つみたてNISAで老後資金「1500万円」を準備するには、毎月いくら”つみたて”ればいいの?

老後資金として準備した方が良い金額を導き出す

老後資金として準備した方が良い金額の目安を導き出すの目安を導き出すには、総務省が発表している「家計調査」などを活用して、定年退職してから平均寿命を迎えるまでに、どのくらいの生活費がかかるのかを試算してみます。

ただ実際の生活費は個人差や地域差があるため、短期間だけでも良いので家計簿をつけ、それを元に生活費を試算してみると、より具体的な金額がわかると思います

また定年退職した後の生活費は、現役時代の生活費の7割程度になると言われているので、現状の生活費が定年後も続くわけではありません。

それが終わったらねんきん定期便や、お勤め先の会社が作成した就業規則などを活用して、定年退職した後に確保できる収入(退職金、公的年金、企業年金など)を調べてみます。

老後資金準備

これらの金額がわかったら、

「定年退職してから平均寿命を迎えるまでの生活費 - 定年退職した後に確保できる収入」

により、老後資金として準備した方が良い金額の目安がわかります。

また医療費、介護費用、住宅の修繕費などが、一時的に過大になる場合があるため、これらに関する見積もりを生活費に上乗せすると、より具体的な目安がわかるはずです。

老後資金の目安がわからない時は、専門家が算出した金額を目標にする

このような手順によって、老後資金として準備した方が良い金額の目安を導き出そうとすると、壁にぶつかる場合があると思います。

例えば公的年金の金額はわかったけれども、退職金や企業年金の金額がわからないというものです。

また定年退職してから平均寿命を迎えるまでの生活費は試算できても、それとは別にかかる一時的な費用が、どれくらいになるのかがわからないというものです。

こういった壁にぶつかって先に進めないという方は、金融関係の専門家などが算出した、老後資金として準備した方が良い金額の目安を、目標にしても良いかもしれません。

例えば経済ジャーナリストの荻原博子さんはマネーの達人の中で、「老後資金は「最低限1,500万円」あればいい」という記事を執筆されているので、今回はこの金額を目標にしてみます。

つみたてNISAを活用すると、投資から得られた利益が非課税になる

投資から得られた利益に対しては、所得税、住民税、復興特別所得税を合わせて、20.315%の税金が課税されます。

しかし2018年1月からスタートした、つみたてNISAを通じて投資をすると、これらの税金が非課税になるため、手元に残せる金額を多くできるのです。

また手元に残せる金額が多くなるということは、老後資金がたまりやすくなります。

ただ非課税になるのは年間40万円までの投資に限定され、かつ非課税になる期間は最長で20年間になるため、累計の非課税投資枠は800万円(40万円 × 20年間)になります。

また年間で40万円ということは、月々の積立額は3万円くらいが目安になるため、この範囲内で自分が出せそうな金額を考えるのです。

なおつみたてNISAの投資対象は、金融庁が定めた基準を満たしている、長期投資に適した低コストの投資信託に限られるため、月々の積立額はこのような投資信託の購入に利用されます。

貯金にまわしている金額の一部を、つみたてNISAに配分する

常陽銀行のウェブサイトの中にある、年代別貯金総額の平均と毎月の貯金額目安というページを見てみると、年収の約10~15%を貯金にまわす方が全体の21.7%となり、もっとも多かったそうです。

年代別、平均貯蓄金額

≪画像元:常陽銀行

またこのページを見てみると、全国平均の手取り年収は491万円で、その10%を12か月で割ると約4万円、その15%を12か月で割ると約6万円になるとわかります。

両者の間をとって月に5万円をためると仮定した場合、「つみたてNISA:3万円、貯金:2万円」、「つみたてNISA:2万円、貯金:3万円」などの組み合わせが、考えられると思うのです。

つみたてNISAを3万円、貯金を2万円にした場合の試算額

毎年一定額を積立して、それを複利運用していった場合の金額は、「年金終価係数」で算出できます。

また世界各国の株式の平均利回りは5%程度になるため、投資信託の利回りについても、このくらいであれば現実的だと思います。

こういったデータを活用して、年間36万円(毎月3万円)の積立が、5~20年でどれくらいの金額になるかを試算してみると、次のようになっております。

なお実際にはこの試算結果から、信託報酬などの手数料が差し引かれるため、誤差が生じてしまうのです。

ただつみたてNISAは上記のように、低コストの投資信託に限られるため、一般的な投資信託より誤差は少なくなります

その一方で毎月2万円の貯金は、利息を付けないで計算すると、20年間で480万円になります。

そうなると投資信託の利回りが4%あれば

「つみたてNISA(1,072万108円)+貯金(480万円)=1,552万108円」

になりますので、1,500万円の老後資金を準備できます。

つみたてNISAを2万円、貯金を3万円にした場合の試算額

つみたてNISAを2万円、貯金を3万円にした場合、つみたてNISAでは年間24万円(毎月2万円)を積立します。

これを複利運用していった場合の金額を、上記と同じように「年金終価係数」で試算してみると、次のようになっております。

その一方で月3万円の貯金は、利息を付けないで計算すると、20年間で720万円になります。

そうなると投資信託の利回りが5%であれば

「つみたてNISA(793万5,828円) + 貯金(720万円)= 1,513万5,828円」

になりますので、1,500万円の老後資金を準備できます。

つみたてNISAはiDeCoと違って、60歳以降も積立ができる

つみたてNISA

老後資金を準備するための制度としては「個人型の確定拠出年金」、いわゆる「iDeCo」の方が有名だと思います。

またiDeCoの方がつみたてNISAより、税制面で優遇されているのですが、掛金を拠出できるのは60歳までです。

それに対してつみたてNISAは、20歳以上という下限はあっても、上限はありませんので、60歳以降も積立ができます。

例えば老後資金の準備を始めたのが50歳以降で、iDeCoの掛金を拠出できる期間が短くなってしまう方は、積立できる年齢の上限がないつみたてNISAを、上手に活用したいところです。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

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1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種
【寄稿者にメッセージを送る】

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