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1次相続を受ける人が考えるべき2次相続の4つの注意点

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1次相続を受ける人が考えるべき2次相続の4つの注意点

 父親が亡くなり母親と自分を含めた子供たちへの相続(1次相続)を受ける際にどのように遺産分割をすべきでしょうか。一族のトータルの相続税額を少なくしたいということでしたら、将来の母親からの相続(2次相続)まで考えて1次相続での遺産分割を検討する必要があります

 配偶者の税額軽減が使えるからと言って1次相続ですべての財産を母親が相続してしまうと2次相続で思わぬ高額の相続税額が発生することにもなりかねません。1次相続を受ける際に2次相続について次の4つの点に注意する必要があります。

2次相続の4つの注意点

1.配偶者の税額軽減が使えない

 当たり前ですが、2次相続は子供たちだけですので配偶者の税額軽減はありません。

2.法定相続人が1人減り基礎控除額が減る

 1次相続で相続人であった母親が2次相続では相続人ではありませんので、子供たちの人数に変化がなければ法定相続人は1人減ることになります。相続税の基礎控除額は平成26年までは5,000万円+1,000万円×法定相続人の数で計算されますので、基礎控除額が1,000万円減ることになります。(平成27年以降は影響額は600万円になります。)

3.小規模宅地等の特例が使えない可能性がある

 自宅の土地については配偶者が取得する場合には小規模宅地等の特例を適用して最大8割の評価減をすることができます。しかし、子供が取得する場合は一定の要件を満たさないとこの特例は適用できません。例えば評価減前の評価額が2,500万円の土地でしたら影響額はその8割の2,000万円にもなります。

4.平成27年より基礎控除額の引き下げが行われる

 平成26年中に1次相続があり、平成27年以降に2次相続がある場合には2次相続時の基礎控除額は1次相続のときの6割になってしまいます。例えば子供2人の場合平成26年中の1次相続では、基礎控除額は5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円ですが、平成27年以降の2次相続では、上記2.の法定相続人の減少の影響も含めて、3,000万円+600万円×2人=4,200万円になってしまいます。

 以上4つの点を考えて2次相続での相続税額を試算したうえで1次相続での遺産分割を検討されることをお勧めします。(執筆者:犬山 忠宏)

《犬山 忠宏》
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犬山 忠宏

犬山 忠宏

犬山忠宏税理士事務所/FPオフィスp.1 代表 神奈川県出身 昭和34年生まれ。明治大学経営学部卒業後、製造業の企業に経理職を中心に30年勤務。2012年に早期退職し、税理士、ファイナンシャル・プランナーとして独立開業。「お金と税金について知ること」をお手伝いして皆さんの人生を少しでも豊かにすることを目標に活動しています。 <保有資格>: 税理士、CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、マンション管理士 寄稿者にメッセージを送る

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