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総務省:世帯平均貯蓄は1,739万円 我が家はいくら貯蓄すればいいの?

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総務省:世帯平均貯蓄は1,739万円 我が家はいくら貯蓄すればいいの?

 総務省が5月16日に発表した2013年の家計調査報告では、2人以上世帯の平均貯蓄額は1,739万円となりました。

 「我が家にそんな貯蓄はないよ」 と思った人が大半ではないでしょうか。私もファイナンシャルプランナー(FP)のご相談をお受けしている実感としても500万円未満の世帯が大半で1,000万円を超える貯蓄がある世帯は少数派ですが、中には1億円を超える資産をお持ちの世帯から資産運用のご相談をお受けすることもごく稀にあります。

1. 発表された『平均値』・『中央値』とは?

 発表された貯蓄の『平均値』とは、調査した全員の貯蓄額を合計して、その人数で割った値のことを表しますので、貯蓄額が100万円の世帯が9、1億円の世帯が1とすれば平均値は(100万円×9)+(1億円×1)=1,090万円となりますので、ごく少数のお金持ちによって平均値は大きくかけ離れたものとなってしまいます

 同時に発表されている『中央値』は1,023万円になっています。『中央値』とは、「貯蓄の低い世帯から高い世帯を順に並べて、ちょうど分かれ目となる世帯の値」の事です。実態としては、貯蓄額の平均は1,739万円ですが、実際はほぼ半分の世帯は、貯蓄が1,000万円未満ということです。

2. 統計データはあくまで参考資料

 総務省が発表した平均貯蓄額は調査数自体が10,000世帯未満です。家計調査は調べる項目によっては調査員が直接、質問したり、貯蓄については調査票に記入してもらうことになっていますが、税務署の調査のように銀行を調査したりすること無く自主申告によるものですので正確な数字とは限りません。

 今回調査した2人以上の世帯のうち、勤労者世帯つまり現役で働いている割合は50%程度のため、調査対象の中にはすでに長年働いて貯蓄に励み、現役を離れた世代がかなりの割合で含まれていると推察できます。

 実際の金額別の分布を見ると実は100万円未満の世帯が10%、100万円以上200万円未満が6.4%、200万円以上300万円未満が5.1%と多くの割合になって鋳ますので300万円未満の世帯は21.5%ということになります。若い勤労世帯の多くは300万円未満に含まれているのではないでしょうか。

 調査した地域・職種・年齢・年収によっても貯蓄額は大きく異なり、統計データはあくまで一部を調査した結果であって根拠の無い数字ではありませんが、実際の感覚とは大きく異なる数値が発表されることがありますので注意が必要です。

3. 我が家はいくら貯蓄すればいいの?

 平均貯蓄額のようなデータが発表されると不安になる方も多いと思います。年収や貯蓄のことは家族にも話しにくい、ましてや他人にはもっと話をしにくいという中、では我が家はいくら貯蓄があればいいのかと疑問になってきます。

 貯蓄額は、隣の家がどのぐらい貯蓄しているとかは気にせず、統計データの『平均値』と『中央値』など参考程度にとどめ、自分の家はどのような状態かをよく見極めることです。自分の年齢や子供の教育費、住宅の購入予定、自分の老後資金、親の介護費用などあくまで自分の家庭で「いつ」、「何に」、「いくら」必要かという目的と予算を決めて貯蓄する事が重要です。(執筆者:後藤 誠道)

《後藤 誠道》
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後藤 誠道

後藤FP事務所 代表 会計事務所・企業にて経理労務関係を中心に20年間勤務後、平成14年にFPとして独立する。大阪府・兵庫県を中心にセミナー講師、個人のライフプランを中心に家計の見直し・貯蓄・年金・生命保険・相続・資産運用・住宅ローンなど特定の金融機関に所属せず中立公平な相談・アドバイスを行っています。保険のセンンドオピニオンとしてご相談のみ(保険の勧誘を受けたくない)をご希望の方もお問い合わせ下さい。 <保有資格>1級ファイナンシャルプランニング技能士(厚生労働省)、証券外務員二種(日本証券業協会) 、簿記検定1級(日本商工会議所) 寄稿者にメッセージを送る

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