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大手3社の医療保険「がん通院特約」を徹底比較 あなたのベストはここだ!

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大手3社の医療保険「がん通院特約」を徹底比較 あなたのベストはここだ!

 前回、この度の医療保険の商品改定で「がん通院保障」が拡充されてきたということを書きました。今回は前回「三大疾病日数無制限」に関して商品解説した大手3社の医療保険のがん通院特約について詳述したいと思います。

1. オリックス生命「新CURE」の「がん通院特約」

 以下のいずれかに該当した時に給付。

(1)がんで入院し、その退院後1年(通院治療期間)以内にその入院の原因となったがんの治療を目的として通院されたとき(但し、通院治療期間あたり60日を限度とする)

(2)約款所定の手術、放射線照射、温熱療法、抗がん剤治療(腫瘍用液のみとし、経口投与を除く)のため通院されたとき(但し、支払日数に制限はなし)

2. 三井住友海上あいおい生命「新医療保険A」の「がん治療通院給付特約」

 入院の有無を問わず、がんの治療を目的として通院されたときに給付。次の期間(支払対象期間)中の通院が対象。支払対象期間中は何日でも保障。

(1)初めてがんと診断された日から5年間

(2)最終の支払対象期間が満了した日の翌日以後に、次のいずれかに該当した日から5年間

がんが再発したと診断確定されたとき
がんが転移したと診断確定されたとき
新たにガンが生じたと診断確定されたとき
がんの治療を目的として入院されたとき

 がんの治療として一般的な、手術・放射線治療・抗がん剤(点滴・注射のほか経口投与も含む)治療をはじめとして、ホルモン剤を用いたホルモン療法・免疫療法・緩和療法等で通院された場合も保障。

 但し、通院とは医師による治療が必要であり、約款所定の病院または診療所で外来による診察・投薬・処置・手術・その他の治療を受けることをいう。通院には往診も含まれる。検査や経過観察のための通院、美容上の処置による通院、治療措置を伴わない薬剤または治療材料の購入、受け取りのみの通院等は保障外。

3. NKSJひまわり生命「新健康のお守り」の「医療用がん外来治療給付特約」

 がんと診断され、がん治療を目的として、医師の治療処置を伴う外来治療(通院・往診)を外来治療期間中に受けた場合に、所定のがん治療(手術療法、放射線療法、化学療法、疼痛緩和療法)が続く限り保障(通算無制限、但し年間120日限度)。

 上記の外来治療期間は、次の延長要件を満たした場合に1年毎に延長される。「手術療法、放射線療法、化学療法、疼痛緩和療法のいずれかのがん治療が引き続き必要と認められた場合」。延長された場合も1年間で120日分支払が限度だが通算支払制限はない。また新たにがん診断給付金の支払事由に該当した場合には、あらたに外来治療期間が設定される。

 以上、2014年5月時点の各社の商品パンフレットより転載したが、正直非常に分かりづらいと思います。商品間の競争が激しくなれば当然保障内容は各社各様になり複雑化するのは当たり前です。それ故、巷の保険募集人でさえ保障内容や保障性の違いをしっかりと理解しているものが少ないと見受けられるケースがあります。

 そこで各社がん通院特約の特長と注意点を以下に列挙したいと思います。

各社「がん通院特約」の特長と注意点

各社共通

 ・がん通院特約の保障開始は、主契約の責任開始日の90日後から。
 ・がん通院給付金の支払条件にがん入院要件はない(オリックスの(1)は入院要件あり)。
 ・がんは上皮内がんも含める。

オリックス生命

(2)の通院では支払日数制限はありません。但し、抗がん剤治療は腫瘍用液のみが対象。ホルモン剤や分子標的薬等の生物学的製剤は含まれないが、腫瘍用液と生物学的製剤等の両方を使う治療であれば保障対象となります。

(2)以外のがん治療、例えば生物製剤のみ使った治療等は(1)の要件となりますが、最低1日の入院は必要。支払日数制限は60日。がん診断治療給付金特約と同時付加する必要があります。

三井住友海上あいおい生命

 支払対象期間は初発がんの通院治療のための「5年間」 + 再発・転移したがんの通院治療のための「5年間」の合計10年間となります。この支払対象期間5年間の間は日数無制限に保障。

 但し、5年間をまたぐ通院治療の場合は5年目経過時点で給付終了となります。がん診断特約と同時付加する必要はありません。この特約のみでも付加できるので、他社がん診断給付金を主契約とするがん保険との組み合わせが可能。

NKSJひまわり生命

 1年間を外来治療期間として考え、120日の日数支払制限がありますが、その外来治療期間は延長要件を満たす限り、1年毎無期限に延長が可能。医療用がん診断給付特約と同時付加する必要があります。

どこの会社のがん通院保障が自分にとってベストか

 保障期間として終身的に使えるのはオリックスひまわり(三井は3回目以降の再発・転移の可能性を想定してない)、保険金の支払われ易さに繋がる保障範囲の広さでは断トツに三井、次点がひまわり、といったところでしょう(オリックスもいいが、腫瘍用液以外の抗がん剤治療は60日日数制限になります。将来的に化学療法がさらに進化した場合を想定してないといえます)。

 しかし、どれが良いかは各自のがん治療に関する知識や経験によって左右されることが多いと思われます。

 昨今がん治療は長期化しており、平均で5年~7年間かかるといわれています。それ故、がん治療に限って言えば、がん通院特約は主契約以上に大切な特約ともいえます。各社各様の保障内容なので、がん通院特約の保障性はきちんと理解して医療保険に加入しておくのが望ましいといえるでしょう。

 但し、一般的に医療保険は保険会社の引受基準が他の保険種類に比べ厳しく、例えば上記三社も引受基準はそれぞれ異なっており、各社告知書の質問項目も異なっています。

 持病や定期健診で指摘を受けている人等は特別条件(部位不担保、疾病不担保、保険金削減、保険料割増等)がついたり、謝絶(加入お断り)されたりすることもあるので、医療保険に興味あるものの心配な方は生命保険プロ(FP事務所やプロ保険代理店に所属している生命保険募集人)に相談してみることをお勧めします。

 次回の記事では上記三社以外の生命保険会社の最新の医療保険の特長を解説したいと思います。(執筆者:伊藤 克己)

上記の記事で取り上げた支払事由はあくまで2014年5月時点で、私の手元にある最新のパンフレット、約款及びご契約のしおり、各保険会社ソリシターに確認した内容を元に記述したものです。今後の保険商品改定により、特約給付金の支払事由が変更されることが十分考えられますので、将来もこのような保障内容であるとは限りません。加入検討される際は担当の保険募集人もしくは保険会社に直接保障内容を確認するようにして下さい。

《伊藤 克己》
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伊藤 克己

伊藤 克己

ゆうゆうFP事務所 代表FP(現在閉鎖) 電機・半導体メーカー退社後、外資系生保と乗合代理店で実務を学び、独立系FP事務所を開業。リスク・ファイナンシングを現場実践している「実践派FP」として顧客利益優先に活動。 寄稿者にメッセージを送る

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