2019は経済が大きく揺れ動く年 リスクヘッジの一例としてインバース型上場投資信託(ETF)を紹介

今年はリスクの大きい年? では、そもそも「リスク」とは

筆者、年初のセミナーなどで、

「今年は、米中通商協議、中国経済急減速、米国バブル崩壊、日米通商交渉の行方、英国・イタリア・ドイツなど欧州各国が抱える諸問題、国内のさまざまな要因など…。それらが影響して大きく揺れ動く年ではないか?」

と言及させていただきました。

今年はリスクの大きい年

世界経済、日本経済が大きく揺れ動くということは、言わずもがなマーケットも大きく揺れ動く…すなわち「リスクが大きくなる」可能性があるということです。

リスクとは、「損すること、危険なこと」ではなく「収益の変動幅」のことです。

「リスクが大きくなる」とは、要は、「上がったり下がったりの変動幅、ブレ幅が大きくなる」といった意味合いになります。

筆者の見解として、「今年はその変動幅、ブレ幅が大きくなるのでは?」と考えているわけです。

そんな中、投資家自身の思っている方に(投資している方向に)大きくぶれた場合は問題ない(利益が出る)わけですが、では、自分の思惑とは別の方向に大きくぶれた場合はどうなるでしょうか?

簡単な話ですが、「大きく損失を被ってしまう」可能性があるということです。

例えば、「今年は日本株式市場が大きく上にブレる(上昇する)」と予想して、個別株式や日本株式で運用する投資信託を買った場合に、逆の方向に大きくぶれて(下がって)しまうと大きく損失を被るといったような場合です。

リスクヘッジとは?

リスクヘッジをする

そこで、「リスクヘッジ」をするという考え方があります。

「リスクヘッジ」とは、起こりうるリスクの程度を予測して、リスクに対応できる体制を取って備えることです。

具体的には、資産運用において、資産価値が一方的に下落することを最小限に食い止めるために、先物取引を使ってリスクを回避する方法などがあります

この方法は、現物(株式など)を買い付けると同時に、先物市場で同量程度の売り注文を出して、現物の値下がりが続きそうな時に、先物市場で先に売ったものを安く買い戻せば、現物取引で生じた損失と相殺できる(カバーできる)という一種のリスクヘッジ方法です。

ところが、「先物取引」というと、個人の投資家にはなかなか敷居が高いのも現実的な話です。

インバース型上場投資信託=ETF

そこで、リスクヘッジのために昨今注目されている手法に、インバース型上場投資信託=ETFなるものがあります。

「インバース」とは、「逆」という意味で、「インバース型上場投資信託=ETF」に投資していた場合、基準になる指標=ベンチマークが上がればその分「損失」下がれば「利益」がでるといった仕組みになります。

これらの上場投資信託の値動きのイメージは、TOPIXや日経平均株価などそれぞれの指標(ベンチマーク)が10%下落すると、「インバース型上場投資信託=ETF」に投資していた場合は、ほぼ10%上昇するといった具合です。

基準になる指標=ベンチマークが下がれば「利益」という点では(実際には仕組みは違いますが)先述の「先物売り」と似ている部分もあり、保有株式等の値下がりに対する「リスクヘッジ」になります

つまり、「インバース型上場投資信託=ETF」をうまく使った場合のメリットは、基準になる指標=ベンチマークが下がる局面でも利益を出すことができるという点です。

株価などの下落局面で、ただ現物株や投資信託を保有しているだけでは、指をくわえて(損失が出るのを)眺めていることになりますが、インバース型上場投資信託=ETFも一緒に保有していた場合、こちらの分で利益を出せる=相殺できる(カバーできる)ということです。

インバース型上場投資信託=ETFの注意点

ETFの注意点は

この手軽にリスクヘッジする手法として注目されているインバース型上場投資信託=ETFではありますが、もちろん万能の「打ち出の小槌」ではありません。

当たり前のことですが、読みが外れた(ベンチマークが上がって行くような)場合、損失を被ってしまうことも忘れないでおきたいものです。

さらに、インバース型上場投資信託=ETFを「長期的」に保有していると、株価等の指数が上下変動を繰り返すうちに少しずつインバース型上場投資信託=ETFとの価格が乖離していってしまい、利益が少なくなってしまうというデメリットがあります。

要は、基準になる指標=ベンチマークと全く同じ率で反対に動くわけではなく、長期的に保有すると投資家にとって不利になってしまうということです。

よって、短期的なリスクヘッジとして使用する分には使い勝手が良いですが、長期的なリスクヘッジ商品としては向かないという点には注意が必要だと思います。

いずれにしても、先述したような非常に混沌とした世の中にあって、まさしく絶対ということがないマーケットの世界で、

いかにリスクとうまく付き合っていくか?

いかにリスク低減が図れるか?

いかにリスクをヘッジするか?

という手腕が問われていると思います。

その際に、今回ご紹介したような「インバース型上場投資信託=ETF」といった商品も一考の価値あるツールだと思います。(執筆者:阿部 重利)

この記事を書いた人

阿部 重利 阿部 重利»筆者の記事一覧 (36) http://humane-c.co.jp/

経済産業省認定経営革新等支援機関
ヒューマネコンサルティング株式会社 代表取締役
金融機関での実務経験を生かし、経営顧問・コンサルティング活動の傍ら、全国各地で講演会をはじめ、年約150本の企業研修、講演会、セミナー、などを精力的にこなしている。そのパワフルでユーモア感のある語り口と説得力は各方面から好評を得ており、これまでコンサルティングや研修、講演を受けた企業人の知識やモチベーション・スキルアップに大きく貢献している。著作多数。
<保有資格>:BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ / CFP(R) / 金融知力インストラクター / DCアドバイザー / 年金・退職金総合アドバイザー / 心理カウンセラー / キャリアカウンセラー / ワークライフバランスコンサルタント
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