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生前贈与の注意点 「あげたつもり」は無効、証拠を残す3つの方法

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生前贈与の注意点 「あげたつもり」は無効、証拠を残す3つの方法

 贈与税について勘違いしていたために、あとで多額の相続税がかかってしまうことがあります。正しい知識で、あげる人ももらう人もHappyな生前贈与をしましょう。

「あげたつもり」は贈与にならない

 房江さん(60歳)は、相続対策のつもりで、長女の香織さん(30歳)には内緒で、毎年110万円を香織さん名義の通帳に預金していました。香織さんはそのことを知らず、通帳や印鑑も母の房江さんが持っています。

 10年後、房江さんが亡くなりました。香織さん名義の預金1,100万円は、実質的には房江さんの預金であるとして(これを「名義預金」といいます。)、相続税の対象になってしまいます。

 贈与は「あげますよ」、「もらいますよ」というお互いの意思疎通があってはじめて成立するものです。房江さんのように「あげたつもり」では残念ながら贈与したことにはならないのです。

 贈与を受けた香織さんが、贈与されたお金を自由に使える状態になっていなければ、贈与したとはいえません。したがって、通帳や印鑑は、贈与した人(親・祖父母)ではなく、贈与を受けた人(子・孫)が管理するようにしましょう。

「贈与の証拠」を残す方法

 相続の時に税務署から名義預金と認定されないようにするには、たとえ親子や夫婦など親族の間であっても、贈与が成立しているということを証するために、「贈与の証拠」を残しておくことが大切です。

 具体的には、上記の「通帳・印鑑の管理」のほかに、

1. 贈与の都度、贈与契約書をつくる 
2. 贈与は現金ではなく振り込みで行う 
3. 贈与税の申告をする(基礎控除額110万円を超える贈与を受けた場合)

 の3点に気をつけましょう。

 あえて基礎控除額110万円を少し超える金額の贈与を受けて、贈与税の申告・納税をすることにより、贈与の証拠を残しているという方もいます。ちなみに、111万円の贈与ならば、贈与税は1,000円です。120万円の贈与ならば、贈与税は1万円です。(執筆者:内田 麻由子)

《内田 麻由子》
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内田 麻由子

内田 麻由子

一般社団法人日本想続協会/内田麻由子会計事務所 代表・税理士 2003年開業。東京・港区にて相続専門の税理士として、相続対策、事業承継対策、相続税申告業務を数多く手掛ける。「相続とは相(すがた)を続けること」をモットーに、節税対策・納税対策のみならず、家族の円満な相続をサポートしている。2010年より「円満想続の3K~感謝・絆・供養」をスローガンに、財産の相続と心の想続を楽しく学ぶ「想続塾」を毎月主催。簡明な講演・執筆には定評がある。公益法人・NPO法人の経営支援、遺言による遺贈など寄附文化の向上に取り組む。好きな言葉「和顔愛語」 <保有資格>:税理士 寄稿者にメッセージを送る

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