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お金を知ることで、「お金の不安」を解消しよう

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お金を知ることで、「お金の不安」を解消しよう

将来が不安…貯金する若者


「下流老人」、「老後破綻」という本が売れています。


年金が実質目減りしているにもかかわらず、物価が上がり、社会保険料が上がり、税金も上がっているのですから、年金生活をしている方が不安になるのは無理ありません。

現役世代も、「アベノミクス」で景気が回復しているはずなのに、自分のところにはさっぱりお金が回ってこないので不安。しかも、テレビを見ると、地震や噴火、暴風雨、さらには中国株の暴落やFIFA(国際サッカー連盟)、フォルクスワーゲンが組織ぐるみの巨額不正など、信じられないことが次々と起きてますます不安になります。

不安を抱えているのは、若い人たちも同じ。東京工芸大学が現役学生800人におこなった「イマドキのキャンパスライフに関する調査」(2013年)には、将来が不安なので、お金を使わず貯金するという若者の姿が反映されています。

余暇で最も多いのが「インターネット閲覧」で63.9%。次いで、「TV・DVDの視聴」が53%、「音楽鑑賞」が47.4%、「マンガ」が40%で、「恋愛やデート」は18.1%、飲み会・コンパは15.8%。

つまり、今の20歳前後は、お金がかかるようなことをあまりしていない

さらに、自由に使えるお金があったら、1位「友人との交際」(68.1%)、2位「マンガ」(35.3%)、3位「外食」(32%)。ここまでは、そうだろうなと思えますが、なんと4位に「貯金」(30.4%)が入っています

学生で、自由なお金を持っていたら、もっと楽しいことがいろいろとできるのではないかと思うのですが、楽しいはずの旅行(25.4%)や恋人とのデート(24.3%)はもっと順位が低く、貯金の優先順位のほうが高いのです(いずれも複数回答)。

学生も、今は奨学金で自己破綻する人まで出てきているので、将来のことを考えると、まずはデートより貯金ということになっているようです。

お金を知れば、不安は解消できる


個人金融資産の6割を持っているといわれる高齢者は、「下流老人」に転落することが怖くてお金を使わない。子育て中の現役世代には、そもそも余裕資金がない。独身貴族であるはずの若い人たちは、お金をかけずに楽しみ、デートよりも貯金を優先する。


これでは、なかなか消費は上向かない。しかも、縮こまってしまった消費に追い打ちをかけるように、消費税増税が既定路線となりつつあります。

私は、よく人に「荻原さんは、性格は明るいのに、言っていることが暗い」と言われますが、どう考えても「お金をバンバン使いなさい」とは言えない状況です。ですから、「借金返して現金増やせ」といい続けていますが、それをしっかりやっているなら、必要以上に「お金」のことで不安になることはありません

生命保険文化センターが、約4000人を対象に「世帯主または配偶者の介護にどれだけお金がかかると思うか」という、かかる費用を予想するアンケートをおこなったところ、平均で3285万円かかると予想しているという結果が出ました。ところが、実際に介護をした経験がある人に同じアンケートをしたら、平均額はなんと約526万円でした。と、約6分の1でした。

介護のことは良く知らない人が多いだけで、不安が募って3000万円以上という予想になったのでしょう。これは、知らないことで、不安が大きくなるという代表的な例。このコラムでは、皆さんが抱えている「お金の不安」を、お金について様々な角度で知ることで、ある程度まで解消していただきたいと思います。

不安が減れば、気持ちは明るく前向きになります。いっしょに、「お金の不安」を解消しましょう。(執筆者:荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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