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「空中族」になりたい人へ 一枚だけでない「ばば」に注意

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「空中族」になりたい人へ 一枚だけでない「ばば」に注意

タワーマンションを売り買いする空中族


少し前になりますがNHKの報道番組で「

空中族

」なるものの特集を放映していました。


あまり耳馴染みがない言葉ですが、「空中族」とは需要が過熱している都心のタワーマンマンションの次から次へと転売して利益を得る人々をいうようです

地面を次から次へ転売するのは地上げ屋さんですが、タワーマンションからタワーマンションに移り住み続けるので、”空中族”と命名するとは、少々古めかしいですが的を得たネーミングだと思います。

さて、その番組内では湾岸エリアで2年間に3,200万円で買ったマンションが1千万も査定額が上がった例や2年ごとの転売を繰り返して高級マンションを手に入れた方の例が紹介されていました。

そしてこのようにタワーマンション投資が儲かりそうだという情報はすでに広く知れ渡り、次に続けとばかりに多くの人が不動産投資セミナーで勉強してこのマネーゲームに参加しようとしているようであります

一枚だけでない「ばば」に注意

よく不動産投資は「ばば抜き」のカードゲームに例えられます。ただしゲームに参加する多くの方は自分が「ばば」を引くとは思いません。

なぜならこんなにたくさんのプレーヤーがいるなかで自分の持っているカード(物件)だけがばばであるはずがなく、きっとどこかの知らない誰かが持っていて、自分はばばを見ることすらないと思っています。

確かにカードゲームと似ている点はあります。しかし、圧倒的に違う点は、カードゲームは敗者が一人であるのと比べ、不動産の「ばばぬき」は、一体いくつばばが市場にあるのかわからず、敗者が一人と限りません

さらに経済状況によりプレーヤーの知らないうちにルール変更され、ある日突然全員の手持ちカードがばばに変わり、ゲームの参加者はすべて敗者となりることもあるという、恐ろしいゲームであります。


行動を起こしても必ず報酬がもらえるわけでない

このゲームのルールを、テレビに出てきた、「今は銀行金利が0.01%なのに比べて不動産投資では5~6%が一般的という点にうんうんとうなずくだけで、「金利」と「利回り」の違いについて考えてもみなさそうな人」や「10年間は赤字だが、10年後から安定した家賃が見込めるからと、駅から徒歩20分のワンルームマンションを購入した人」たちがご理解されているとは到底思えず、見ていてなんだか暗い気持ちになりました。

もちろん今のマイナス金利政策下では、金融機関は貸出先として不動産関連に力を入れざるを得ませんし、金利コストも低いわけなので、投資のチャンスであることは間違いないと思われます

そして「何もしないことがリスク」というのも、ある面はあたってはいるとは思いますが、「行動を起こせば必ず報酬がもらえる」といわけではないと思います

チャンスであるからこそ、正確な情報を得て慎重な行動が必要だと思います。執筆者:(田井 能久)

《田井 能久》
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田井 能久

執筆者:不動産鑑定士 田井 能久 田井 能久

株式会社 タイ・バリュエーション・サービシーズ 代表取締役/専任不動産鑑定士 大学卒業後、国内最大手の不動産鑑定事務所に勤務し、1995年に不動産鑑定士資格を取得。その後、米国系不動産投資ファンドに転職し、資産評価業務を担当。全国各地でさまざまな物件の現地調査と価格査定を行った。2006年に独立し、株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズ(http://www.valuation.co.jp/)を設立。1,000件以上の評価実績を有し特に相続や訴訟に関連する案件を得意とする。海外事業では滞在型余暇を楽しむ人に助言する「ロングステイアドバイザー」業務を行い、2015年にマレーシアの企業と業務提携開始。MM2H取得アドバイス業務や海外不動産投資アドバイスを行い(https://malaysia-longstay.com/)自身も2018年にMM2Hを取得。元愛知大学非常勤講師で現在セミナー活動もしながら各種WEBメディアに記事提供を行う。 <保有資格>:不動産鑑定士 寄稿者にメッセージを送る

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