介護休業制度をご存知でしょうか

「家族の介護をしていて働くことが難しい」

「退職しないと家族を介護できない」

など人によって介護を取り巻く状況は様々だと思います。

平成29年1月より、法律改正により現在よりも介護休業が取得しやすくなりますので、今回は介護休業をピックアップします。

介護休業とは

介護休業とは、労働者が要介護状態(病気やケガ又は身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある「対象家族」を介護するためにする休業のことを言います。

介護休業を取得できる対象者はどんな人?

1. 対象となる労働者

会社に勤めている正社員、契約社員、派遣労働者などの労働者が対象となります。

ただし、以下の方々については対象外となっていますので注意が必要です。

(1) 日雇い労働者

(2) 会社の労使協定によって対象外にしている労働者

例えば、雇用期間が1年未満の労働者、93日以内に雇用期間が終了する労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者など会社は労使協定を結べば対象外にできます。

(3) 契約社員などの有期契約労働者であり、申出時点において、次の要件を満たさない労働者

・雇用期間が1年以上

・介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日(93日経過日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(93日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を除く)

2. 対象となる家族

次の(1)、(2)の対象家族が、要介護状態(病気やケガ又は身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある場合が対象となります。

(1)配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母

(2)同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫

介護休業の期間や回数

対象の労働者が、

・ 対象家族1人につき
・ 一の要介護状態ごとに1回
・ 通算93日まで

介護休業を取得することができます。

申出ができない該当者

既に介護休業をしたことがある労働者は、介護休業に係る対象家族が次のいずれかに該当する場合は、申出をすることができません

・その対象家族が、前回の介護休業を取得開始した日から引き続き要介護状態にある場合(特別の事情がある場合を除きます)

・その対象家族について、「介護休業をした日数」と「介護のための所定労働時間の短縮等の措置が講じられた日数」を合算した日数が93日を超えている場合

簡単に言えば、「対象家族1人につき最大93日間の介護休業」しか認められていません。

「一の要介護状態ごとに1回」とは

既に「ある要介護状態」で以前に介護休業を取得していた場合、引き続き同じ要介護状態にある場合は、再度、介護休業を取得することはできません。

しかし、別の要介護状態となった場合には前回の介護休業期間を合算して93日まで取得できることになります。

平成29年1月より法律が改正されます

育児介護休業法が、平成29年1月より法律が改正され、その中でも介護休業部分についての改正点は以下の通りです。

(1) 分割取得ができる
(2) 対象家族の範囲が拡大
(3) 対象労働者の拡大

(1) 分割取得ができる

現行では、「対象家族1人につき、一の要介護状態ごとに1回」ですが、改正により「一の要介護状態ごとに最大3回」まで分割して取得できるようになります。

また、93日間の介護休業の中には、「介護のための所定労働時間の短縮等の措置が講じられた日数」も含まれていましたが、法律改正により「介護休業をした日数のみ」で93日間となります。

(2) 対象家族の範囲が拡大

現行の条件

「祖父母、兄弟姉妹及び孫は、同居し、かつ、扶養している」こと

新しい条件

「同居し、かつ、扶養している」要件がなくなり、同居や扶養をしていない「祖父母、兄弟姉妹及び孫」でも介護休業を取得することができます。

(3) 対象労働者の拡大

契約社員などの有期契約労働者であり、労働契約の期間満了日が1年であったところえお、6か月に短縮され、介護休業の対象労働者を拡大しています。

介護休業制度の創設経緯

しかし、実務上では介護はいつまで続くか分からず、介護休業期間が93日間しか取得できないというのは短いと感じるかもしれません。

「介護休業制度」は…

・介護を必要とする家族がいる労働者が退職せずに働くことができるように

・介護に対する方針を決めるまでの間、家族による介護がやむを得ない当面の期間について、緊急的対応措置として、休業ができるように

という観点から創設された経緯があります。

人により介護を取り巻く状況は様々ですので、働き方や介護状況について職場や、ケアマネジャー等の方と相談しながら、介護のための「所定労働時間の短縮措置勤務」や「介護休暇制度」も活用していくとよいでしょう。 (執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)