最近、オフショア・カンパニーの設立に関する問い合わせが急増しているので、一度その目的と現状について整理をしてみた。まずオフショアとは、金融用語で「タックス・ヘイブン」租税回避地の同義語として用いられている。 タックス・ヘイブンとは、資産や投資活動に対する課税が無いか、または少額である地域(国)のことである。
よく知られている地域としては、香港・シンガポール・ケイマン諸島・マン島・BVI(ブリティッシュ・バージン・アイランド)などが挙げられているが広義の地域としては、世界でおよそ20ケ所以上の地域がタックス・ヘイブンと成っている。
すなわち、オフショア・カンパニーとは、タックス・ヘイブンに設立する法人(会社)のことであり、当然その目的は、租税の回避にある。
この租税回避の対抗策として、タックス・ヘイブン対策税制がある。タックス・ヘイブンに留保された利益を日本に移転した段階で、その親会社や日本の居住者に配当がみなされたとして、課税するという策である。裏を返せば、日本に利益を還流させなければ、課税対象にならないとも言える。
さて、気になるタックス・ヘイブンの税率(法人税)であるが、香港は16.5%、シンガポールは18%、BVIでは0%である。 (ただし、BVIでは、法人税が無い代わりに毎年一回、法人の営業許可証の更新費用が約20万円ほど必要となる。)日本の法人税から比較すると、考えられない税率で、極めて低い現状である。言い方を変えれば、いかに日本の法人税は世界標準に比べて極端に高いということだろうか・・・・・
次回も、引き続き「オフショア」について考察してみたい。