「iDeCo」加入のメリットが最も大きいのは「公務員」 専業主婦と自営業者は要注意»マネーの達人

「iDeCo」加入のメリットが最も大きいのは「公務員」 専業主婦と自営業者は要注意

確定拠出年金を導入する企業が増えています。

サラリーマンの場合、会社の規定で「確定拠出年金」をすることが決まっていると、やらないというわけにはいかないでしょう。


今年から、専業主婦や公務員も加入できるようになりました



ただ、自営業者の場合には、やるかやらないかは本人の意思によります

自営業者が加入するのは、個人型の確定拠出年金で「iDeCo(イデコ)」と呼ばれています。

企業型の確定拠出年金と違って「iDeCo」には、掛け金を全額自己負担で加入しなくてはなりません。

負担額の上限は、自営業者なら月額6万8,000円、会社員でも自社に確定拠出年金がないの人は、希望すれば「iDeCo」に加入できます。

拠出限度額は、会社の企業年金の有無によっても変わりますが、1万2,000円から2万3,000円

専業主婦は月額2万3,000円

公務員は月額1万2,000円

となっています。

「iDeCo」の最も大きなメリットは、掛け金が全額、所得控除の対象となること。

また、運用中の運用益は非課税。さらに、受け取る時には「公的年金等控除」や「退職所得控除」が使えます

つまり、儲かっていて節税しなくてはいけない人や、結果論になりますが投資したお金が大きく増えた人などは、加入していて良かったということになるかもしれません。


専業主婦は、加入メリットがほとんどない

「iDeCo」は、多額の税金を払わなくてはならない人にはメリットがありますが、納税額が大きくても、医療費控除や住宅ローン控除などを使うと納める税金が少なくなるという人にはメリットが少なくなります。

いっぽうデメリットについては、大きく2つあります。

1つ目は、手数料がかかること。

2つ目は、60歳になるまでお金を引き出せないことです。

1つ目の手数料についてですが、「iDeCo」に加入すると、口座管理手数料として事務手数料が年間1,236円、資産管理手数料が年間768円、さらに運営管理手数料が引かれます

運営・管理される中で発生する手数料で、証券会社によっては取らないというところもありますが、国民年金基金連合会や信託銀行には必ず支払います。

手数料は金融機関にもよりますが、高いところだと年5,000円近くかかるケースもあります。

さらに、給付手数料、還付手数料、移管時手数料など、さまざま手数料がかかります

ちなみに、会社で「確定拠出年金」をやっていたけれど、会社を辞めたり転職先の会社に企業型の「確定拠出年金」かないという人は、年金を「iDeCo」に移すことができます。

しかしその場合には、国民年金基金連合会に移管手数料として2,777円(税込)を支払う必要があります

「iDeCo」では、定期預金に預けてもこれらの手数料はかかるので、節税効果がない人は、普通に銀行へ貯金しておいたほうがいいかもしれません

特に専業主婦の場合には、「iDeCo」に加入する意味はほとんどありません

なぜなら、専業主婦は年収が130万円以内で夫の扶養に入っている人なので、所得税を払っていないという人がほとんどでしょう。

ということは、所得控除されても戻ってくる税金がないからです。


60歳まで出せないので、自営業者は要注意



2つ目の、60歳になるまでお金が引き出せないというデメリットですが、自営業者の場合、60歳まで定期的な収入が見込めるという人は少ないかもしれず、こうした人は注意が必要でしょう。

困るのは、「店がつぶれそうなのでまとまったお金が必要」というような事態が起きた時。

60歳前だと、「iDeCo」を解約してまとまったお金を受け取るということはできません

また、掛け金が払えないからやめるということもできません。減額はできますが、年一回の変更など条件がつきます

ですから、自営業者の場合にき、「iDeCo」に入るよりも、「iDeCo」と同じように税額控除になり、途中でやめることもでき(期間によってはマイナスになります)、やめなくてもお金が必要な時に積立金を担保に低利の借り入れができる小規模企業共済のほうが、メリットは大きいかもしれません。

まず、小規模企業共済を検討し、それでも儲かり続ける見通しがあったら「iDeCo」を検討するというスタンスがいいのではないでしょうか。


メリットが最も大きいのは「公務員」

「iDeCo」に加入するメリットが最も大きいのは、なんといっても公務員でしょう

公務員は平均年収が700万円前後と一般的なサラリーマンよりも高収入ですから、節税効果もそれだけ高くなります

さらに、サラリーマンと違って、余程のことがなければ途中でクビにはならないので、60歳まで加入し続けられるでしょう。(執筆者:荻原 博子)

この記事を書いた人

荻原 博子 荻原 博子»筆者の記事一覧 http://www.ogiwarahiroko.com/

経済ジャーナリスト
1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「お金は死ぬまえに使え」(マガジンハウス)、「ちょい投資」(中央公論新社)など著書多数。

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