特別養護老人ホームで活躍する「すべての職種」を大公開! 仕事内容・利用者との関わり方、給与も教えます。

特別養護老人ホームで働く職種や仕事内容について

特養で働く人の仕事内容

介護保険制度が開始される前からあります、特別養護老人ホームってどのようなイメージでしょうか?

高齢者が集まる場所
認知症の人が生活するところ
車椅子の人が多い

このような感じではないでしょうか?

今回は、この特別養護老人ホーム(特養)で働く人たちのその仕事内容などをのお話をします。

それぞれの職種の給与や手当について

それぞれの職種の給与や手当について

多くの職種がありますが、実際の現場ではどのような違いがあるか説明します。

基本給は給与表によって決定します。

入職して5年後、10年後の自分の給料はある程度分かるような仕組みです。

それに加えて、資格手当(最高で5,000円)や役職手当(最高で1万5,000円)があります

生活相談員(社会福祉士)

仕事の中心になるのは、利用者が快適に生活できるように、また家族の意見を吸い上げられるように支援する役割です。

しかし、それ以外にも広範囲に渡り業務があり、簡単に言えば「何でも屋」です。

実は、この仕事、現在私が社会福祉士の資格を持って行っている職種です。

社会福祉士以外でも社会福祉主事任用資格所有者でも行えます。

給与や手当

役職をもらっており、手当があります。

役職手当は5,000円です。

正直もう少し欲しいところではあります。基本給は介護職員などと同じところからスタートします。

ちなみに、高卒ですと14万円ぐらいからスタートです。

大卒だと、プラス1万5,000円ぐらいです。

介護職員からスタートした私は、夜勤がなくなったことで手当がなくなり、手取りは減りました。

非常に厳しいです。

苦労している入退所に関する業務

この仕事をしながら一番気を使っているのは、施設の入退所に関わるときです。

昨年度は16名の方の入退所がありましたが、退所してから入所するまでの期間が長ければ長い程施設の損失は大きくなります

大体の目安ですが、一人1日1万円が施設の収入です

なので、ベッドの空きが10日続いたら10万円の損失になります。

相談援助

生活相談員の専門の業務です。

施設に入所している利用者、その家族、入所を希望されている人や家族、地域の方々に対しての福祉に対する相談援助です。

それぞれが抱えている課題に対して、解決へと導く役割を担っています。

施設を利用されている方の家族によっては、熱心な方から全て任せている方までさまざまです。

本人と家族の間に入って、両者を調整するようなことを行ったり、本人や家族の意向を介護現場に代弁する役割もあり、「権利擁護」というとても重大な責任もあります

行事の計画実施

施設内外の行事に関する計画・実施も行います。

特に私の勤める施設は宗教が関係するため、宗教行事も行います。

宗教関係者との連絡・調整を行いながら全体がスムーズに進むために実施します

最近の行事では、秋に実施した「合同慰霊祭」がありました。

合同慰霊祭という言葉はよく耳にする言葉だと思いますが、宗教が違うと死者に対する考え方が違ったりする部分もあります。

介護職員(介護福祉士)

