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不動産の消費税増税対策(賃貸編)

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不動産の消費税増税対策(賃貸編)

 先日は売買に関して消費税対策を書きましたが、賃貸についてはまた異なる対応が必要となりそうです。事務所や店舗などの非居住用物件については消費税が課税されているため増税の影響を直接受けます。ただし住宅の貸し付けに関してはもともと消費税は非課税であるので増税の影響は受けないはずです。

 しかしながら、いわゆる家賃以外に別契約ではあっても住宅コストとして駐車場設備や家具・家電設備またはプールやアスレチックの使用料やハウスキーピング料などを支払っている場合には、これらについての増税分を支払わなければなりません

 近年は見かけ上、”家賃”という名目では安く据え置いて、様々な形で使用料などの名目で支払っている事例を見かけるので住宅は元々非課税だから変わらないと思っていると、その割合が多い場合には注意が必要です。

 そこで今後の対策としては駐車場などの各種施設やサービスが住人のみの利用が前提となっているなど、住宅に対する従属性がより強固な場合には非課税とされることを利用し、バラバラになっている契約を一括にして「賃料に含む」という形にするのはいかがでしょうか?

 賃貸事業には維持管理の外部委託をするなど”仕入れ”の部分があり、これらのコストが上昇することで家賃そのものが改定することも考えられますが、このような契約内容の見直しにより住宅コストが消費税の改定のたびに変更になるのは避けることができるはずです。

 もちろんこんな話を持ちかけるためには大家さんとの信頼関係があることが大前提ではありますが、このように賃貸においては契約目的物が住宅か否か、そして住宅に含まれる設備がなにかということで消費税の非課区分が決まることを意識して、契約内容の再確認をされることが一つの対策と言えるのかもしれません。(執筆者:田井 能久)

【外部参照】
集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定(国税庁)

《田井 能久》
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田井 能久

執筆者:不動産鑑定士 田井 能久 田井 能久

株式会社 タイ・バリュエーション・サービシーズ 代表取締役/専任不動産鑑定士 大学卒業後、国内最大手の不動産鑑定事務所に勤務し、1995年に不動産鑑定士資格を取得。その後、米国系不動産投資ファンドに転職し、資産評価業務を担当。全国各地でさまざまな物件の現地調査と価格査定を行った。2006年に独立し、株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズ(http://www.valuation.co.jp/)を設立。1,000件以上の評価実績を有し特に相続や訴訟に関連する案件を得意とする。海外事業では滞在型余暇を楽しむ人に助言する「ロングステイアドバイザー」業務を行い、2015年にマレーシアの企業と業務提携開始。MM2H取得アドバイス業務や海外不動産投資アドバイスを行い(https://malaysia-longstay.com/)自身も2018年にMM2Hを取得。元愛知大学非常勤講師で現在セミナー活動もしながら各種WEBメディアに記事提供を行う。 <保有資格>:不動産鑑定士 寄稿者にメッセージを送る

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