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最近のヘッジファンド動向(2) 商品相場下落の要因と今後の見通し

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最近のヘッジファンド動向(2) 商品相場下落の要因と今後の見通し

こんにちは! 国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。

さて今回は、前回に引き続き、市場の変化による“ヘッジファンド戦略への影響”について、観ていきたいと思います。


市場変化によるヘッジファンド戦略への影響

このところの市場環境の変化に伴い、最近、新たに、ヘッジファンドへの“逆風”が吹いています。

それは、金や原油といった商品相場が、12年ぶりとなる大幅下落していることです。

そのあおりを受けて、商品投資専門のヘッジファンドが、このところ運用停止や清算に追い込まれています。

穀物大手カーギル傘下の運用会社ブラック・リバー・アセット・マネジメントは、新興市場株や商品に投資する4本のファンドの清算を決めました。運用残高10億ドル(約1240億円)を、投資家に返還します。

また、商品専門の運用会社アルマジャロも、4億5000万ドル(約558億円)の商品ファンドの清算を決めています。

さらに、アメリカ投資ファンド大手のカーライルグループも、傘下の商品投資専門のヘッジファンド運用会社から資本を引き揚げました。ピーク時には20億ドルあった運用資産が5000万ドルにまで縮小したため、撤退を余儀なくされたようです。

実際の相場を観てみると、金や原油、穀物など24種の商品で構成する商品相場指数であるS&P・GSCIの総収益率は、この8月~9月にかけて、マイナス13.6%と、2002年以来の低水準で推移しました。

商品相場下落の主要因は、

1)中東産油国や米シェール原油の増産による生産超過(過剰供給)
2)中国需要の落ち込み(中国の成長率の鈍化)
3)米ドル高(国際商品は、ドル建で取引されるため)

の大きく“3つ”が考えられます。

上記の理由を観る限り、短期間での商品市場の好転は考えられません。従って、今後も、しばらくはこの状態が続くものと考えられます

特に、商品系ヘッジファンドにとっては、「受難の日々」が続くと言えるでしょう。

さて、従来とは大きく変化を求められているヘッジファンド業界ではありますが、次回は、この状況を打破すべく、「今後のヘッジファンドが目指す方向」について、取り上げてみたいと思います。(執筆者:荒川 雄一)

《荒川 雄一》
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荒川 雄一

荒川 雄一

IFA JAPAN®株式会社 代表取締役社長兼CEO 国際フィナンシャルコンサルタント 投資顧問会社 IFA JAPAN®株式会社ほかリンクスグループ3社の代表を務める。中小企業診断士、日本FP協会認定CFP®。現在、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「海外分散投資」や「モデルポートフォリオ運用」を専門としている。中でも、海外ファンドを用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。また、投資教育にも力を入れており、国立高知大学非常勤講師など、講演回数700回以上。日本経済新聞ほか、各マネー誌など執筆多数。 寄稿者にメッセージを送る

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