ケアマネの悩み…

ケアマネジャーの悩み

ケアマネージャーとして働いているなかで、一番勘違いされていて説明に困るサービスが「通院介助」です。

利用者さんもご家族も、

「病院に一人で行けないのでヘルパーさんについてきてもらいたい」

とよく言われるのですが、実はそう簡単な話ではありません。

そして、内容によってはかなりのお金を支払うことがあります。

ぜひ知っておいてほしい通院介助の仕組みとお金の話をさせていただきます。

要支援者の場合

「通院介助」に関しては、要支援1、2の方が利用するのはかなり難しいです。

通院介助は、訪問介護のサービスの「身体介護」に位置付けられます

要介護者であれば、この身体介護は必要性に応じて流動的にプランに組み込むことができるので、月に1回だけ病院に行きたい、となったときにその日だけ利用することも可能です。

しかしながら、要支援者の場合はそういったイレギュラーな使い方は想定しておらず、

「毎週決まった時間に1時間以内で受診が終わって帰って来られるような病院であればケアプランを作成することも不可能ではないかな」

という程度です。

急な病気で今日だけ病院に連れて行って、というケアプランを要支援者に立てることは難しいのが現状です。

どうしてもという希望であれば、介護保険は利用せずに、後に説明する自費サービスを利用します。

介護保険の利用を考えなければ要支援の方でも方法はありますので、無理をせず検討してみてください。

要介護者の場合

要介護1~5の方の場合です。

前述しましたように、要介護者の場合は、必要なときに身体介護を利用することが可能ですので、通院介助もケアプランに組み込めば利用できます

しかしながら、ここでまず知っていただきたいのは

身体介護をしている時間しか介護保険は算定できない

ということなのです。

「身体介護が発生」している時間

通院介助はどこまで保険適用

電車で病院に行き電車で自宅に戻る場合、

1. 車イスに乗って駅まで行き電車に乗ります。

2. 電車から降りで病院へ向かいます。

3. 病院で待ち時間を過ごし、診察に呼ばれると診察室に入ります。

4. 会計を待って、支払いをします。

5. 電車を利用し自宅に戻ります。

このなかで、身体介護が発生しているのは、

・ 車イスを押してもらって電車に乗るまで…(1)

・ 降りてから病院に向かうまで…(2)

それだけなんです。

もし病院の中でトイレ誘導をしたり、検査室まで車イスを押したりしていればその時間も算定できますが、これもまた市町村によっては

病院に一歩でも入ればそこは医療保険の範疇なので、介護保険は利用できない

というところもあります。

そうなると、身体介護の発生している時間しかヘルパーさんの時給は出ません

もし待ち時間が2時間あったら?

電車に乗っている時間が30分なら?

その時間、ヘルパーさんは無給になるのでしょうか。

中抜き部分は自費サービス

病院の待ち時間は付き添えない

介護保険がうたう正しい通院介助は、

「ヘルパーは診察券を入れるまでの介助で、その後は病院の職員が介助。診察が終わればまたヘルパーが迎えに来ればいい」

というものですが、はたしてこれが可能な利用者さんと病院はどれほどあるでしょうか?

「病院の待ち時間もヘルパーさんにいてほしい」

「診察室に入って先生の話を聞いてほしい」

多くの方がそう希望されます。

そこで、介護保険で算定できない部分、電車に乗っていたり待ち時間であったりなどを、自費請求する事業所が、今はほとんどを占めています。

ヘルパーさんの拘束時間の時給を保障し、なおかつ事業所にも少しは入るように…ということで、大体の自費の相場が1時間2,000円~3,000円になっています。

もし大きな病院で、中抜き部分が2時間あったら、結構な額になってしまうということがお分かりいただけるかと思います。

思った以上の自費にびっくり

ケアマネージャーの立場からこの説明をすると、皆様驚かれることがほとんどです。

介護保険を使って安く通院介助してもらえると思ったのに、自費が発生することによって思っている以上に費用がかかってしまうんですね。

自己負担はやむを得ない

ケアマネージャーに相談

以前はヘルパーさんが無給で待機してくれる事業所は多かったのですが、やはりそれは事業所の負担が大きく、この方法は自己負担は増えるけれどもやむを得ないといえます。

お仕事を休んでご家族が付き添うことを思えば、確かにお金はかかるけれどもヘルパーさんを利用する方がお得とも考えられます。

何より、自費をきちんと支払うことによって、以前は敬遠されていた通院介助を引き受けてくれる訪問介護事業所が増えたことは、とてもありがたいです。

お金を払ってヘルパーさんにお任せするか、ご家族が付き添うか、選択肢はいろいろあります。

しっかりと考えて一番いい方法を選んでみてください。

もちろん、ケアマネージャーも力になってくれます。(執筆者:佐々木 政子)