先日、NHKで「介護離職をしないためには」をテーマにした特集がありました。

介護費用を少しでも安くしたいという思いが強いために、介護保険の1割(2割)の負担で受けられる介護サービスを、最低限必要なサービスだけにしぼる方がいます。

1割負担といっても、要介護が重くなる程、介護サービス利用料は割高になっていきます。

介護者が介護離職を考える時、 例えば、要介護者が、通常規模のデイサービスを朝9時から15時まで利用したとすると、

・要介護度1の方は、1回の利用料は572円(1割負担の場合)
・要介護度5の方は、1回の利用料は988円(1割負担の場合)

単純に比べても、要介護度5の方は、要介護度1に比べて約倍の利用料がかかります。デイサービスに週に2回通うと、1か月に8回通うことになり、利用料の差は4000円になります。

介護利用料は、1か月の利用料を月末締めで、各サービスごとに集計して、月の初めに各事業所に支払います。この時の利用料をみて、介護サービスを利用するならば、「仕事を辞めて、自分が介護しよう」という思いが強くなります

介護離職は避けたい理由


介護と仕事の両立は、とても大変なことです。仕事で得た収入は、介護サービスの利用料だけではなく、生活していく為の生活費にもなっているはずです。

男性の場合は、退職してしまうと再就職が難しくなる傾向があります

実際に、介護離職者は、収入がなくなることで、経済的な面でも負担が大きくなってしまいます。

介護離職より収入確保が優先

仕事を続ける為に介護サービスを利用し、収入を確保することを優先に考えるべきであるということです。

介護サービスの利用料は、一番重度と考えられている要介護度5の区分にあたる寝たきりの方や、認知症の重度の方など、1か月をフォローできるように設定された支給限度額の1割負担は36065円です。

この金額だけをみると、とても高く感じますが、介護サービスを利用してお仕事ができたら、今まで通りの生活を維持することが期待できます

ショートステイを利用してみましょう


介護の疲労やストレスが溜まらないうちに、短期入所サービス(ショートステイ)などを利用して、介護者も時には自分の身体を休ませることも要介護者の為になります

介護を頑張られているご家族からすると、「さぼっているように思われる」と、遠慮してしまいがちですが、今までもこれからもいつまで続くがわからない介護は、時に手を抜くことも大切なのです。

むしろ、ご家族の方は「いいかげん(良い加減)」がちょうど良いのです。

ショートステイを利用されるご本人様にとっても、若い介護スタッフと仲良くおしゃべりしたり、介護してくれるご家族の方のお話ができるなど、家が一番だと思っていても、良い気分転換になるというお話をよく聞きます。

介護離職をしない為のススメ


介護離職をしない、させない為には、介護と仕事を両立している私たちや、社会のしくみ考え方を変えることです。

介護サービスの利用料を1円でも安くしたいから、仕事を減らして自分が介護をするのではなく、仕事をする為に介護サービスを利用する。というように、考え方をかえましょう

社会も、介護休暇など取りにくい制度ではなく、介護しながらでも、仕事を全うできる体制をとる会社が増えれば、それが常識となり、介護離職が当たり前ではなくなります。

地域のチカラ

小さな地域レベルでは、助け合う社会へ移行する動きが始まっています。

あなたの地域でも、介護保険の介護サービス以外で、地域が取り組んでいるボランティアや、元気な高齢者が地域で見守りを行う見守りサービスなどが始まっています。

地域の人の輪が広がると、あなたの親御さんのことを心配に思って見に来てくれるようなご近所の方が現れるかもしれません。社会が急速に変わろうとしています。介護離職を考えている方は、もう少し待ってみる価値はありそうですよ。(執筆者:佐々木 政子)