皆さん、数年前に「2020年になくなる仕事」という記事が週刊誌に載ったのをご存知でしょうか。

2020年「なくなる仕事」(週刊現代)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36518?page=4

これは「週刊現代」2013年7月27日・8月3日号に掲載された記事ですが、この記事を馬鹿にするか、将来予測の一つとして見るか、記事の内容の捉え方の違いで、人によっては大きく今後の生き方に影響与えるでしょう。

この予測をした人たちが誰でどんな専門家であるかというのは、私はあまり興味がありません。我々は、持続的イノベーションで競い合っていた会社群が破壊的イノベーションによって一瞬のうちに消滅させられる現代社会に日々身を置いている訳ですから、それら変化に敏感な各界の識者が発する未来予測は無視できない言葉と見ます。

「破壊的イノベーション」の本当の恐ろしさ(GQ)
http://gqjapan.jp/more/business/20140718/possibility-of-disruption

この消滅するという仕事のなかで、金融関係の職種としてあげられているのが、「証券・不動産ブローカー」や「ヘッジファンドマネージャー」、「証券アナリストやFP」、「生保レディ」があげられています。

FPについては「現在のレベルではネットで代替可能」とあります。これを私は「その通りだ」と捉えています。音声認識含むAI技術とネットワーク技術の進化は現状のFPコンサルティングの大方の部分をいずれ代替えするのではと考えています。

顧客の属性や将来希望を顧客自身が音声入力すれば、キャッシュフロー表(生涯収支表)まで自動で作りだし、その後AIが必要なコンサルティング事項を設問形式で聞き、課題を解決するのに必要な金融商品や金融サービスを業界全体の中から比較・推奨し、その会社のダイレクトセリング・サイトに誘導するアプリなんて、技術的に不可能なことではないと思います。しかも、そういったことが無料アプリのような形で提供されるではないでしょうか。

保険業界で言えば、今回の金融庁の保険業法改正により、今後生損保代理店は統廃合によって募集人自体の数が大きく減ります。人口減社会にあわせたとみても良いでしょう。特に直販営業社員を持たず、今まで代理店網しかなかった損保や損保系生保は「スマート・ダイレクトセリング」の仕組みを真剣に考えないと生き残りを図れないのではないでしょうか。

また、ネットにつながっていない顧客には、アメリカで発達したマルチレベルマーケティングの手法が生かされるのではないでしょうか。

これは聞いた話ですが、既にアメリカでは保険募集や金融商品仲介の一部分で、マルチレベルマーケティングの手法によって、中間で働くコンサルタント(FPやIFA)がいらなくなっていると聞きます。

つまり、顧客が顧客を保険会社にダイレクトに紹介するビジネスモデルです。たまたま今月末に一週間程、アメリカに行く用事があるので、この辺のところをルポしてこようと思っています。

私自身、大学を卒業してから、平成元年に当時花形であった電機産業に就職しましたが、入社数年間がその業界のピークで、その後10年で産業としては山谷はあったものの右肩下がりになり、転職後、産業の米と言われる半導体産業に約10年間身を置きました。

ここも自分の首を絞めるような「ムーアの法則」によって、産業内の個別部品業界が、上位部品業界によって消滅させられ統合されていく過程を経験しました。業界内の持続的イノベーションが、一瞬の破壊的イノベーションによって置き換わる様を体験してきました。

将来、子供たちの社会科の教科書に90年代から今の時代のことがどう表現されるのか、非常に興味あるところです。

FPが今後も社会のなかで役立っていくためには、今の仕事の枠だけではAIやネットワーク等の技術的イノベーションによって、いずれ代替えさせられてしまうのではないかというのが、私の考えであり見通しです。(執筆者:伊藤 克己)