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「社会保険制度改正」の3つのポイント 意外と見逃せない大きな変更

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「社会保険制度改正」の3つのポイント 意外と見逃せない大きな変更

  平成24年度は社会保険関連の法律が、通常国会で2法、臨時国会で2法の計4法成立している。かなり大幅な改正であるにもかかわらず、まだまだ一般的に浸透しているレベルではありません。

  以下に注目すべき社会保険制度改正を3つあげてみた。

1.年金の受給資格期間が10年に短縮

  平成27年10月以降、年金の受給資格期間が現行の25年から10年に短縮される。 現在、25年に満たない人にとっては嬉しい改正となりそうだ。

  では、既に65歳以上で受給要件を満たさなかった人はどうなるのか?

  今回の改正では、現在、無年金である高齢者に対しても、改正後の受給資格期間(10年)を満たす場合は、経過措置として施行日以降、保険料納付済期間等に応じた年金支給が行われる。

  65歳以上の無年金者は約42万人。その内、10年の受給資格期間であれば該当する人は40%!つまり、今からでも年金を受け取ることが出来る人は、16万8千人もいるのである。

2.来年4月から遺族基礎年金の男女差がなくなる

  「子を持つ妻」あるいは「子」しか受取ることができなかった「遺族基礎年金」が、平成26年4月から男女差のない制度になる。 「子を持つ夫」つまり父子家族になった場合も「遺族基礎年金」を受取れるようになるのだ。

  新たに支給を受けられるのは、平成26年年4月以降に妻を亡くし、高校卒業までの子とともに残された夫。期間は、今までの遺族基礎年金と同様で、原則子が18歳の年度末まで(子に身体に障害がある場合は20歳の年度末まで)受取れる。

  この制度ができることによって、一部の女性にも影響が出てくる。現在は、働く妻が専業主夫の夫を亡くした場合も遺族基礎年金は受取れる。つまり自身の収入がある状態で、遺族年金も受取ることができるのだ。

18歳年度末までの子を持つ妻が受取る「遺族基礎年金」
基本額:786,500円

子(2人目まで)の加算額:226,500円/人
子が2人なら、合計年額が1,239,500円

  反対に妻が働き、夫が働いていない家庭の場合、妻が死亡しても「遺族基礎年金」は支給されなかった。 現状で第3号被保険者の主夫の男性は約11万人。今までは人数が少なすぎて、問題視されなかったが、来年4月以降は、専業主夫が亡くなっても妻は「遺族基礎年金」を受け取ることができなくなる

3.来年4月より厚生年金・健康保険の保険料が産休期間中も免除される

  現状では、育児休業中の社会保険料は免除されてたが、産児休業中は、出産手当金が健康保険から支給されるが、社会保険料は支払わなければいけない。

  産休は「産前産後の休業」といい、出産を予定している女性が申し出たときは、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間)からは働かせてはいけない。

  また、出産後8週間は、働かせてはいけないということが、労働基準法によって規定されている。

  この産休期間中は、無給としている会社がほとんどなので、その場合社会保険料を給料から天引きすることができない。そこで、本人宛に社員負担分の社会保険料相当額の請求書を送って、会社宛に振り込んでもらう手続を取っているケースがほとんどだ。

  それらの手続きが来年4月からは、不要になり、産休中の社会保険料が免除される。まさに少子化対策の一環である。

  これらは平成26年4月に消費税が8%、平成27年10月に10%という財源を見込んでの改正であることは言うまでもない。消費税増税が予定通り行われなければ、絵に描いた餅になる可能性もある。

《釜口 博》
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釜口 博

釜口 博

㈱ジョイント・プレジャー 代表取締役 保険実務に強いファイナンシャルプランナーとして、また自身の営業経験を活かした営業実務研修は、即実行できる内容との評価が高い。 <保有資格>:CFP  1級ファイナンシャルプランナー技能士 二種証券外務員 相続士 寄稿者にメッセージを送る

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