複数の口座を一元管理するアグリゲーションアプリ/ソフト»マネーの達人

複数の口座を一元管理するアグリゲーションアプリ/ソフト

 銀行などの金融機関のWeb画面に他の金融機関等のWebサービスのIDやパスワードをあらかじめ登録しておくことで、登録した全ての口座の残高が一覧表示されるアグリゲーションサービスは以前よりあったが、タブレット端末やスマホに対応した金融機関以外によるアプリが人気だ。今回は人気アプリ/ソフトのうち3つを紹介したい。


Moneytree(マネーツリー)


(1)特徴
 iPad、iPod、iPhoneアプリ。あらかじめ金融機関などのネットバンキングIDやパスワードを登録しておくと、登録した口座の取引一覧がアイコンで自動表示される。自動表示できなかった分については手入力で登録しておけば、以降の取引に自動対応する。

 もちろん現金取引分の手入力もできるため、口座の合計残高、週や月など期間ごとの収支を数字やグラフで表示できる。通知画面には、クレジットカードの銀行引き落とし日や入金通知も表示される。画面がシンプルで見やすい点も○。対応金融機関等53。

 現在のところ、WebやPCには対応しておらず、CSV形式を含めエクスポート機能も無いため、紙やEXCELなどで管理保管したい人には不向き。モバイルSuicaには対応しているがWeb明細に非対応であるPasmoはNG。

(2)セキュリティ
 SSL取得。

(3)こんな人向き
 手軽に入出金履歴や収支明細を確認したい人。

(4)料金
 無料


Money Forward(マネーフォワード)


(1)特徴
 PCやスマホで利用できる(Google play, App Store)アグリゲーションサービス。長期記録にも対応しているため、過去との比較も容易にできる。日々の収支はカレンダーにも自動表示され、銀行引き落としや入出金などをメールで通知することもできる。

 レシート写真認識アプリ「ReceReco(レシレコ) iTunes 無料」と連携しているため、アグリゲーションサービスを利用しながら、レシートの自動読み込みによる詳細な品目管理も可能。対応する金融機関等は120以上と多い。

(2)セキュリティ
 256bit SSL暗号化(暗号方式は2048bit)

(3)こんな人向き
 主にPCで大局的に資産管理をしたい人

(4)料金
 無料


Active Money Pro / Pro HD(アクティブマネープロ)


(1)特徴
 ライフプランと家計管理をメイン業務とする私が最も評価する点が、予算管理画面である。スピードメーターのようなカラーアイコンにより、その費目をあとどれだけ使えるかが容易に見てわかる。

 また、TODOリストに買うものをリストアップしておき、買ったら「取引」として記録される機能も、家計管理のベーシックな考え方に基づいていると言える。さらに、年の始めを任意の月に設定できるだけでなく、「1ヵ月」も、1日でなく給料日起算として設定できる。給料日が月末近くなのに家計簿は1日始まりというところで家計簿つけに断念する人も救済されるだろう。

 日々の入力については、外食、ジュースなど、いつもの入力をアクティビティとして登録できる。外食の多さが気になる人は外食部分を詳細に設定したり、長続きしにくい人は食費、外食・交際、雑費など大まかに設定するなど、家計簿の明細を自分でカテゴライズできる。

 しかし、その作業が難しいというレビューも見られた。その通りだと思う。自分なりの管理方法を見つけ、予算に応じて管理することが家計管理の集大成なので、いたしかたない。なお、場所を登録した店舗で購入した場合はGPSでアクティビティを判定し、入力できる機能もある。さらにHD(iPad版)はCSV形式で出力ができるため、PCで管理することもできる。

 使い始め、使い方がわかりにくいのが難点。また、クレジットカードの銀行引き落としを自動入力させるためには入出金予定に登録しておく必要があるため、少し面倒。逆手にとれば、クレジットカードの使いすぎ防止になる、かも。

(2)セキュリティ
 パスコードによるロック機能

(3)こんな人向き
家計がカツカツで、予算管理から改善したい人

(4)料金
 iPhone・iPod(定価700円、現在200円)、HD(iPad用。定価1,000円、現在400円)


夫を家計簿つけに参加させよう


 以上は全て私個人の感想である。複数口座管理が可能な家計簿アプリやソフトは、PCならVectorや窓の杜でフリーウェアが公開されているし、iTunesやGoogle Storeで検索できる。レシートを写真で読み込むアプリもある。関心があれば実際にいくつか使用して比較し、自分に合った使い道ができそうなアプリ/ソフトを選んで欲しい。

 家計簿は女性がつけるもの、1年または年度の始めにスタートするものと勘違いしないでほしい。多くの家庭では、妻が主に買い物を含め家事を担当し、夫が資金を運んで来る。

 株式会社に例えるなら、妻が営業兼事務、夫が株主といったところだろうか。会社の収支について、株主はチェックしないわけにはいかない。100歩譲って妻が家計簿を担当したとしても、定期的に夫による監査が必要だ。

 ところが、「何故こんなに支出してるんだ」などと発言しようものなら「現場の実態を知らないくせに何のつもり?」と憤慨されること必至である。現場と管理サイドの溝を埋める一番の方法が、管理者が現場に降りてくること、つまり夫も家計簿つけに参加することである。

 さらに、1年で一番「使途不明金」が多い月は何月かご存じだろうか?ズバリ1月である。それも松の内。お年玉やら親戚づきあいで、レシートの出ない支出が目白押しだ。松の内が明けた頃ようやく家計簿に取り組もうと思っても、支出の記憶はもう無い。

 家計管理=家計簿ではないことは、自身のブログで以前書いた通りである。しかし、お金の面での「身の丈」を振りかえり、人生にとって重要なことや必要なことにお金を充分に割り当てるためのベースとなるツール、それは家計簿をおいて他には無いだろう。(執筆者:古川 みほ)

この記事を書いた人

古川 みほ 古川 みほ»筆者の記事一覧 http://www.fpmiporin.com

暮らしのお金の保健室
帝京大学非常勤講師、NPO法人FPネットワーク神奈川理事長。旅行会社、電話会社、損害保険会社、投資顧問会社、生命保険会社、保険代理店に勤務後、2000年に独立。知識やデータだけでは解決できない、ライフプランや家計にまつわる相談、講師、FP養成講座テキスト等執筆活動を行っている。不安や迷いやグチをしっかり聴き、相談者ご自身で解決できる力を蓄えるため、必要に応じて手とり足とりサポートできることが持ち味。
<保有資格>:ファイナンシャルプランナー(CFP®、1級ファイナンシャルプランニング技能士 ※登録名「仲井間 美穂」)、社会教育主事、2級キャリア・コンサルティング技能士


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