在宅介護を頑張っていた方が、介護を苦に命を絶つという、いたたまれないニュースが毎日飛び交うようになりました。確実に超高齢化社会を歩んでいることを実感してしまいます。

NHKの特集やワイドショーなどでは、すぐに在宅介護があげられていました。在宅介護をひもとくほどに「介護は苦しい」という印象がうえつけられているようにも感じられます。介護は大変という説明ばかりがあつく語られていて、肝心の「では、どうしたら負担を減らせるのか?」という点についての説明が少ないのはなぜでしょうか。

その答えはきっと正解はなく、誰にもわからないからでしょうか。「ひとりで抱え込まない」はわかっていても、どうして良いのかわからないのが現実です。

介護と仕事


住み慣れたご自宅で過ごしたいという要介護者の希望をかなえながら、在宅介護と仕事を両立されている方も多いと思います。

毎日めまぐるしく1日が過ぎ、自分の介護を振り返る余裕などない方がほとんどではないでしょうか。

確かに余裕があるに越したことはありませんが、生活がそれで流れているのであれば、それでも良いのです。無理に余裕をもとうと頑張るあまり、余裕をもつためには、会社を辞めて介護と向き合うという考えが生まれ、仕事を辞めようか迷いが押し寄せてきます。

ニュースにあがったある事件では、親を介護している息子さんが会社を辞めたことで、生活費が底をつき介護に行き詰まってしまったという結末でした。

仕事を辞めて介護を選ぶことは、二足のわらじを一足にするのですから、苦渋の決断の末、楽になると錯覚してしまいます

実際は、お仕事を辞めて介護に専念するということは、頭で考えるよりもはるかに大変なことなのです。

介護離職の後

介護離職という言葉が浮き彫りになり、一人歩きするようになりましたが、現実には365日24時間、昼も夜も関係なく介護中心の生活が始まるわけですから、介護に束縛されているような日々を送ることになるのです。

頭で考えていた頃は、経済的には心配はあるが時間ができるのだから、なんとかなるだろうと捉えがちです。介護離職により介護に行き詰まる方が多いのは、金銭面だけではなく、精神面からも追い詰められるようになる為なのです。

介護は無給なうえに、介護者の労力だけがうばわれていきます。社会ともかかわりが薄れてしまう為自己嫌悪に陥ったり、介護うつになったりと悪循環が生まれやすいのは悲しい事実です。

必ず終わりがやってくる

介護の為に仕事を辞めても、長く続く介護とはいえ、必ず終わりがやってきます。

介護は急に始まることが多いため、いつまで続くかわからないことに怯えて、終わりのあることを忘れている方も多いのではないでしょうか。

親にはずっと長生きしてもらいたいと願いは皆同じですが、そうはいかないものですね。介護が終わったあとも自分の人生は続きます

まずは未来予想図を


親に介護が必要になったとき、面倒をみたいと思うのは自然のことです。しかし、あなたが今まで頑張ってこられた仕事を辞める選択肢は本当に必要なのでしょうか。

いつまで続くかわからないが、いつかは終わる介護。自分の人生を親の介護に捧げるのではなく、自分の人生に親の介護を乗せて考えてみてはいかがでしょうか

子どもが自分の為に、何もかも犠牲にすることを望む親はいないものですよ。(執筆者:佐々木 政子)