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2016年は、電卓の達人になろう。

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2016年は、電卓の達人になろう。

お金を、「貯めたい」、「増やしたい」、「損したくない」と思っているのに、電卓で計算しないを人が意外と多いのに驚きます。


日々の買い物は、電卓を叩きながらするクセをつけると、どれだけ買っているかがわかるので買い過ぎを防げます。また、レジに行って消費税の高さにびっくりするということもなくなり、計画的な買い物ができます。

もちろん、いちいち電卓を持ち歩かなくても、スマホでもしっかり計算できます。しかも、住宅ローンの繰り上げ返済から貯蓄計算まで、広範囲な金融アプリをダウンロードしておけば、いろいろな計算ができます。

3000万円借りたはずなのに、4500万円も支払う?


たとえば、一生に一度の住宅購入の時。モデルルームに行ってマンションを見て気に入り、営業マンに「3000万円の住宅ローンなら、月々7万円、ボーナス22万4000円です」などと言われると、それなら払えるとばかりに判を押してしまう人がいます。


でも、そこでもう一度、電卓を叩いてみましょう。

営業マンは、たいてい35年ローンで計算していて、中には、将来的に金利が上がるかもしれない変動金利で計算する人もいます。

長期固定のフラット35なら金利が上がらなくて安心ですが、自分で改めて電卓を叩いてみると、3000万円のローンを借りるのに35年間も借金を払い続けなくてはならず、しかも支払い総額は4500万円になのだということがわかり(金利2.5%の場合)、身が引き締まる気がするはずです

また、借りたばかりの住宅ローンなら、繰り上げ返済でどれくらい効果があるかも簡単に計算できます。3000万円を上記の条件で借りて、2年後に100万円を繰り上げ返済すると、期間短縮型なら返済利息が約123万円減ります。

100万円投資して確実に223万円に値上がりする投資商品などはありませんから、この数字を見ただけで「投資するより、まずは住宅ローンを繰り上げ返済しよう」とおもうはずです。そうなれば、住宅ローンを定年退職後まで支払わなくてはならないというような事態には陥らなくなるでしょう。

払うお金ともらうお金を、比べるクセをつけましょう。


保険についても、数字で把握すると、見えてくることがたくさんあります。


みなさんは、月にどれくらい生命保険料を支払っていますか?

生命保険文化センターによれば、民間の生命保険会社に払っている保険料(一時払いや頭金の保険料は除く)は、平均で男性が24万1000円、女性が18万2000円。つまり、男性だと月2万円ほど、女性だと月1万5000円ほど保険料を支払っているということ。

月2万円といっても、10年間で240万円、20年間で480万円、30年間で720万円。電卓を叩いてみれば、マイホームの次に大きな買い物だとわかるでしょう

バブルが崩壊した後に、加入していた生命保険が元本割れしたとして、新聞などでも大騒ぎになったことがありました。保険には、経費などを節減できたぶん配当が増える費差益、死ぬ人が少なかったぶん配当が増える死差益、運用がうまくいったぶん配当が増える利差益があります。

バブル崩壊、この利差益の運用がマイナスになり、死差益、費差益のプラス分も帳消しになって配当が出なかった時期がありました。それで「貯金代わりに保険に入っていたのに目減りした」と訴える人が続出したのですが、そもそも保険に加入する時に、月々支払う保険料の合計と満期にもらえ保険金というのはわかっています。ですから、その時点で計算していたら、配当がない場合にはマイナスになることはわかっていたはずです。

電卓のいいところは、イメージではなくリアルな数字を見れるところ。そして、家計は、リアルな数字から考えていくことが大切です。2016年は電卓をフル活用し、数字に強くなりましょう。(執筆者:荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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