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退職後の健康保険の選択肢と注意点

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退職後の健康保険の選択肢と注意点

会社に勤務している間は、社会保険である健康保険はあまり意識しませんが、退職し、再就職しない場合は自分で判断し加入しなければ損をするかもしれません

ちょっとした注意点等についてふれます。


退職後の健康保険への加入方法

通常は次の3つの選択肢があります。

選択肢1:「任意継続保険者」になる それまで加入の健康保険に加入

選択肢2:「国民健康保険」に加入  住んでいる市町村の「国民健康保険」に加入する

選択肢3:子供や配偶者の加入している「健康保険の被扶養者」になる

それぞれで、加入の決まりや、手続きの申請期間が決められていたり、保険料の違いがあったりします。

選択肢1の「任意継続保険」の手続きは退職後20日以内、加入期間は2年で原則として保険料の変更はありません。

選択肢2の「国民健康保険」は初年度の保険料が高額になるケースが多い様です。

選択肢3の「家族の被扶養者」になるには細かい規定があり、収入は60歳以上で年間収入180万円未満となっています。

在職中の給料が高額の場合は、まず「任意継続保険者」になり、その後「国民健康保険」に加入するのが保険料から判断して妥当でしょうが、各人の状況によりますので、保険料の試算をして加入を決めましょう

「健康保険」には政府管掌の「協会けんぽ」と、企業等が運営する「健康保険組合」があります。健康保険組合の任意継続を希望する場合は組合へ申請します。

ここでは「協会けんぽ」の任意継続について記載します。

「協会けんぽ」の任意継続

それぞれの保険料の概算を試算してみました。


「任意継続保険」、「協会けんぽ」の金額 

退職時の標準報酬月額×保険料率%(道府県で異なり、健康保険料率+介護保険料率=10~12%程度)

退職時の標準報酬月額の上限は28万円で計算しますので上限で年間40万円程度となります。

「国民健康保険料(国民健康保険税)」の金額

各市区町村に問い合わせると教えてもらえます。

「医療分保険料」
「後期高齢者支援金分保険料」
「介護分保険料(40歳以上65歳未満)」

の3種類を合算して決まります。

それぞれについて、所得割・資産割・均等割・平等割の4つのポイントから保険料を算出します。

これらの組み合わせや金額・割合(%)は、各市町村が個々に決めますので、住んでいる市区町村によって保険料は大きく異なることがあります。

また、各々に上限額が設定されていますが、全国では上限が65万~90万円程度の開きがあります。

「ややこしくて、よく分からない。判断できない」と思う方は、一度 任意継続に加入し、2年待たずに途中で国保に切り替えることもできます。国保に加入すると任意継続への切り替えはできません。

「会社の健康保険」 →← 「任意継続2年間」 →← 「国民健康保険」

「任意継続保険」に加入する

「協会けんぽ」の加入内容

資格要件

継続して2か月以上の被保険期間が必要

手続き

資格喪失日から20日以内に申請(退職時に手続き)これを過ぎるといかなる理由があっても手続きは拒否されます。

住居のある「協会けんぽ支部」に必要書類と「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」や「健康保険被扶養者届」(扶養家族がいる場合)を提出します。

保険給付期間

資格喪失日(退職日の翌日)から2年間

保険料

全額自己負担、毎月10日に納付  

保険料は退職前の給料で決まり、いくら収入が減っても保険料の減額はありませんので、2年間の保険料は変わりません。退職時の標準報酬月額と全被保険者の標準報酬月額(協会けんぽ28万円)の低い方×保険料家族(被扶養者)の保険料負担なし。

「国民健康保険」にきりかえる


「協会けんぽ」の「任意継続保険」は、保険料を1日でも延滞すると、資格喪失になります

。事前に「けんぽ組合」に電話で申し込むと「未納喪失通知書」を発行してくれます。


3月31日脱退を想定したスケジュールは以下になります。

3月下旬「協会けんぽ」に電話で「4/11付 未納喪失通知書希望」と申込みます。「協会けんぽ」の加入は3/31までですが、保険証は4/10まで有効で4/11から失効します。

保険料を納付しないと、納付期日の翌日から「未納喪失」扱いとなります。資格が失効する4月11日以降に「協会けんぽ」から「未納喪失通知書」が発送されます。

市役所の国民健康保険窓口へ「身分証明書」、「印鑑」、「未納喪失通知書」を持参して申請します。約20分程度で国民健康保険証を発行してくれます。 

注意点

(1) 保険料はH28年4月~翌年3月までを計算

4月-7月の保険料はH26年度所得で暫定 計算し8月-翌3月の保険料はH27年所得で清算します。

H26年度の収入が多いと4月-7月分は多額の請求となりびっくりしますが、年間での支払いは8月-翌3月で清算され調整されます。

(2) 「国民健康保険」加入者で、確定申告をする場合には注意する必要があります

「国民健康保険料」の算出にあたっての「総所得金額等」は、所得税算出で使う「課税所得金額」と違い所得控除額(物的控除・人的控除)は控除されません。

前年の1-12月の収入で株式等の譲渡所得も合算しますので、多額の確定申告還付をうけると、それに比例して保険料が増加しますので注意が必要です。株式譲渡益の取り扱いには特に注意しましょう。

退職後すぐに「国民健康保険」に加入する場合

社会保険の喪失日(退職日の翌日)以降に住居の市区町村で手続きをします。

手続きには、また「退職日が確認できる書類」(「社会保険の資格喪失証明書」「雇用保険の離職票」)などが必要な場合がありますので手続き前にご確認されることをお勧めします。(執筆者:淺井 敏次)

《淺井 敏次》
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執筆者:1級FP技能士 淺井 敏次 淺井 敏次

FP事務所ASAI 代表 身近なよろず相談。お客様の利益最優先で、独立FPの視点での相談をモットーに活動。ライフプラン、リタイアメントプランニング、資産運用、保険、税金、相続、金融商品、社会保険、住宅ローン、その他の悩みを一緒に考え解決、セカンドオピニオンでも利用してください。ご希望にお答えします。京都大学卒、ビール会社の工場・本社勤務後、独立系事務所設立「FP事務所ASAI」代表。 講演経験、投資経験も豊富:「豊の国 かぼす特命大使」大分県知事任命、「一般社団法人大阪あそ歩委員会」ガイド。 <保有資格>:日本FP協会認定CFP® / 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / ビジネス法務エキスパート / 公害防止管理(水質1、大気1) 寄稿者にメッセージを送る

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