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がんは2人に1人と言うけれど…疾病保障付住宅ローンを考える

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がんは2人に1人と言うけれど…疾病保障付住宅ローンを考える

 今回は金融機関が生き残り(?)をかけて考えた商品のひとつ、特定の病気にかかった際にローンが減額または免除される疾病保障付の住宅ローンのお話をしたいと思います。特にここではがんり患時の保障についてお話したいと思います。

疾病保障付の住宅ローンのコスト

 まずはコストから…この疾病保障付住宅ローンは保険料として金利の上乗せ幅が0.15%(キャンペーン時期)または0.3%が一般的だと思います。そこでこの金利上乗せがどのようなインパクトがあるのか確認するために、前提を住宅ローン3000万円、ローン金利1.5%、返済期間30年とした場合の試算をしてみました。

 金利差が0.15%の場合は支払利息総額で782,300円増、月額負担平均2,172円増、また、0.3%の場合は各々1,574,499円、4,373円となります。         

 そして、この保険の大きな魅力のひとつに、がんになったらローンが保険で完済される仕組み(商品名が表面上同様の住宅ローンでも保障内容が異なる類似商品には十分な注意が必要となります。)です。がんは2人に1人と言いますが、では、返済期間中にがんに罹患するリスクはどの程度あるのでしょうか?

現在の年齢別がんり患リスク

 例えば、40歳の男性が20年後までにがんと診断される確率は7%です。
(詳しくお知りになりたい方は「独立行政法人国立がん研究センタ―がん対策情報センター」の最新がん統計(※)をご覧ください。)

 住宅ローンの多くは30歳代~40歳代に契約し、30年後前後に完済します。この期間にがんに罹患し、住宅ローンの返済に支障をきたすリスクをどう考えるかになります。

 また、保険料が(金利差による資金負担分)妥当か? あるいは考え方しだいですが、住宅ローンの完済というより、患した時の治療費に重きをおいた民間生命保険会社の充実した商品はないか? などを検討するのも一考かと思います。

 ここではがんについてのみのお話でしたが、その他の疾病でも一定の条件で保障されますが、支払条件を十分に把握したうえでお決めになることをお勧めします。ひとつ言えることは住宅ローンの返済期間中に限れば、がんにり患するリスクは50%(2人に1人がり患)ではないことをしっかりと認識しなければなりません。

 それらリスク、コストを踏まえて十分に検討されてお決めになることをお勧めします。このローンは一般的に契約後、完済または借り換えをしない限り、保障だけを外すことはできないことも認識しておくと良いでしょう。(執筆者:小林 裕市)

【外部参照】
最新がん統計(独立行政法人国立がん研究センタ―がん対策情報センター)

《小林 裕市》
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小林 裕市

小林 裕市

株式会社 アクトFPオフィス 代表取締役 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士 明治大学卒、地方銀行入行、勤続18年4か月(本部企画部門などの勤務のほか、本店営業部、東京支店にて支店経営を経験)、その後、大手生命保険会社に転職、勤続5年1か月(コンサルティング営業を経験)2004年に独立系ファイナンシャル・プランニング事務所「アクトFPオフィス」を設立、金融現場の未経験者が多い独立系FP事務所のなかで数少ない実務派FP、現在ではスタッフ2名とともに年間100件以上の相談に応じている。さらに2000年4月からは事例勉強会「FP研究会」を専門家集団にするために発案し事務局として参画、これまで10年以上に渡り、FP・弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士・土地家屋調査士などの専門家と定例勉強会などを通じ、財産に係る様々な問題解決に取り組んでいる。 寄稿者にメッセージを送る

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