これって「認知症」の初期症状? 介護福祉士の筆者が、簡易検査や診断料金、薬の単価について解説します。

認知症は社会問題に…

認知症は以前に比べると身近な病気になったのではないでしょうか?

高齢者の車での事故などは、認知症の疑いがある人もたくさんいらっしゃいます。

これは、私が実際に経験したお話です。

自宅で介護されている認知症の高齢男性を短期間の施設の利用(ショートステイ)として受け入れたことがあります。

認知症は社会問題

いつもソワソワしていて落ち着かず、施設内ウロウロされる方でした。

当時、私はショートステイの責任者をしており、現場だけの対応が難しい様子だったので、その人を車に乗せてドライブをしたのです。

車の中では落ち着いており機嫌が良かったです。

そして、後で担当のケアマネジャーさんから聞かされたのですが、その認知症の男性は車がとても好きで、家族の制止を振り切り軽トラックに乗って外出することがあったそうです。

この話を聞いて正直恐ろしくなりました。

そして、これが認知症高齢者の現実だと感じたのです…。

このように、認知症の人が社会に与える影響はとても大きいと思います。

ただ、必ず抑えておかないといけないことは、

「誰も認知症になりたくてなったのではない」

ということです。

人格を否定するような対応でなく、認知症の症状に上手くアプローチしていくように私達は取り組んでいます。

認知症の初期症状について

認知症の初期症状について

一番多いのが、物忘れです。

この物忘れですが、認知症によるものか加齢によるものか、判断する方法があります。

例えば、実際に昼食を食べたのにも関わらず、

「まだ食事を食べていない。早く作って欲しい。」

このような訴えは認知症の可能性が高いです。

一方、加齢による物忘れの場合、

「食事はしたのは覚えているけど、何を食べたか思い出せない…。」

このような訴えがあります。

ちなみに、私の勤める施設では前者の方が圧倒的に多いです。

その対応方法ですが、決して「もう食べたでしょう」等の発言はしません。

そうです、認知症の人に対して否定は禁物なのです。

その人にとって、「食事を食べていない」ということは事実になっているのです。

なので、それを否定しても益々混乱し、精神的に不安定になるだけなのです。

実際には、

「今食事を作っているところです。遅れてしまってすみません。」

等の言葉を掛けます。

それで落ち着けばいいのですが、繰り返し訴えがあれば、実際に冷凍食品をお膳に乗せて出したこともありました。

その方は、不満を口にしながらも食べていたのを覚えています。

認知症の疑った場合にどうするか?

やはりまずは病院です。

しかし、どの病院に行くか迷ったら一度かかりつけ医に行っても構いません。

そこで、専門的な病院を紹介してくれます。

認知症は多くは、一度発症すると完治するのは難しいですが、中には認知症の原因となるものを取り除くことにより治る場合もあります。

なので、初期であるなら諦めるのではなく、積極的に先生に相談することをおすすめします。

認知症は積極的に先生に相談することをおすすめ

認知症の簡易検査について

簡易的な検査として「長谷川式認知症簡易スケール」というものがあります。

これは、私達もよく利用するもので、とても有名なものです。

一般の方が、簡単に検査できるものではありませんが、対象者に対して質問形式で検査を行ないます。

約10分の簡単な検査ですので、色々なところで利用されていますが、医師で以外でも検査ができるため、費用はかかりません。

ちなみに私も実施します。

長谷川式認知症簡易スケール

繰り返しますが、これは簡易的な検査なので認知症を医学的に診断するには至りません。

認知症を画像検査

簡易検査で認知症の疑いがあれば、医師の出番です。

やはりCTやMRIなどの画像検査で脳の状態を調べて、具体的に認知症になっている原因を探ります。

認知症を画像検査

そして、その原因が分かればそれに向けて治療を受けることになり、場合によっては、より専門的な医師にバトンタッチされる場合があります。

保険が適用されますので、数千円で大丈夫です。

ちなみに、認知症で入院をしないといけない人は稀です。

私の把握する限り、勤務する施設から認知症が酷くなり、精神科などの病院に移った人はいません。

他人に危害を加えるようになれば入院の対象になりますが、その分医療費がかかることになります。

そうならないためにも、認知症に対しては早期発見・早期対応が望ましいのです。

認知症の薬について

私の記憶では、20年ぐらい前には認知症の薬が処方されていたと思います。

当時は、アリセプトという薬が有名でした。

勤務する施設でも服用されている人がいますが、認知症の薬のなかでも多くの人に飲まれているようです。

そのアリセプトという薬の単価を調べてみました。

認知症の薬の単価

≪画像元:認知症ねっと

上の表のように、5種類のタイプがありますが、値段にあまり変わりがないことが分ります。

例えば、ゼリー剤(10mg)が処方されたとして、30日で計算してみます。

552円 ×30日 =1万6,500円

1割の医療保険が適用されるとして、1,650円の自己負担になります。

そう考えると、特別高い薬でないことが分りますね。

やはり、早期に薬の力を借りて、悪化しないように努めれば、結果として経済的な負担になる可能性が低いと思います。(執筆者:陽田 裕也)

この記事を書いた人

陽田 裕也 陽田 裕也»筆者の記事一覧 (47)

介護福祉士の養成校を卒業後、介護福祉士として特別養護老人ホームに勤務する。その後、介護支援専門員や社会福祉士を取得して、現在は生活相談員として相談援助の分野で高齢者福祉に関わっている。高齢者虐待予防や適正な身体拘束についても取り組みを強化し、日々自己研鑽に務めながら、介護保険制度についても理解を深めている。
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