生前贈与後に、相続放棄した場合は「相続税」を申告すべき? 相続に加算される「生前贈与加算」について解説します。

Q:「私と姉は今年の3月に父から現金を200万円ずつの贈与を受けましたが、父は5か月後の8月に死亡しました。

父の遺産は母と姉が相続することになり、私は相続を放棄しました。

この場合、私は相続税、贈与税どちらの申告をすべきでしょうか? 」

相続税、贈与税どちらの申告をすべき

解説

相続開始年に贈与を受けた者が相続によって財産を取得した場合は、贈与財産は相続税の課税価格に加算して申告し、相続による取得財産がない場合は、贈与税の申告が必要です。

相続相談にお答えします。

生前贈与加算

生前贈与加算とは、相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に、被相続人から受けた贈与財産で、贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるものがあるときは、その財産の贈与時の価額を相続財産に加算するという制度です。

贈与税の課税価格の計算の基礎に算入される金額

みなし贈与財産も加算の対象となります。

・課税対象外となった国外財産は、加算の対象とならない。

・贈与税の非課税財産は加算対象外。

・相続開始年分の被相続人からの贈与財産は、加算の対象となる。(贈与税は非課税)

贈与税の基礎控除額(110万円)以下の贈与も加算の対象となる。

贈与を受けた者が相続を放棄している場合の申告

相続開始前3年以内の間に、被相続人から贈与によって財産を取得した場合、その贈与財産の価額は、本来は相続税の課税価格に算入します。

しかし、相続の放棄によってその被相続人から相続または遺贈によって財産を取得しない場合は、贈与税が課税されますので、贈与税の申告が必要となります。

要するに

相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた場合は、その贈与時の価額を相続の課税価格に算入します。

これを生前贈与加算といいます。

しかし、相続を放棄したことで、そもそも受け取った相続財産がない場合は、暦年課税を受ける者については、贈与税が課税されるので、贈与税の申告が必要となります。(執筆者:小嶋 大志)

この記事を書いた人

小嶋 大志 小嶋 大志(こじま ひろし)»筆者の記事一覧 (138) http://www.kojimaz.jp/

小嶋税務会計事務所 代表 税理士 
一橋大学商学部卒業後、丸紅株式会社を経て西山会計事務所にて法人・個人の決算申告、相続税申告、株式の評価など担当。みらいコンサルティング株式会社・税理士法人みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング株式会社)国際ビジネス部部長を経て2010年1月より現職。
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