少子高齢化や核家族化によって増える「墓じまい」 作法や費用について葬儀業界12年の私が答えます

墓じまいが増えています。

少子高齢化や核家族化によって、お墓の維持が困難な世帯が増えているためです

しかし、お墓は自分たちのルーツであるご先祖様がおられた大切な場所。

自分たちの生活を捻じ曲げてまでして墓守をする必要はありませんが、処分するのであれば、心を込めて処分しましょう。

墓じまいの作法と費用

墓じまいでしなければならないこと

墓じまいは、墓地にある墓石を単に撤去すればいいというものではありません。

まずは次に挙げることをしなければならないのです。

1. 新しい遺骨の受け入れ先を決める

墓じまいをするためには、中にある遺骨をどこか別の場所に移さなければなりません

新しい霊園や寺院の納骨堂など、まずは受け入れ先を決めましょう

2. 自治体から改葬許可を得る

遺骨の引っ越しを「改葬」と呼びますが、改葬をするためにはいまのお墓がある自治体から許可を得なければなりません

そろえなければならない書類は、主に次の3点です。

・ 改葬許可申請書(自治体からいただけます)
・ 新しい墓地や霊園の使用許可証。あるいは受入証明書
・ 故人様の埋火葬許可証

※細かい内容は自治体によって異なるため、直接お問い合わせください。

3. 寺院による閉眼供養

墓石には、仏様やご先祖様の魂が込められています。

解体工事に入る前は、必ず寺院に閉眼供養を執り行ってもらいましょう

4. 石材店への手配、ならびに工事

解体撤去工事は石材店が行います。

複数の石材店を比較してもよいでしょう。

ただし、墓地や霊園によっては石材店が指定されているところもあるので、まずは墓地の管理人に墓じまいをしたい旨を伝えましょう。

離檀をしなければならない時は寺院に相談しよう

離檀するときの注意点

離檀とは、檀家としての付き合いをやめることです。

離檀と聞くと、離檀料(檀家をやめるために寺院に渡すお布施)のことがばかりがネガティブに報じられます。

たしかに、離檀料の是非はありますが、これまでご先祖様を供養してもらった感謝の意味で、包んでもよいのではないかというのが筆者の個人的な想いです

ただし、これもあくまでも「御布施」なので、金額は任意であるべきですし、寺院側から法外の金額を請求するのは論外です。

親族やお墓参りに来る人への連絡

お墓は家族だけのものではありません。

親戚の人たちはもちろん、中には故人様の友人や知人が個別にお参りに来ているかもしれません。

自分たちの都合で墓じまいをするのは仕方のないことですが、親族やお参りに来られている人など、可能な限り連絡を取って、墓じまいする旨を伝えておきましょう

お墓参りに行ってみるとお墓がないことで、トラブルに発展する事例もあるようです。

墓じまいの費用

最後に、墓じまいの費用について触れておきます。

墓じまいをする上で、どんな費用がかかるのか、項目別にまとめました。

寺院の閉眼供養

墓石の中には仏様やご先祖様の魂が込められているため、まずは寺院に閉眼供養をしてもらわなければなりません。

相場は1万円から5万円くらいです。

墓石の解体撤去処分工事

墓石の解体撤去処分工事は石材店に依頼します。

墓地の面積や、撤去する石材(石碑、霊標、外柵など)の量によって費用が変わるので、相場を出しづらい性格にあります。

参考にならないかもしれませんが、1つの目安としては、墓地面積1㎡あたり15万円くらいです。

ご自身の墓地がどれくらいの面積か、測っておきましょう。

新しい遺骨の受け入れ先(お墓、納骨堂など)

墓じまいしたあとに、遺骨をどこかに預けなければなりません。

お墓を新規で立て直すのであれば、墓地と墓石代で200万円~300万円が相場と言われています

納骨堂や樹木葬は、安くて20万円、高くて100万円くらい

最近話題の散骨は安くて5万円、高くて30万円くらいでしょう。

さいごに

墓じまいをしなければならない家族の事情はさまざまです。

もしも墓じまいをするのであれば、寺院や親戚など、周りの人たちへの配慮を怠らないこと

これこそが、心を込めた墓じまいの作法です。

お墓の中の故人様も、きっとそのことを望まれているのではないでしょうか。(執筆者:五十嵐 信博)



この記事を書いた人

五十嵐 信博 五十嵐 信博»筆者の記事一覧 (34)

葬儀社、仏壇店、墓石店と、供養関連の会社に勤務するライターです。業界歴は12年。1級葬祭ディレクター、2級お墓ディレクターを取得しています。亡くなった人を手厚く弔うことや、目に見えないものを大切にお祀りすることは私たちの幸せにつながります。葬儀やお墓などの記事を通じて、みなさまの仏事でのお困りごとを解消できればと、祈りを込めて綴ります。
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