二人っ子の考え

 小学生の頃の話です。ある日、同級生が学校が終わるや否や、一目散に家に帰って行きました。理由を尋ねたところ、「早く家に帰らないとお菓子が無くなるから」と、打ち明けて」くれました。

 正直な話、私はその話を聞いて驚きでした。そんなこと一度も考えたことがなかったからです。私には姉がいました。姉が私のお菓子を食べることはなく、何時に帰ってもお菓子は残してありました。兄弟が多いと違うことを、その時気づきました。姉弟げんかをすること」はありませんでしたが、それでも姉が父にとても可愛がられていたことにちょっぴり嫉妬していました。

 ところが、後日、父が亡くなってから姉と話をして分かったのですが、姉は私とは全く逆のことを考えていたようです。姉曰く、「あんたがいつも大事にされていて面白くなかった」と。何かと「年上だから我慢しなさい」と言われていたのだよーというではないか。

お菓子の量=愛情?

 親が分けたお菓子の量でケンカするのもよくあることです。子供にとって、お菓子の量=愛情なのかもしれません。つまり、子供にとって食べ物の争いは、親の愛の奪い合いなのかもしれません。

 自分も親となり分かったのですが、親は子を平等に愛そうとしますが、子供は平等ではなくより自分のほうを愛してほしいと願っている のです。

 他の兄弟姉妹より愛されていないのではないかと悩んでいた方に親が遺言で駄目押しをしたらどうなるでしょう。遺産分割のお手伝いをさせていただき分かったのは、相続はお金の争いではなく、実は過去の「想い」の清算であることでした。

もめる兄弟姉妹のパターン

 かって若貴の遺産分割がマスコミで話題になりました。同じ仕事(まさに同じ土俵で)を兄弟でやっていることは、並みの神経では続けられないことだと思います。そんなわけで漠然と「兄と弟」が一番もめるかもと思っていました。ところが実際に私が相続でお手伝いさせていただいたお客さまで一番苦労したのは「兄と妹」のケースでした

 子供のころ、兄と妹は仲もよく兄は遺産分割でもめるなんて露ほども考えていません。ところが実際に相続が発生すると…妹さんとの思いの違いに驚かれるケースが多いようです。これは兄を奪った兄の奥さんと妹の戦いなのかもしれません。

 さらに兄に子供がいなかったりすると問題は複雑になります。それでは「姉と弟」はどうでしょう。弟は先に生まれた姉をたて、うまくいくのではないかと思いましたが、先日の相談者(姉)は「弟がどうしても許せない」と言っていました。結局どのケースならうまくいく訳ではなさそうです。

 大切なのは「それぞれの思いの違いに対する想像力」ではないかと。是非、お盆にこそ考えてみたいものです。(執筆者:橋本 玄也)