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FX会社のスプレッドの狭さと約定力、どちらが重要なのか分析してみた

投資 FX
FX会社のスプレッドの狭さと約定力、どちらが重要なのか分析してみた

FX各社は取引手数料を無料としているものの、スプレッド(買値と売値の差)を設定することで手数料を徴収しています。ですから、スプレッドはFXトレーダーにとっての取引コストとなります。

しかし、スプレッドが狭いほうがよりお得という結論になるかというと、そうではありません。スプレッドが狭いなら卓上の計算ではコスト負担が少なくてすむのですが、実際にはFX会社の約定力次第で、設定されているスプレッド以上の取引手数料を支払うことが多々あるのです。

では、FX会社のスプレッドと約定力、どちらがより重要なのでしょうか? 分析してみましょう。


スリッページとは

どのFX会社で取引をしても、少なからずともスリッページが発生します。スリッページとは、注文したレートで約定しないこと、注文レートから離れたレートで約定することで、ブログサイトなどでは「すべる」ともいわれています。

たとえば、ドル円通貨を取引中に120.00円で買い注文を出したとします。しかし、実際の約定レートが120.10だったとすると、10銭すべったことになります。

10銭のスリッページがどれほどの事なのかと言いますと、その取引が1万通貨取引ならば1000円分すべったことになり、取引手数料として1000円余分に支払うことになるというわけです。通常の取引で10銭もすべるFX会社はほとんどありませんが。

スリッページはなぜ起こる?


スリッページが発生する理由はいくつかあるのですが、大きく分けると要因は2つです。一つはFX会社側の約定力不足で、サーバーやシステム等の力量不足と考えられます。

時々、FX会社がわざとスリッページを引き起こして手数料を多めに徴収しているという話を聞きますが、真相はわかりません。そんなことは決してないと信じたいものですが…。

もう一つの要因は、FXトレーダーのネット環境です。例えば、光とADSLではネット速度が異なり、結果スリッページを引き起こす可能性があります。

ネット環境はある程度改善可能ですが、FX会社のサーバー・システム等が原因で引き起こされるスリッページはどうしようもありません。スリッページの少ない会社、つまり約定力の高いFX会社を自分で選別するしかないのです。

約定力が強いと言われているのはマネーパートナーズ

約定力が強いと言われているのはマネーパートナーズです。矢野経済研究所が毎年実施している「FXサービスパフォーマンステスト」の結果、6年連続約定力No.1となっているマネーパートナーズ。第三機関の調査ですから、調査結果は信頼できるかと思います。

マネーパートナーズは「約定力」を自社の強みとしていますが、気になるのはスプレッド。ドル円のスプレッド表を見てみましょう。


≪ドル円スプレッド表≫

15年5月時点でのドル円スプレッドは各社0.3銭でほぼ横並びの状況ですが、マネーパートナーズのスプレッドは0.5銭となっています。(100通貨単位取引のFX nanoは含まず) つまり、約定力は強いのですが、スプレッドは他社と比較して広めなのです。

そうなると、ある程度のスリッページを覚悟してスプレッドの狭いFX会社で取引するか、あるいはスプレッドは広めだが “すべらない” マネーパートナーズで取引するか、どちらかの選択になるでしょう。

大部分のFX会社のドル円スプレッドは0.3銭で、0.2銭すべっても実質スプレッドが0.5銭です。ですから、卓上の計算になりますが、0.3銭以上のスリッページが頻繁に起こるならマネーパートナーズを利用したほうがコスト負担を抑えることができると言えます。

マネーパートナーズ⇒公式サイト

FXトレーダーはどこまで約定力を重視しているのか?

では、FXトレーダーは多少のスリッページがあるにしてもスプレッドの狭い会社を選ぶのか、それとも約定力をより重視してFX会社を選択するのでしょうか? その答えは、毎月のFX取引高ランキングにあると思います。

先でふれた矢野経済研究所発表のFX月間取引高を見てみましょう。


≪15年3月FX取引高ランキング 矢野経済研究所発表データに基づく≫

取引高ランキングのトップ5は、いずれもドル円スプレッド0.3銭のFX会社で、約定力をアピールするドル円スプレッド0.5銭のマネーパートナーズはランキング外となっています。

このランキングが、トレーダーが好んでそれら5社を利用している結果であるというのなら、FXトレーダーがより重視しているのは約定力ではなくスプレッドだと言えるでしょう。当然、その他要因もあると思いますが、スプレッド重視の傾向は間違いないのかと。

まとめ

FX会社選別においてスプレッドの狭さは重要ですが、約定力も重要です。しかし、上記データをみると、「約定力No.1」といわれているマネーパートナーズが一番人気ではありません。

つまり、FXトレーダーは約定力も重視しているが、スプレッドが狭く、かつ適度な範囲で約定力があること、このバランスをより重視していると読み取れます。(執筆者:堀 聖人)

《堀 聖人》
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「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ことをライフテーマとするアラフォー。銀行にお金を預けるだけでは時間とお金を活かしきれていないと悟り、お金がお金を生む仕組みを独学で学ぶ。投資歴は株式投資8年、FX3年。開設済み証券口座は5口座、FX口座は10口座以上。株式投資、FX投資、クレジットカードをメインに鋭い視点からなるコラム執筆中。日経ヴェリタスなどでもコメント。 <保有資格>:第二種証券外務員資格 <メディア掲載>:日経ヴェリタス 2015年11月15日号、 株完全ガイド(晋遊舎) 寄稿者にメッセージを送る

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