介護施設の負担金を軽減する「社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度」とは? 対象や軽減率、実務の経験談を紹介

「低所得者向け」社会福祉法人の介護施設の負担金を軽減する方法

低所得で生活が難しい人に、介護保険サービスの提供を実施する社会福祉法人等が、利用者負担を少しでも軽くすることにより、介護保険サービスの利用を促すための制度で、「社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度」と言います。

対象となる施設は、特別養護老人ホーム等の介護福祉施設サービス、訪問介護、通所介護、ショートステイ等があります。

介護施設の負担金を軽減する方法

全ての該当施設で適応されるわけではない

この制度は、社会福祉事業の実施を任務として、税制の優遇措置を受けている社会福祉法人が、所得が低い人の負担を担う事で法人の使命を果たそうという考えが根本にあるものです。

この制度を担おうとする社会福祉法人等は、行政に届出をする必要があるのです。

届出をしていない施設では、この制度は適用されませんので、注意が必要です。

低所得とは? 適用される要件について

さて、それでは所得が少ない人というのは、具体的にはどのような人を指すのでしょうか?

一定の要件があり、それに該当しなければなりません。

適用される要件について

≪画像元:松山市

上記を読んでいただければご理解いただけると思いますが、決して簡単にクリアできる要件ではありません。

年間収入が単身世帯で150万円以下…。

預貯金も単身世帯で350万円以下…。

そして介護保険料を滞納していないことも大切な要件になるのです。

どれぐらいが軽減されるのか?

下の表をご覧下さい。

左の欄は対象の施設(サービス)で、右の欄は軽減の対象になる費用です。

軽減の対象になる費用

≪画像元:南あわじ市

例えば特別養護老人ホームに入所している場合は、「介護老人福祉施設サービス」に該当します。

そして、軽減される部分は施設に月々支払っている「利用者負担金」と「食費」、「居住費」の部分になるのです。

軽減される割合はそれぞれ25%で、老齢福祉年金を受給している人は50%となります

申請の方法と流れ

(1) まず、対象となる施設(事業所)に「社会福祉法人等の軽減制度の該当となりますか?」と尋ねます。直接、保険者である自治体に問い合わせても教えてくれます。

(2) この制度の対象となる事が確認できたら、施設(事業所)に申請したい旨を伝えます。

(3) 施設(事業所)から申請書等の書類をもらいますので、必要事項を記入します。

(4) (3)でもらった書類を記入等が終わったら、施設(事業所)に持参します。

(5) 申請書等は施設(事業所)を通して、保険者(自治体)に提出されます。

(6) 提出後は申請の結果が出るまで待ちましょう。早ければ2週間ほどで結果が出ます。

実際に軽減される割合は「社会福祉法人等利用者負担軽減確認書」に記載さてており、それを元に施設(事業所)が金額を計算してくれます。

そして、新しい料金が請求されるようになるのです。

制度を積極的に活用してほしい

実際の経験談より

私はこの制度の手続きの担当をしていますが、利用者55名のうち、2名が利用しています。

施設として制度を積極的に活用してもらえるように啓発をしていますが、実際に内容を理解されている人は少ないようです。

この制度を利用していただくには申請が必要ですが、その際に個人情報(所得等)が施設に知られることを懸念する人もいるようです。

 関連記事:特別養護老人ホームの費用を少しでも安くする「介護負担割合限度額認定証」と「利用者負担の軽減制度」

介護負担割合限度額認定証はこちらの制度の申請をして、適用されずそれでも支払いが困難な方がこちらの軽減制度に該当する場合があるようです。(介護負担割合限度額認定証の申請をしないで軽減制度を申請できない)

申請後の判断は行政が行いますので、申請の段階では施設からいくらぐらいになるかはお伝えすることができません

結果が出るまでは不明です。

ちなみに、私の施設でこの制度を利用している1名は約7,000円、もう1名は1万8,000円も安くなっています。(執筆者:陽田 裕也)

この記事を書いた人

陽田 裕也 陽田 裕也»筆者の記事一覧 (47)

介護福祉士の養成校を卒業後、介護福祉士として特別養護老人ホームに勤務する。その後、介護支援専門員や社会福祉士を取得して、現在は生活相談員として相談援助の分野で高齢者福祉に関わっている。高齢者虐待予防や適正な身体拘束についても取り組みを強化し、日々自己研鑽に務めながら、介護保険制度についても理解を深めている。
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