特別養護老人ホーム(以下、特養)は介護老人福祉施設とも呼ばれ、比較的他の介護施設に比べると安価に利用できる老人ホームとして人気があります。

しかしながらその数は多くはないので入所待ちの待機者が2016年時点で52万人いると言われています。

終の施設という印象も大きいことから在宅での介護を行っている家族の多くがいずれは施設で看てほしいという願いを持っています。

入りたくても入れないという状況にある場合、どのように入所までを過ごしたらいいのか、入所条件も含め見ていきましょう。

費用について

様々な入所型介護施設がありますが、ここではおおまかに有料老人ホームと比べて考えてきます。

特養が公的の施設であるのに対して、有料老人ホームは民間の企業による施設であるので、同じ有料老人ホームのくくりでも施設によっても設定された金額が違うことがあります。

金額の差はどこにある?

地域差や施設のグレードによっても変わってきます。入居一時金も数千万、億くらい必要なところもあれば、0円の場合もあります。0円の場合は利用料の月額に分割して加算される場合もあります。

月額の利用料は特養が7~15万円(5~13万円という場合も)程度であるのに対して有料老人ホームは12~40万円以上と少し高額になります。

施設

レクリエーション施設など充実した設備のあるところでは往々にして利用料も高くなると予想されます。

食事

有料老人ホームではもともとの食費等の設定金額が高額である傾向があります。

部屋

特養での料金は負担額が世帯の収入額や、個室か相部屋かによっても変わってきます。

医療費控除の対象

また介護保険施設であるため、施設サービスの利用料金のうち半額ほどが医療費控除の対象になります。

このような理由から実際にかかる料金が比較的安価に抑えられるのが特養と言えます。

入所条件について

2015年度より入所基準が要介護3以上に設定されました。それまではそのような縛りはありませんでしたが、軽度の介護状態の高齢者が多く入所していたために本当に入所を必要とする人が入所できなかったという現実があります。

ただ要介護1、2であっても

・ 日常生活に支障をきたすような状態にある認知症患者や知的精神障害等

・ 虐待や単身者等

の特例の条件では入所が認められます。このようなケースは実際にも時々あります。
 
入所者選考の基本は所得や介護度等が考慮されたうえで、入所の優先が決められています。

「申し込んでもなかなか順番が来ない」

「申し込んだのち通所介護を利用し始め丁度慣れてきたというタイミングで入所が決まってしまった」

という例もあります。

いつ順番が来るかはわからないのでそれまでどのように過ごすかが大切なポイントになります。

入所までの間利用できるサービス

入所待ちの高齢者の多くが用いている方法について紹介します。

デイサービスやショートステイ

まず介護度がそれほど高くない介護度2、3くらいの方、歩行が可能であったり、着脱や食事が見守りの下でできる方が多いです。

そのような場合、訪問介護を利用しながらデイサービスやショートステイを混ぜ合わせて利用している人の割合が多いです。

家族の状況などによっても異なりますがだいたい月にショートステイは1度か2度ほどです。1泊の場合もあれば3泊ほどの場合もあります。

またご本人が慣れるにつれ、泊りの回数を増やしていくという方もいらっしゃいます。

タイミングにもよりますが、申し込んでいる特養で実施しているショートステイを利用していてそのまま入所になったという例があります。

介護老人保健施設

 
より介護度が高い方の場合、介護老人保健施設(以下、老健)を繰り返し利用しているケースが多いです。

基本的には3か月ごとに退所するので長期滞在可能な施設ではありませんが、在宅での介護が不可能な、医療処置等が必要な高齢者が3か月ごとに老健を移動するというケースも少なくありません。

老健は病院に併設されていることも多いため安心して医療面での世話が受けられるというメリットが挙げられます。

必ず方法はあるのでまずは相談

施設への入所は安心な反面、大きな金額での出費があることを考えると「どうしたらいいのだろう」と悩むことでしょう。

現在は必要に伴い様々な特徴を持った施設が増えてきているので選択肢も増えています

介護についての情報は担当のケアマネージャー等を通して情報を集めることができます。

パンフレットからは読み取れない施設の評判やお得な介護サービスの利用方法や公的サービスといった知識を持っています。

特養の入所を選択したとしても入所までの間どの様に過ごせるか、選択肢はたくさんあるのでご家族の状況にあったサービスを考えてください。(執筆者:佐々木 政子)