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離婚を考えたらすべき5つのこと(3)【幸せになるための離婚】

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離婚を考えたらすべき5つのこと(3)【幸せになるための離婚】

「離婚を考えたらすべき5つのこと」というコラムでは、経済的に有利な条件での離婚によって人生の再出発を図るという観点から、あなたが離婚を考えたときにしておくべき5つのことを順次ご案内いたします。

1つ目は、「あなたが判決離婚できるのかを考える」ことでした。
2つ目は、「夫・妻の問題行動を証拠にしておく」ことでした。
3つ目は、「夫婦の財産を把握しておく」ことです。

1. なぜ夫婦の財産を把握しておくことが必要か


どうやらあなたは、

判決離婚

できるだけの酷い目に遭っており、第三者に夫・妻の問題行動を説明するだけの

証拠

も十分であるとします。


一見すると、これだけの状況が整えば、有利な条件で離婚できるようにも思われます。

しかし、あなたのご家庭では、あなたの配偶者が財布のヒモを握っており、夫婦の財産がどのくらいあるのかを全く把握していなかったら、どうでしょうか?

仮にあなたが、そのままの状態で別居を開始し、夫婦間で話し合ったところ、あなたの配偶者は、あなたに証拠が確保されているため離婚を拒否することは諦め、「300万円を支払うから、離婚して欲しい」と提案して来たとします。

この「300万円」という金額は、一般的にかなり大きな金額ではありますが、あなたが法的に受け取れる見込みの金額と比較して、多い金額なのでしょうか。それとも、少ない金額なのでしょうか。

この判断をするためには、夫婦の財産を把握しておくことが必要になります。

2. 将来の財産分与を見据えた行動を


離婚時には、多くの場合に経済的な事項についても取り決めることになります。離婚に伴う経済的な事項と聞いて想起されるのは、「慰謝料」と「養育費」でしょうか。「財産分与」、「年金分割」という言葉も聞いたことがあるかも知れません。


今回の記事で念頭に置いているのは、主に「財産分与」です。離婚時には、結婚生活中に夫婦で協力して築いた財産を分けることになります

今回は、これを「財産分与」と考えていただければ結構です。「財産分与」において、協力して築いた財産を分けるにあたっては、その前提として、財産がいくらあるのかを把握することが必要です

しかし、いざ離婚紛争が顕在化した後では、経済的な事項について争っている相手に、預金通帳や取引明細を開示することには、抵抗がある方も多いことでしょう。あなたの配偶者も自らの名義の財産を素直に開示してくれるとは限りません。

そのため、別居を開始する前に自ら夫婦の財産を把握しておくことが重要になるのです

3. 相手方名義の財産を把握する上での留意点


夫婦の

財産を把握

する方法としては、配偶者から直接聞く方法のほか、自宅で管理されている預金通帳、クレジットカードの利用明細表、解約返戻金のある生命保険の保険証書などを確認する方法が簡便です。


そして、財産が把握できたら、客観的な書類については、コピーを取って手元に保管しておくことが望ましいでしょう。

コピーを取ることが難しい場合には、家庭用複合機やスマホのアプリを用いてスキャンした画像データを残しておく、デジタルカメラで撮影しておくなど、様々な方法を活用して証拠を確保することを心がけていただきたいと思います。

4. 自分名義の財産を把握する上での留意点


自分名義の財産については、お手元に客観的な書類が残っている方も多く、敢えて

証拠

を確保する必要性を感じないことがほとんどかと思います。ですが、自分名義の財産についても注意が必要です。


たとえば、あなたのお手元にある資料から、あなたが結婚前に持っていた財産額はわかるでしょうか。

あなたが結婚前に持っていた財産が離婚時にも残っているような場合には、その財産は、いわゆる「特有財産」として財産分与の対象とならない可能性があります

それにもかかわらず、結婚から十年以上が経過すると、金融機関において取引明細を取得することも難しくなる場合があり、「特有財産であるはずなのにそれを示せない」という状況になることもありえます。

金額的に大きな特有財産として、預貯金・有価証券などがある場合には、特有財産であることを示す遺産分割協議書、遺言書、取引明細などの証拠を確保しておくことを心がけていただきたいと思います。

5. 終わりに


経済的に有利な条件での離婚によって人生の再出発を図るためには、夫婦の

財産を把握

しておき、財産分与額の見通しを立てることが有効です。


色々と思い悩んだ末に離婚を決意したからには、別居前だからこそできる証拠収集の機会を活用し、夫婦の財産を把握しておくことをおすすめいたします。(執筆者:石塚 司)

《石塚 司》
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石塚 司

石塚 司

不動産・相続・税務の分野を中心に活動。北朝鮮問題を考察するため東京外国語大学において韓国語を学ぶが、その中で人生を左右する法律問題への関心が高まり、弁護士となる。家業とも縁のある不動産分野では、共有状態の不動産の分割協議や、賃料未払の賃借人に対する明渡請求訴訟などを幅広く取り扱う。また、企業法務では、英語・韓国語・中国語の契約書審査も行うほか、税理士法上の通知弁護士として税務調査立会いなど税理士業務も行う。現在は弁護士業務を停止している。 <保有資格>:弁護士、行政書士、測量士補、通知弁護士(税理士法第51条1項)夫婦カウンセラー(JADP)、ビジネス実務法務検定2級(東京商工会議所)、TOPIK6級(韓国語能力検定。最上級)、HSK4級(漢語水平考試。中上級) 寄稿者にメッセージを送る

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