〇〇円くらいになったら売ろうかな、ってどうやって決める?

株価が上がってくると「〇〇円くらいになったら売ろうかな~」、あるいは「〇万円儲かったら売ろうかな」など、自分が得られる利益を考えて売り時を決める方も多いかもしれません。

取らぬ狸の皮算用とは分かっていても、想像するのは楽しいものですよね。

実際には自分の想定している値段まで届かずに下がる…という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回ご紹介する出来高の見方は、そんな事態を回避するのに役に立つかもしれません。

出来高とは

取引された株数のことで、売買高ともいわれます。

チャートの下部に棒グラフで表されているのをご覧になられたこともあるかと思います。

株式ランキングなどでも「出来高」の項目がありますね。この出来高からは何が読み取れるのでしょうか。

急に出来高が増えた場合

今までの出来高と比べて急に出来高が増えた場合、今後株価が上昇する可能性があります

何らかの好材料が出たのか、あるいはまだ表には出ていないけれども、機関投資家などの買いが入ったのか、空売りの買い戻しがあったのか、何かしらの「買い」を促す変化が起きていると言えます

出来高が少なくなってきた場合

売買する人が少ないということは、その銘柄に注目する人が少ないということです。

特に急に出来高が減ってきた場合は株価が下落する可能性があります

まだ誰も注目していない段階で株価の安いうちに購入して保有する、という戦略ももちろんありますが、短期的には株価の変動が少ないかもしれません。

<例>任天堂[7974]

任天堂[7974]を例に見てみましょう。

任天堂7974チャート1

≪任天堂7974チャート 画像元:日経新聞スマートチャート

チャートの左側をご覧ください。

2016年7月に出来高が急増しています。2016年の任天堂と言えば「ポケモンGO」ですね。

米国で「ポケモンGO」がアプリストア配信ランキングの首位となったことがきっかけ買われたようで、7月8日から株価と出来高が増え始めました。

その後の株価の上昇・出来高の急増には上昇は目を見張るものがあります

急騰後しばらくして出来高が減り、株価も下がってきました。とはいえ7月7日以前の出来高よりも高い水準を維持しており、人気が継続していることが伺えます。

≪画像元:ポケモンGO

価格帯別出来高にも注目してみよう

日付ごとに表される出来高のほかに、「価格帯別出来高」というグラフがあります。

名前の通り、どの価格帯でどれだけの出来高があるかをグラフにしたものです。

任天堂7974チャート2

≪任天堂7974チャート 画像元:日経新聞スマートチャート

先ほどの任天堂のチャートで価格帯別出来高を見てみます。

チャートの左側にある棒グラフが価格帯別出来高です。大まかに2万5,000円から2万8,000円の価格帯が圧倒的に多いですね。

もし7月の急騰時に購入し、上昇した時にうまく売り抜けていなければ、その後の急落し2万5,000円を切って、さぞがっかりしたことでしょう。

「あの時売っておけばよかった、株価が買値に戻れば売ってしまいたい」という人もいたかもしれません。

出来高の多い価格帯よりも、現在の株価が下回っている場合、出来高の多い水準まで株価が戻ってきたときに、「買値と同じくらいなら売る」という人たちが出てくる可能性があります

売り圧力となって、出来高の多い価格帯をなかなか突き抜けられないという状況を生みだします。

任天堂のチャートと価格帯別出来高を見る

さて、再度任天堂のチャートと価格帯別出来高を見てみます。

9月に急上昇し2万5,000円を越えてから、12月に一度3万円まで上昇したものの、再度2万5,000円を切り、その後は2万6,000円を前後に行ったり来たりを繰り返しています。

その後任天堂が再び3万を超えてきたのは今年の5月です。出来高の多い価格帯を越えて上昇の流れを作るまでに10か月近くを要しました

現在、任天堂の株価は4万円に迫ってきました。

2万5,000円から2万8,000円の価格帯で購入した人はルンルンです。「ああ、もう100株買っておけばよかったな」と思っているかもしれません。

出来高の多い価格帯よりも株価が上回っている場合、出来高の多い水準は、それ以上株価が下がらないように下支えしてくれるラインであるとも言えます

なぜならその水準になったら追加で買おう、あるいは新たに買いたいと思う人が現れるからです。株価が下がってくれるのを心待ちにしているかもしれません。

このように価格帯別出来高を確認すると、「株価が下がってもこの辺までかな」、「この価格まで上がったらそれ以上上昇しにくいかもしれないな」ということを予想できます

まとめ

今回解説した出来高による判断が、必ずしも当てはまるわけではありません。

心理的な判断を下す個人投資家ばかりではありませんが、人の心理は株式市場を動かす要因となり得ます。

売買のタイミングを考える目安程度にぜひチェックしてみてください。(執筆者:高橋 珠実)