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「いつかはゆかし」金取法違反の疑い おいしい投資話に注意

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「いつかはゆかし」金取法違反の疑い おいしい投資話に注意

 10月3日付毎日新聞の記事によると、証券取引等監視委員会は金融庁に対して投資助言会社「アブラハム・プライベートバンク」を無登録でファンドを販売したり、事実に反する広告をだしたりした金融商品取引法違反の疑いがあるとして行政処分勧告をだしました。

 最近、センセーショナルな広告を目にすることがめっきり無くなったと思っていたので、この記事を読んで「やっぱり、そうだったのか」という思いでおります。

 実際、この会社から”マネ達”の寄稿者にも同様の依頼があったと思います。私も今年8月に筆者のHP経由で当プロモーションの協力要請をうけました。その立場上、私はこの問題をファイナンシャル・プランナーの視点でコメントしてみたいと思います。

問題点を確認

 問題とすべき内容は、「毎月5万円積立、30年間で1億円を超えるお金が貯められる」という謳い文句です。金利は年平均利回り・複利10%超でシュミレーションした場合を達成の条件としています。

 証取委の判断はこの宣伝が誇大広告にあたるとしています。それは「10%超の年平均利回りを30年間キープする」という内容です。アブラハム社は、元本・利息保証を謳っていないので、この点での違法はないものの、あたかも「毎月5万円積立てれば30年後は1億円が貯まる!」という錯覚を顧客に与えるような広告をしたことによります。

 「確実に1億円貯まる」と信じて契約した人が一体何人いるか、この事実は分りませんが、契約した大方の人は「10%の利回りは無理としても、最悪でも元本以上は期待できると思い」又は「期待させるような謳い文句を信用して」契約したと思われます。

投資話でチェックすべきポイント

 美味しい投資話、注意すべきチェックポイントを再度以下に確認したいと思います。

 過去の高い運用実績のファンドが将来も継続することは誰も保証できない。

 美味しい話は必ず裏がある。

 「儲かる話は絶対ない!」と肝に銘じるべき。

 高利回り・高配当は常にリスクと考える。

 例えば、利回りで10%得することは、それと反対に10%損をする可能性もあることを意味しています。つまり運用においては20%のブレ幅(標準偏差値)を想定しなければならないことになります。よって「ハイ・リスクとハイ・リターンは一対」として捉えることが金融商品リスクの鉄則といえます。

 今回、顧客の投資残高の総額は6月時点で約170億円と言われています。またこの会社の場合、ファンドの運用実績はあるので、筆者が5月に寄稿した“MRI”ほどの事件性は感じていません。しかし幾つかの法令違反をしている点については、やはり問題が残るところです。

《小林 仁志》
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小林 仁志

執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志 小林 仁志

オフィスアセットポート 代表 山梨県生まれ。電器メーカーに入社後本社および米国・シンガポール・マレーシア等の事業所に勤務。在職中は財務経理を中心に総務人事・経営戦略・内部監査等の職種を経験したほか、同社の子会社監査役を務め2011年退任、2012年4月より独立系FPとして事業活動を開始。専門分野においては、特に団塊世代の年金・医療保険・税金等のリタイアメントプランや旅行とお金のプラン、住宅ローンや保険の見直し、株式・投資信託等の資産運用など。 <保有資格>:CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、総合旅行業務取扱管理者、登録ロングステイアドバイザー(ロングステイ財団)、他 寄稿者にメッセージを送る

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