プラチナ投資 今が絶好の好機か»マネーの達人

プラチナ投資 今が絶好の好機か

ゴールドとプラチナの価値



皆さんは、金(ゴールド)と白金(プラチナ)では、どちらの方が価値が高いと考えるだろうか?

宝飾品としての輝きや発色については個々人の好みはあるかもしれないが、プラチナの方が金(ゴールド)よりも価値が高いというのが大方のイメージであると思う。

なぜならプラチナの方が金よりも希少性が高いからだ。

金とプラチナの地上在庫量や産出量の現況、その他情報について以下にまとめてみた。



地上在庫と年間産出量の比較では、プラチナは金に対して、それぞれ30分の1、20分の1程度であるため、プラチナの希少性は明らかで、また生産国が南アフリカ一国に偏っている

ただし、市場におけるプラチナ価格が金価格よりも必ずしも高いとはいえないところが、投資する上では難しいところであり大変興味深い


それぞれの需要の側面


金もプラチナも貴金属として宝飾品需要があることは共通しているが、金は「安全資産」すなわち究極の通貨としての価値を持つ側面がある

一方、プラチナは産業向けが需要全体の6割強を占め、とりわけ自動車(ディーゼルエンジン車)の排ガス触媒として全需要の半分ほどが使用される工業用資産」としての性質が強い。

つまり、どちらも宝飾品としての輝きや実物資産としての価値は高く甲乙つけがたいが、利用価値としての性格が大きく異なることを知っておこう


価格の推移


下記のプラチナ・金の価格推移グラフを見れば分かる通り、1997年頃までは金とプラチナの価格はともに400ドル前後を中心とした価格帯でほぼ安定して推移していた。

埋蔵量や産出量が相対的に少ないという希少性から、歴史的にプラチナの価格が金よりも高い水準で推移しているものの、価格差は大きくても100ドル前後(1トロイオンス=約31.1gあたり)だった。

ところが、プラチナは2000年頃から、金は2004年頃から上昇スピードを速め、2008年前半にはプラチナは一時2,000ドルを超えた。

その後、リーマンショックで両者とも暴落するが、2009年以降再び上昇トレンドが続く。

プラチナは常に金より先行して高騰するものの、その後の急落もすさまじく変動幅が非常に激しいことがグラフからみてとれる。


1981年1月以降のプラチナ・金の月間平均価格
(1トロイオンスあたりの米ドル建て国際価格)


そして、2011年後半以降は、金価格がプラチナ価格を上回る逆転現象が起こり、金は1,600~1,800ドル、プラチナは1,400~1,700ドルの範囲でレンジ相場(ある一定の価格帯で相場がもみ合うこと)が続く。

金、プラチナともに2011年の1,800ドルあたりが価格のピークとなり、プラチナはその後1,400~1,600ドル台でのレンジ相場、金は1,600~1,700台のレンジ相場を経て、2013年に入ると下落傾向が強まった



足もとの価格(2016年3月8日時点のNY先物市場終値)は、金が1,258ドル、プラチナが989ドルとなっている。

このままの推移が続けば、金価格がプラチナを上回るのは14カ月連続になり、その価格差は200ドルを大きく超えて拡大している。


景気動向に左右されるプラチナ


まさに、金価格がプラチナ価格を上回る逆転現象が常態化しつつあると言えるだろう

本来、相対的に希少性が高いプラチナの方が金より価格が高かった常識が変わりつつあるのかもしれない

その理由は、すでに述べた様にプラチナが工業・産業用資産としての性質が強いことがあると考えられる。

世界景気全体が、中国をはじめとする新興国経済の成長鈍化により減速感を強め、これまで旺盛だった資源に対する需要が大きく落ち込むことにより、資源価格の下落はもとより、自動車や電機・機械製品の生産活動にもブレーキがかかることになった

景気動向に敏感な自動車の排ガス触媒や工業製品向け用途として利用されるプラチナの価格が下落したのは、ここに理由があるといえるだろう。

昨年9月に発覚したドイツ自動車大手VWグループのディーゼル車における排ガス不正問題も、ディーゼルエンジン搭載車への信頼性ひいては触媒として使われるプラチナの価格にはマイナスに働いた可能性が高い


ゴールドの見通し



一方の金価格は、2013年から開始された米国中央銀行FRBによる金融緩和の縮小(いわゆるテーパリング)により下落傾向が続いていた。

しかし2015年12月に実施されたFRBによる利上げ後、想定以上に米国経済の回復ペースが鈍いことや新興国からの資金流出懸念などに配慮することにより、今後の利上げペースがゆるやかになるとの思惑から価格は大きく反発している

中国景気失速に伴う世界経済の減速懸念と株価の急落・低迷局面がいつ終息するかは予想が難しいが、少なくとも8月下旬に起きたチャイナショック、そして2016年初から続いた世界同時株安ショックに対する投資家のリスク回避姿勢はかなり落ち着いてきた様に思われる

かつてのような年率10%を超えるような高成長は望めなくとも、中国経済が6~7%前後の安定成長軌道を持続することを前提にするのであれば、東南アジア諸国を含めた新興国経済の成長やインフラ整備ニーズは、長期的にみれば資源需要を回復させていくだろう。


これからのプラチナへの投資


自動車はじめ電機、機械製品等の生産活動全体が底打ちし回復基調に戻れば、工業用資産としての側面を持つプラチナは大きく価格反転し上昇するシナリオは十分に想定され、長期投資の視点に立てば、金価格を下回っている今こそ、プラチナに投資する絶好の好機かもしれないと筆者は考えている。

プラチナへ投資する方法は、金の場合と同様、コインや地金を購入する現物保有がある。

下記のプラチナ地金を例にとると、直近の価格相場をもとに100g約38万円・10g約3万9,000円・5g約1万9,500円となる。


≪画像元:田中貴金属グループ http://www.ginzatanaka.co.jp/coin/≫

※それぞれの地金の価格は、田中貴金属工業が公表する貴金属相場表に基づく。NY等の海外市場において米ドル建てで取引されているため、為替レートの変動も価格に影響を与える。

長期積立投資であれば、毎月3,000円から気軽にプラチナ投資がはじめられ、まとまった金額になった段階でコインや地金へ交換することができる。

また、短中期の投資なら現物保有ではなく、ETF(上場投資信託)を通じてプラチナへ投資することがより簡単だ。証券会社に取引口座を持っていれば、東京証券取引所に上場している以下の2銘柄へ小資金から投資ができる。

純プラチナ上場信託(現物国内保管型)
コード1541 3,410円(3/9終値)売買単位1株

日経・東商取白金指数上場投信
コード1682 193円(3/9終値)売買単位100株
(執筆者:完山 芳男)

この記事を書いた人

完山 芳男 完山 芳男»筆者の記事一覧 http://www.greenmoneylife.com/

独立系FP事務所 FPオフィスK 代表
米国公認会計士(ハワイ州)、日本FP協認定CFP(国際上級資格)、1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格) 慶応義塾大学商学部卒業。大手自動車メーカーや外資系企業等の経理財務部勤務を経て、カリフォルニア大学バークレーへ1年間留学し、ファイナンスを履修。帰国後、米系・欧州系企業において経理責任者を務める。2004年愛知県名古屋市にて、独立系FPとして事務所を開所し現在に至る。

【寄稿者にメッセージを送る】

今、あなたにおすすめの記事

あなたの役に立つ記事、見つけます

本サイトの更新情報をfacebook・Twitter・RSSでチェックしましょう

このページの先頭へ