生命保険の「人気ランキング」に騙されないで! 信憑性が低い5つの理由

知識や購入経験が少ない商品は選ぶのが難しいため、人気ランキングを参考にする方は、けっこう多いのではないかと思います。

生命保険については保険ショップを運営している乗合代理店、または比較サイトなどが、ウェブサイト上で保険の種類別(例えば死亡保険、医療保険、がん保険)の、人気ランキングを発表しております。

ランキングを決める基準はいくつかあるようですが、一定の期間における資料請求の件数や、契約件数を元にしている場合が多いようです

こういったものは商品選びの参考になりますが、次のような5つの理由により、過信してはいけないと思うのです。

生命保険の人気ランキング?

【理由1】広告と販売手数料で、ランキングをコントロールできる

人気ランキングを発表している比較サイトを見ると、目線がいきやすい格好の場所に、生命保険会社のバナー広告が掲載されている場合があります。

こういったバナー広告を見た方の一部は、それをクリックして、資料請求をすると思います。

そうなると資料請求の件数を元にしたランキングは、費用をかけて売りたい商品のバナー広告を、長期に渡って出していけば、ある程度はコントロールできるのです。

また保険ショップは複数社の商品の中から選べて便利なのですが、顧客のニーズに合った商品より、生命保険会社から高い販売手数料を受け取れる商品を、優先して販売しているのではないかと、金融庁から指摘されたことがあります。

もしこれが事実だとしたら、契約件数を元にしたランキングも、売りたい商品の販売手数料を、他の商品より引き上げすれば、ある程度はコントロールできるのです。

【理由2】使用経験がない方を、調査対象にしている

ある商品について、購入するだけの価値があるのかを知りたい場合には、実際に使った経験がある方に聞いてみるのが、もっとも良いはずです。

生命保険を契約する場合も、まったく同じだと思うのですが、資料請求をした方や、契約をしたばかりの方は当然に、保険金を請求しておりません。

つまり資料請求の件数や、契約件数を元にした人気ランキングは、その生命保険の使用経験がない方を、調査対象にしたランキングなのです

その一方で、数年以内に保険金を請求したことのある方を、調査対象にしたランキングもあります

商品ごとのランキングというより、生命保険会社ごとのランキングになってしまうのですが、使用経験がある方の意見を元にして作成されておりますから、こちらの方が信頼できると思うのです。

元にしたランキングは信頼できると思います。

【理由3】取り扱いのある商品のみで、ランキングを決めている

保険金の請求経験がある方を調査対象にしたランキングを見ていると、3大共済(都道府県民共済 コープ共済、全労済)が、よく上位に登場しております。

この理由としては共済金などの支払いが早く、かつ不払いが少ない点が、評価されているようです

また勤務先の会社や、その労働組合を通じて加入できる、団体定期保険などの団体保険は、団体割引の適用によって保険料が安くなる点が、評価されているようです

このようなメリットのある共済や団体保険ですが、資料請求の件数や契約件数を元にした人気ランキングで、見かけることはありません

その理由は単純で、乗合代理店や比較サイトでは、取り扱っていないからです。

つまり人気ランキングといっても、自社で取り扱いのある商品の中の、ランキングにすぎないのです。

【理由4】働き方などによって、必要な保障が変わってくる

ある比較サイトでは年齢と性別を入力すると、人気ランキングに登場する商品の中から、おすすめの商品を紹介してくれます

とても便利な機能だと思うのですが、画面に表示された結果を信じても大丈夫なのかという、疑問を感じてしまうのです。

その理由として年齢と性別が同じだったとしても、それぞれの働き方には違いがあり、大企業で働く方、中小企業で働く方、フリーランスで働く方など、いくつかのタイプに分けられます

この中の大企業で働く方は、病気やケガで仕事を休んだ時の福利厚生が充実しているため、医療保障は少なめにできます。

その一方で、病気やケガで仕事を休んだ時に収入が途切れるフリーランスの方は、医療保障を充実させる必要があります。

それにもかかわらず例えば「40歳」の「男性」と入力すれば、同じ医療保険やがん保険が画面に表示されるのですから、結果を信じても大丈夫なのかという疑問を感じるのです。

【理由5】一時的な人気商品と、ロングセラー商品が判別できない

例えば図書館に行くと、かなり昔に出版された生命保険の本を、現在でも読むことができます。

図書館に行く機会があったため、15年前くらいに出版された生命保険の本を読んでみたら、その当時の医療保険の人気ランキングが掲載されていたのです。

ランキングの中に登場する商品は、現在とはまったく違っておりましたが、その当時のランキングの上位に登場していた商品の多くは、もう販売されていないというのが、大きな理由ではないかと思うのです。

複数年分のデータを比較してみると、ロングセラー商品を見つけられる

ただその当時のランキングの上位に登場していた、例えば都道府県民共済の「入院保障2型」は、現在でも販売されているため、共済の商品の根強い人気を感じました。

このように複数年分のデータを比較してみると、ロングセラー商品を見つけられるのです。

しかし過去のデータを紹介している比較サイトはほとんどなく、またあったとしても数年分に限られるため、広告の影響などによって一時的な人気を得た商品なのか、それともロングセラー商品なのかが、判別できないのです。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

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1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種
【寄稿者にメッセージを送る】

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