※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

未婚率上昇を経済面から考える 「経済力」判断しづらい時代に

コラム コラム
未婚率上昇を経済面から考える 「経済力」判断しづらい時代に

  国勢調査によると、生涯未婚率(=50歳時の未婚率)は年々上昇傾向にあり、2010年は、男性で20.1%、女性でも10.6%に達している。日本の少子化の要因としても未婚率は注目されているが、今なぜ未婚率が上昇し続けているのだろうか。

  内閣府の「結婚・家族形成に関する調査報告書」(平成22年)によると、「今、恋人が欲しい」と回答した人の9割以上は、「将来結婚したい」と回答している。さらに、既婚者が結婚した理由は、「好きな人と一緒にいたかった」が61.0%、「家族を持ちたかった」が44.2%であり、未婚者の結婚したい理由と既婚者が結婚した理由の傾向はほぼ一致しており、この調査と未婚率上昇は結びつきにくい。

  しかし、この報告書をじっくり見ていくと、「結婚の決め手となった条件・結婚相手に求める条件」に男女差があることに気付く。決め手となった条件を譲れない条件と読み替えるとするならば、男性は「性格」「恋愛感情」の次に「容姿」が譲れない条件、女性は「性格」の次に「経済力」が譲れない条件となっている。

  女性が男性に「経済力」を期待していることについて以前から変化はみられないが、以前は年功序列型賃金制度の企業が多かったため、20代での年収が低くとも将来の年収増が期待でき、「経済力」という譲れない条件は将来への期待度でクリアすることができた。

  しかし、年功序列から成果主義へ移行する企業が増え、将来の年収増を期待して良いのか良くないのか女性側からは判断がしにくくなりつつある。よって結婚を決めるその時点での「経済力」で女性が判断している可能性もある。男性も「経済力」が十分でないからという理由で初婚をためらっているうちに気づいたら50歳だったということも起こりえる。

  また、女性も男性が譲れないとする「容姿」条件を磨くためには、化粧品やエステ、ファッションやスタイルなどを考える。容姿をキープするためにはある程度の支出が必要な場合も多く、女性はある程度の収入を得て自分へ投資する期間を持つのではないだろうか。

  このように、経済面のみから未婚について結論づけをするのは正しいとは言えないが、少子化の要因と未婚率の上昇の関係を国や公的機関が調査公表していることは興味深い。そして、「好きな人と一緒にいたい」その一途な想いが叶ったとき、幸せな暮らしを続けるためのマネープランを、ファイナンシャルプランナーの私はあなたと一緒に考えていきたい。

《杉浦 詔子》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

杉浦 詔子

杉浦 詔子

みはまライフプランニング ファイナンシャルプランナー/カウンセラー 「働く人たちの夢をかたちにする!」会社員とそのご家族へのキャリアプラン(生活)とライフプラン(家計)の相談と講義、執筆を行っています。ひとりひとりの夢や希望、実現したい想いをじっくりと聴かせて頂き、あなただけのオンリーワン未来設計図を作ることが私の仕事です。 女性のキャリア、家族や恋愛等のコミュニケーション、FP等資格取得支援にも力を入れています。 <保有資格>:CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/産業カウンセラー/プロフェッショナルCFO 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集