生住むつもりで手に入れたマンションであっても、長い人生、売却したり、貸すことも起きると思います。私も不動産の仕事をしていて、購入する時点では、一生住むつもりですとおっしゃっていた方が、数年もしないうちに状況が変わり、売却にいたるケースを数え切れないほど経験しています。

 売るときになって、買った価格に比べ、数千万円も下がってしまう現実を知って愕然となさる方がとても多いのが、一般の方の現状です。

 それから、今後、「首都直下地震が近年中に高確率で発生」などと言われている以上、地盤・地質、標高、ハザード状況、耐震基準等の他に、自分のマンションの存在する街(地震発生時に必ずしもマンション内にいるとは限りません。)が「安全」であることをきちんと確認することはもちろん、地震発生によっても価格が落ちないマンションを購入することは大切なことだと思います。

 これから、マンション購入をお考えの方は、ぜひ、「安全」と「資産価値が落ちにくい」マンションを手に入れることをおすすめ致します。(執筆者:後藤 一仁)

《後藤 一仁》
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後藤 一仁

株式会社フェスタコーポレーション 代表取締役 公認不動産コンサルタント。大手不動産会社のハウジングアドバイザー、東証一部上場企業連結不動産会社の取締役を経て、(株)フェスタコーポレーションを立ち上げ、代表取締役に就任。平成元年より26年間、東京を中心に、常に顧客と直接接する第一線での不動産実務全般に携わり、著名な方の取引実績も多数ある。対面個別相談件数1万組超、取引件数6,000件超の人気不動産コンサルタント。「専門家(旧All about)プロファイル」登録専門家(2012年、2013年、2014年年間人気建築・不動産系専門家ランキング『全国1位』)。朝日新聞社運営協力「マイベストプロ東京」登録専門家(テレビ局・新聞社運営『マイベストプロジャパン』2013年、2014年年間住宅・不動産系専門家アクセスランキング『全国1位』)。コラム・記事執筆、セミナー講師、新聞、雑誌など、『不動産を通じて、世の中の一人でも多くの人を幸せにする』ことをミッションに活動中。1965年神奈川県川崎市生まれ。東京都在住。 著書『東京で家を買うなら』(自由国民社)。 <保有資格>:国土交通大臣登録証明事業・公認不動産コンサルティングマスター。宅地建物取引士。賃貸不動産経営管理士。 寄稿者にメッセージを送る

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