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認知症の金銭問題 周囲の対処法や金銭管理の制度を紹介

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認知症の金銭問題 周囲の対処法や金銭管理の制度を紹介

親の認知症問題

親の認知症問題

ひとり暮らしの高齢者は多く、久々に訪ねてみると、

親の様子がおかしいと気がついて慌てて行政の窓口に介護相談に行く

などという話は案外よく聞きます。


特に、金銭管理では1人で自己管理できなくなった場合には、生活が成り立たなくなるだけではなく詐欺被害に遭う可能性も高くなります。

また、物忘れや認知症が進行している場合は本人が「お金を盗られた」と思い込んで行動してしまうことがあり、家族や周囲の人たちが混乱してしまうこともあります。

今回は、ひとり暮らしの親に認知症の症状が出てきたときのお金管理のコツについて、実例を交えながら押さえていきましょう。

家族の注意喚起でできるお金の金銭管理のコツ

認知症の初期や金銭管理についてはまだ自分でできることが多い、という場合は家族の注意喚起で金銭管理ができる場合もあります。

例えば、離れて暮らしていても決まった時間に安否確認を兼ねて電話をかけ

「買い物には2,000円を持っていけばいいよ」

「1万円以上使う時は一応教えてね」

などと伝え、家族も金銭管理に気を留めているという感覚を持ってもらうようにしましょう。

また、支払いを引き落としできるものは手続きをしておくと良いでしょう。

離れて暮らしていても定期的に財布の中身を確認できる状況にある場合は、本人の了解を得て、定期的に財布の中身を確認し必要な分のお金を家族が補充するようにします。

自尊心や自立心を保つためにも、金銭を一切持たせないということや金銭管理を家族が全て行うというようなことがないよう配慮することも大切です。

「自分でやらない」ことが増えてしまうと認知症状が進行する恐れもあります。

「財布がない」と話す場合

認知症の兆し

金銭管理をする中で、もしも

「財布がない」
「財布を盗まれた」

と話される場合の対処法として、いくつかダミーの財布を準備する方法があります。

財布がないと話す場合、本人が大事に管理しすぎて置き場所を忘れてしまっていることが多いです。

後から思いがけない場所から財布が見つかることもあります。

ダミーの財布活用法

問題は、財布が見つかるまでの本人の戸惑いと動揺です。

ダミーの財布を準備することで早期解決を目指しましょう。

本物とダミーの全ての財布にも少額ずつのお金を入れて、家族がダミーを保管しておきましょう。

そして、財布を失くした(盗られた)という本人と一緒に財布を探しながらダミーの財布を発見するようにしましょう。

認知症の症状の軽減には「安心感」が大切です。

探して見つかったという事実を重視しましょう。

制度でできる金銭管理の方法

制度の利用で金銭管理をする方法は主に2つあります。

・成年後見制度

・日常生活自立支援事業

名称は聞いたことあるけど、実際にはどんなことをしてくれるのか知らない方はまだ多いといえます。

金銭管理についてはご家族もわからないこともあります。

まだ早いと思っていても、知っておくことで慌てずに済むこともあります。

成年後見制度

成年後見制度とは、判断能力が不十分なため契約等の法律行為が難しい人を親族や弁護士、司法書士、行政書士などの専門職などが後見人となり、必要な契約等を代理締結したり財産管理をする制度です。

成年後見制度には、既に判断能力が不十分になってから家庭裁判所に申立をする「法定後見制度」と、将来判断能力が不十分となった時に備えるために、本人が元気で判断能力があるうちに公正証書により任意後見人を選んでおく「任意後見制度」があります。

成年後見制度

≪画像元:裁判所(pdf)≫

日常生活自立支援事業

実施主体は社会福祉協議会になり本人との契約です。

厚生労働省の日常生活自立支援事業は、認知症や知的障、精神障害などによって判断能力が不十分な方が地域や住み慣れて自宅において、自立した生活が送れるよう福祉サービスの利用援助等を行います。

内容については、主に年金や預貯金の通帳等の保管や各種支払いや契約行為、預貯金の出し入れ等の支援などを受けられます。

サービスは有料ですが、訪問1回につき平均1,200円程度の低額です。

料金は市町村によって異なります

金銭管理で認知症チェック

自尊心を損なわない配慮

親が認知症になった場合の金銭管理のポイントは、金銭管理できる能力がどの位あるのかによってかわります。

見守りや声がけで管理できる場合もありますし、近隣住民や外部の協力が必要な場合もあります。

担当のケアマネージャーがいる場合には早めに相談することです。

支援が必要なレベルを見極め、生活が成り立つような方法、工夫を見出しましょう。

オレオレ詐欺などの高齢者を狙った犯罪に巻き込まれないように意識しておくことも重要です。

金銭管理を家族が行う場合には、本人の自尊心を損なわないように配慮することも忘れないようにしましょう。

「盗られ妄想」は一時的です。

時には疑わられてしまい悲しい気持ちになることもありますが、今だけという気持ちで乗り越えましょう。

一緒に心配したり探すことで、本人は安心できます。

ご家族だけで抱え込まずに、専門家を交えて対策を考えることが一番のコツです。(執筆者:佐々木 政)

《佐々木 政子》
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佐々木 政子

執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子 佐々木 政子

ケアマネージャーを7年経験して、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロです。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきたいと思います。我が家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう! 寄稿者にメッセージを送る

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