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幸せな家計は支出配分を決めることから

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幸せな家計は支出配分を決めることから

何かのライフイベントをきっかけに、それまでは収支が黒字だった家計が、一気に赤字になることがあります。例えばマイホームの購入。それまでは頭金を「貯められる家計」だったのに、購入後は「まったく貯められない家計」になってしまう事がよくあります。そして、場合によっては数年後に「赤字の家計」に陥ってしまう。

その原因は、支出配分にあります。よく、住宅ローンの借入可能額の計算式として、「家賃プラス頭金積み立ての額」と言われます。この計算式は、支出配分の面からみると大きな間違いがあります。


住宅ローンも家賃も共に「住居費」

例えば、手取り月収30万円、家賃8万円、頭金積み立て2万円の家計を見てみると「住居費8万円(26.6%)、貯蓄2万円(6.6%)」の支出配分になります。これが全額住宅ローンの返済に充てられると「住居費10万円(33.3%)貯蓄0円(0%)」の支出配分になります。

住宅ローンも家賃も、支出の面から観れば、共に「住居費」なのです。そして、頭金の積立をローン返済に充てるという事は、支出費目を貯蓄から住居費に変更することなのです。

支出配分の決定は生き方を決める事

自分の生き方として、支出項目に優先順位をつけることは重要です。

安田財閥を一代で築いた亜須田善次郎氏は「住居費にかけるお金は、収入の1/10を超えてはいけない」と決めていたそうです。本多静六氏は著書[私の生活流儀]の中で、「収入の1/4(25%)を貯蓄に回すと金持ちになれる」と書いています。高野登氏は著書[リッツカールトンが大切にする、サービスを超える瞬間]で「目指す年収の5%を自分に投資する」と書いています。

その一方で、高級外車に乗るために、その他の支出を最小限に抑え、それでも充分に幸せな人がいます。

要するに、限られた収入の中で、自分はどう支出を振り分ければ幸せか? を考えることが重要です。ライフプランを作成する際、ここがしっかり決まっていないと、目的が「幸福」ではなく「損得」だけ、合理性を追求しただけの「誰でも同じプラン」しか作成できません。

理想と現実のギャップを埋める


主な支出項目として、住居費・保険料・教育費・外食費・旅行代・自動車関連費・被服費・貯蓄などがあります。

自分のこだわっている支出は一つの費目とし、どんな支出があるか書き出してみてください。

まずは感覚でいいので、自分に必要な費目の優先度合いを百分率で表してみてください。どうでもいい費目は「その他」でひとまとめにしても良いです。

次に、実際の家計から、現在の支出配分を導き出してください。当然、理想と現実にはギャップがあるはずです。

このギャップを埋めるのがファイナンシャルプランです。収入の範囲内で収まるよう、優先度の低いものは妥協、またはお金がかからないよう工夫したり、将来の支出増を見越して、費目ごとに積立金を準備したりします。また、資産運用で収入を増やすことも考えます。

支出配分は画一ではない

よく、理想の家計として、「住居費に何%、保険に何%、食費に何%…」と書かれた本がありますが家計の支出配分は決して一般化できるものではありません。生き方や目標の違いで、各費目の支出割合は変わってきます。

人は暗くなるような目標に向かっては、決して努力しないそうです。まずは自分や家族全員のの価値観で支出配分を決めてください。日々の生活が楽しくなければせっかくのライフプランが台無しになります。(執筆者:田島 稔之)

《田島 稔之》
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田島 稔之

田島 稔之

田島FP事務所(T.F.P.O) 代表 東京情報大学情報学科卒。大学卒業後、小売業に就職。その時にFPと出会い、FPとして独立することを決意。資格取得後、実務経験を得るために転職。不動産業、生命保険セールスを経て2006年田島FP事務所(T,F,P,O)を開業する。「FPにとっての金融商品は、医者にとっての処方箋。診察あっての処方箋」をモットーに、あくまで診察がメインのコンサルティングを行っている。長野県長野市を拠点に、住宅ローン相談や401Kセミナーを中心に活躍している。 <保有資格>:CFP®  1級ファイナンシャル・プランニング技能士  住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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