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2015年4月介護保険改正により、介護費用の負担はどう変わったのか?

シニア 介護
2015年4月介護保険改正により、介護費用の負担はどう変わったのか?

一般の方には何かと敷居が高い介護保険。その敷居が高い介護保険が実は2015年4月に改正されているのをご存知の方は少ないでしょう。果たして「改善」だったのか、「改悪」だったのか。今回はその辺りをフォーカスしてまとめてみたいと思います。


1割負担から2割負担へ

1つは、今まで収入にかかわらず、自己負担額はかかった費用の1割負担で一定でした。改正後は、一定以上の所得のある人は2割負担することになりました。2015年8月1日から施行されていて、単身で年金収入とその他の所得金額が280万円を超える、または、2人以上の世帯で346万円を超える場合は、2割負担することになります

2割負担になると大変?

実際に、2割負担となった場合を考えてみると、要介護度によっても大きく変わってきますが、現在の1割負担でも不安に思う人が多い中、単純に考えても2倍になるわけですから、介護費用の負担が心配になりますね。

しかし、介護保険は、同時に高額介護サービス費も見直してくれているので、2割負担対象者全員の負担が、2倍になるわけではありません。あわてて不安がることもなさそうです。自分が何割負担なのかは、 要介護認定を受けるともらえる「介護保険負担割合証」で確認ができます。

特養の新規入所条件が要介護度3以上の高齢者に


2つ目は

入居費用の安い、特別養護老人ホームの新規入所者が要介護度3以上の高齢者に限定されたこと

です。特別養護老人ホームの入所申し込みの待機者が約52万人いるといわれています。そのうち要介護度1~2の人は17.8万人です。


この一文だけを読むかぎり、きびしくなったと思いがちですが、実際には要介護度1~2の人は、半自立で、まぁまぁ生活できているレベルです。それに比べて、要介護度3あたりから、ぐっと見守りの必要性が高くなってきます。

大変だ! と考えている人も多いですが、がっかりすることではないのです。考え方をかえてみましょう。

もし、高齢の家族が転倒して骨折、脳梗塞発症などで、突然要介護状態になったとします。要介護認定を受けたら要介護度3くらいになると予想されます。

突然介護の手がかかるようになり、1日も早く入所できたらと望むようになった時、まだまだ自宅で頑張れる要介護度1~2の人が、除外されたことで、待機期間はぐっと短くなるのです。要介護度1~2の人は、実際、本人の気の持ちようで、自宅でも暮らせるはずなのですから、ここは譲り合いの気持ちで捉えてほしいところです。

特別養護老人ホームは、有料老人ホームと比べると、費用が安いので魅力的ですが、毎日の生活は質素です。

新しい介護保険は介護予防に力を置いています。いくらかかるか予想ができない介護費用を、なるべく節約していく為には、本人の気持ちと努力がキーワードになる時代ですね。そこをサポートする事業を、あなたの街の地域包括支援センターが準備してくれています。(執筆者:佐々木 政子)

《佐々木 政子》
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佐々木 政子

執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子 佐々木 政子

ケアマネージャーを7年経験して、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロです。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきたいと思います。我が家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう! 寄稿者にメッセージを送る

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