「小規模多機能ホーム」とは


在宅で生活する高齢者の人口は年々増加の一途を辿っています。その現状を少しでも打開すべく介護保険法が施行され、高齢者の在宅生活を支える救世主として介護保険法では様々なサービスが存在します。

介護保険の在宅サービスでの代表的なサービスは、高齢者の方が送迎等によって通うことのできる所謂「通い」サービスデイケアやデイサービスと、ヘルパー等が自宅に訪問して家事手伝い等のお手伝いをしてくれる「訪問」サービスの訪問介護または訪問看護。あとは、高齢者の方が長期的に入所するのではなく、短期間の間お泊りすることができる「お泊り」サービスのショートステイが主なサービスとなります。

しかし、これらのサービスは個々の利用者が認定を受けている介護度によって介護保険の限度額内で利用できるサービス量が決まっています。

例えば、要支援1または2の認定を受けている利用者に関しては、通所サービスのデイケアやデイサービス等は要支援1の方であれば週に1回また、要支援2の方であれば週に2回しか利用することができない等のしばりがあります。その為、満足できるサービスを利用することができない方も数多く存在します。

そういった方に関しては、介護保険の枠を超えて10割負担で利用することができますが、10割負担になるとデイケアやデイサービスの1回の利用料は約8,000円~10,000円程度になるのです。少ない年金の中からこの様な金額を高齢者の方が負担するのは現実的にはかなり困難であると私は思います。

そうした中、在宅生活を支える新たなサービスとして「小規模多機能ホーム」なるものが注目を集めています。このサービスは在宅で生活する利用者が「通い」、「訪問」、「泊まり」の3種類のサービスを複合して使うことができる大変便利な施設になっているのです。

極端な話、要支援1の方が小規模多機能ホームを利用して毎週月~金まで通所のサービスを利用することができるのです。

「小規模多機能ホーム」の料金体系


ここで、なんでそんなことができるの? と疑問に思う方もいることでしょう。では、この施設の料金はどうなっているのかというと、この小規模多機能ホームの料金は”包括払い”になっているのです。

例えば、要介護1の利用者の方で表現するならば、要介護1の方は利用できるサービス費は166,920円の1割負担で16,692円となります。これは介護保険のサービスをフルで利用した時の料金なのですが、小規模多機能ホームは、どれだけサービスを利用してもこのフルの金額を支払う形になるのです。

つまり、限度額一杯の金額を支払い好きなだけサービスを利用してくださいということです。これが小規模多機能ホームの仕組みなのです。

これに加えて、H28年8月より介護保険法の改正により所得に応じて介護保険料の自己負担額が1割から2割に増額されたことに伴い、この小規模多機能ホームでも所得に応じて2割負担が適用されるようになりました。

しかし、介護保険には高額介護サービス費があるので、一般所得の方に関しては37,200円を超える額は返金されるのです。また、現役並み所得者に関しては44,400円が高額介護サービスの限度額になる為、この金額を超える分が返金されるのです。

またこれとは別に、小規模多機能ホームでは、泊りのサービスを利用した時は別途費用がかかります。宿泊の場合だと大よそ、ご飯代込みで1日当たり2,500円程度かかります。また、通所のサービスを利用した時に出る食事代も別途かかります。食事代や宿泊代に関しては施設によって料金に差異があるので、確認してみることをおススメします。

確かに、小規模多機能ホームは在宅で生活する利用者にとっては融通が利いて非常に便利なサービスです。しかし、自費分の負担を考えると介護保険サービスを限度額内で利用するより少し割高になります。

なので、金銭に余裕がある方はこのサービスを利用してみるのも得策かもしれませんね。(執筆者:西村 馨)