介護職員

特別養護老人ホームで最も職員の数が多く、核となる職種です。

24時間365日休むことなく、介護職員が引継ぎを繰り返しながら利用者のケアを行います。

「早出」、「日勤」、「遅出」、「夜勤」に分かれて24時間生活の支援をしていきます

私も介護職員として入職しました。

・ 食事介助
・ 入浴介助
・ おむつ交換
・ トイレ誘導
・ 外出支援
・ レクリエーション支援

などが主な業務です。

私が最も難しいと思っていたのは「食事介助」です。

口から食べ物を食べるという行為は、時として高齢者から命を奪う事もあります

利用者の咀嚼(噛み砕く)・嚥下(飲み込む)状態の観察を行いながら、誤嚥(喉に詰まる)することがないように介助しないといけません。

ただ、介助するだけでなく、口に食べ物が入ったあと、食道の方に行かず気管の方にはいれば、誤嚥性肺炎という病気を発症することもあります

私が入職して6か月ぐらいに、担当の利用者が食べ物を詰まらせたことがありました。

近くにいた私は心臓マッサージをしたのを覚えています。

最近はAEDが設置されていますが、異常に気が付かないといけないのは人間である職員です。いつも緊張感のある仕事だと思っています。

給与や手当

介護職員は手当が大きいです。夜勤手当が1回5,500円で月に4~5回あります

それとは別に国の政策で取り組んでいる介護人材不足問題を解決するための「処遇改善手当」があります

1か月プラス2万5,000円ほどあります。

介護職員処遇改善加算について

看護師

介護施設にも看護師が在籍していますが、やはり病院の看護師とは違います。

特別養護老人ホームの場合、一番の業務は利用者の健康管理です。

具体的には、

・ 血圧や体温測定
・ 軽い怪我の処置
・ 投薬
・ 医師への連絡

などがあります。

まれに、看護師がいるからと思い、病院と同じようなことをしてもらえると勘違いをされる家族さんがいらっしゃいますので、契約の際に丁寧に説明するようにしています。

看護師の夜勤は義務付けられていませんので、もし夜間帯に何かあれば介護スタッフから看護師に連絡をとります。

場合によっては、夜中でも看護師が急遽出勤したり、救急車に同乗して搬送する場合もあります。

給与や手当

看護師は、資格手当が上乗せされますが、正看と準看では5,000円ほどの差があります

それと、夜間に呼び出されることが多いので、当然超勤手当も付きます。

栄養士

施設全体の栄養に関することを担当しています。

私の施設の場合、食事関係は全て別の業者に委託していますので、その委託先の栄養士と連携を取って利用者への食事の提供を行っています。

また、施設内の行事で出番が多いのが栄養士です。行事はなにかと、「食」に関することが絡んできます

例えば、夏祭りなら屋台での食べ物の提供を関係します。

これからの時期だと、餅つきも栄養士の業務の1つです。

給与や手当

栄養士にも資格の種類があります。単なる栄養士とその上の管理栄養士です。

私の施設では管理栄養士を雇用しており、月5,000円の資格手当があります。

機能訓練指導員(柔道整復師)

リハビリに関する職種です。病院のリハビリは機能を取り戻す事が主な目的ですが、介護の場合は違います。

老化と共に衰える機能や体力を、リハビリによってなるべく維持することが目的です。

私の施設では、柔道整復師が在籍していますが、他には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が担当する場合があります。

リハビリに関する職種

給与や手当

機能訓練指導員も資格手当が付きます。

柔道整復師は国家資格ですので5,000円がプラスされています。

介護支援専門員

ケアマネジャーと呼ばれる職種です。

施設で暮らす全ての利用者に対して、個別のプランを作成し現場の介護職員等が実施できるようにします

そして、実施した結果の評価を行い、次につなげる支援まで考えていきます

利用者一人ひとりの情報を集め、ニーズを見つけ出しプランに結びつける能力が必要とされます。

給与や手当

介護支援専門員(ケアマネジャー)も資格手当が5,000円あります。

事務員

事務室でパソコンに向かいひたすら作業をしています。

・ 職員の給与や賞与に関すること
・ 物品の購入に関すること
・ 利用者(1~3割部分)や国保連(7割~9割)への請求に関すること
・ 福利厚生に関すること

が主な業務です。

また、電話や来客者への対応も行い、状況に応じて的確に判断・対応したりします。

給与や手当

特に手当がありません。

基本給のみです。

他の職種と比べると専門性が低いです。

特に必要とされる資格もありません。

施設長(管理者)

施設長のタイプは施設によって違います。

そのタイプは2種類あり、以下の通りです。

・ 自分が中心となりどんどん現場に出向いて行くタイプ

・ 現場の責任者ではあるが、業務についてはほとんど部下に任せるタイプ

私の職場にいる施設長は後者で、細かいことを現場に指示することはあまりありません。

給与や手当

現場の責任者ですので圧倒的な差があります。私との給与(手取り)は倍近くあります…。

施設収入の内訳は? 給与は賞与はどこから出ている?

給料や賞与の出所ですが、主に2つあります。

(1) サービスの利用料金であり家族や本人が支払う1~3割の部分

(2) 介護保険の財源である7割~9割の部分

(1) については、月々の施設に支払っていただく利用料であるので、分かりやすいと思います。

(2) についてですが、まず私たちサービスを提供する事業所は国保連(国民健康保険団体連合会)に直接請求します。

これは医療保険と同じです。

そして、国保連はその請求があったことを市町村(保険者)に連絡し請求します。

市町村は国保連からの請求を受けて、請求分を国保連に支払い、その国保連を通して最終的に渡したちサービス事業所に入る仕組みです。

介護サービスから請求までの関係図

「介護保険の財源がない」という話を聞いたことはありませんか?

これは、介護保険のために国が蓄えているものです。

介護保険の財源は、「税金」と「介護保険料」によって成り立っています

この介護保険の財源は私たち、働く側の給与に大きく影響しており、介護保険サービスを提供する事業所のスタッフの給与が少ないと言われているのは、この財源が十分にないからなのです

繰り返しますが、7割~9割の部分は介護保険の財源から給与が支払われています

財源が不足しているから、介護保険料がアップしたり、消費税が10%になります

これが介護に携わる人材の給料が安いと言われている最大の理由です。(執筆者:陽田 裕也)

この記事を書いた人

陽田 裕也 陽田 裕也»筆者の記事一覧 (47)

介護福祉士の養成校を卒業後、介護福祉士として特別養護老人ホームに勤務する。その後、介護支援専門員や社会福祉士を取得して、現在は生活相談員として相談援助の分野で高齢者福祉に関わっている。高齢者虐待予防や適正な身体拘束についても取り組みを強化し、日々自己研鑽に務めながら、介護保険制度についても理解を深めている。
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