損害保険の「重複」は生命保険以上の無駄になります

保険の見直しでは死亡保険・医療保険などの生命保険に関しては問題になりやすく、話題としても多いのですが、生命保険は複数社かけていたら保険がおりないということは基本的にありません。

対して損害保険は実損を補償するのが基本ですので、複数社かけて実損以上に保険金がおりてしまったら目的を逸脱することになりますが、保険の補償重複に気づいていないことも多々あります

複数社契約のデメリット

例えば火災保険では、建物の時価を超える保険金は支払われません

2社契約して、1社1社では越えなかったとしても、あわせたら超えてしまう場合はその2社がやり取りの上、建物の時価を超えない形で減額して保険金を支払います

これでは支払ってきた保険料は無駄払いをしていることになります。

必要以上の保険金支払いを防ぐため、他社の同種保険(特約)に加入していないか告知しなければならないケースもあります。

告知しないと告知義務違反で契約解除になる恐れもあります

気づかないうちに重複しやすい個人賠償責任保険(特約)

最近は自転車による対歩行者への事故で高額賠償が命じられた判決があることから、大阪府のように自転車事故の賠償責任に備える保険の加入を義務付けた自治体も出てきました

代表的な保険としては、日常生活の事故・トラブルに備えた個人賠償責任保険になるのですが、他の損害保険の特約にもなっていて重複が生じやすいものです。

交通事故を起こした際に過失割合に応じておりる自動車保険には、対人・対物賠償責任保険(特約)がありますが、個人賠償責任特約に拡大したオプションも用意している会社があります。

火災保険のオプションとして個人賠償責任特約をつけているものがあります

火災では失火責任法により、隣家に延焼した場合の賠償責任は通常は発生しません

しかし重過失によるものや、火災ではないですが水漏れ等では賠償責任が生じるので、こういうオプションを用意しているのです。

自身が不慮の事故で負傷した時に受けられる傷害保険にも、他人を負傷させた時に備える個人賠償責任特約をつけているものがあります

火災保険の特約だから重過失により火災で延焼させた時だけ、自動車保険の特約だから交通事故の時だけというわけでもなく、幅広く補償します。

保険証券で補償内容の確認を

また個人賠償責任保険(特約)には、一定範囲内の家族も補償対象となるものがあるのも特徴的です。

例えば自動車を夫婦で1台ずつ所有していて、両方の自動車保険に個人賠償責任特約をつけていると重複します

そうすると、自分だけで家族の分も含めると気づかないうちに補償が重複している可能性も出てきます。特約の場合や、ネットで契約できるタイプですと余計わかりにくいということもあります

また自動車保険によくある補償額無制限の場合、これと重複するような個人賠償責任特約に対して保険料を払う意味が感じられません。

自動車保険の特約みたいに示談交渉サービスがついているものがありますが、そういうものを優先的に残しておいたほうがいいです

補償内容を確認するには、保険証券の確認が一番です

損害保険は火災保険を除けば1年程度で更新されるのが一般的ですが、そのたびに保険証券は確認することになるはずです。きちんと確認することをおすすめします。(執筆者:石谷 彰彦)

この記事を書いた人

石谷 彰彦 石谷 彰彦»筆者の記事一覧 (182)

1977年生まれ。保険代理店を兼ねる会計事務所に勤務し、税務にとどまらず保険・年金など幅広くマネーの知識を持つ必要性を感じFPの資格を取得。非常勤での行政事務の経験もあり、保険・年金・労務・税金関係を中心にライティングや国家試験過去問の解説作成を行う。お得情報の誤解や無知でかえって損をする、そんな状況を変えていきたいと考えている。
<保有資格>AFP(CFP試験一部科目合格)・2級FP技能士・日商簿記2級
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