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「老人ホーム」年金のみで賄えるか 特養に安く有利に入居するコツなどを介護福祉士が解説

シニア 介護
「老人ホーム」年金のみで賄えるか 特養に安く有利に入居するコツなどを介護福祉士が解説

介護を受ける本人にとっても、その家族にとっても、「年金だけで老人ホームの費用をまかなえるのか?」という点は非常に気になるところでしょう。

この記事では、年金だけで老人ホームに入居できるかどうかをくわしく解説するとともに、ぜひ知っておきたい「入居費用を安く抑える方法」をご紹介します。

「老人ホーム」年金のみで賄える? 公的・民間施設の 月額費用入居のコツ

老人ホームにかかる費用はどのくらいか

ひと口に「老人ホーム」といっても、施設には多くの種類があり、それぞれ入居資格やかかる費用はさまざまです。

まずは一般的な費用の内訳をチェックしてみましょう。

老人ホームに入るために必要なお金

老人ホームに入るには、「入居一時金」と「月額使用料」を支払う必要があります。

また、施設によっては、入居一時金のないところもあります

入居一時金は中には何百万もの高額になる施設もあるので、まずは入居一時金の有無で老人ホームの候補を絞るという人も多いようです。

ただ、入居一時金には

「今後かかる月額使用料を前もってある程度支払っておく」

という意味合いもあるので、老人ホームを選ぶときは入居一時金の有無だけでなく、月額使用料の金額もしっかり見比べるようにしましょう。

ホームの種別によって料金が変わる

ホームの種別によって料金がかわる

老人ホームの料金は、公的施設か民間施設かによって大きく異なります。

1. 公的施設:特別養護老人ホーム

公的施設の代表格が「特別養護老人ホーム」いわゆる特養ですが、よく

「入居待ちが多い」

「数年待たないと順番が回ってこない」

などとうわさが飛び交うように非常に人気の高い施設です。

これは、入居一時金が必要ないことや、民間施設よりも低い月額利用料で入居できることが主な理由です。

同じように、地方自治体や社会福祉法人が運営する「ケアハウス」も費用負担を低く抑えられる施設です。

2. 民間施設:有料老人ホーム等

一方、民間施設にも「介護付き有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」など目的別にさまざまな施設があります。

ただ、民間施設は入居一時金が必要になるところが多いうえに、月額使用料が特養の倍近くかかってしまう施設もあり、負担が一気に増してしまうのがネックです。

とはいえ、今は入居一時金を納めなくてもよい民間施設も増えています。

地域や場所によっては月額利用料が低く設定されているところもある

ので、「民間施設はとても無理…」と最初から諦めずに広い範囲で情報収集をしてみることをおすすめします。

年金のみで施設入居は可能か

月額利用料でみると、

公的施設では、低いところでは月7万円台から、高いところでは月13万前後

が一般的です。


これが

民間施設になると、低いところでおよそ月12万円台から、高いところでは月20万円以上

もかかってしまいます。

国民年金・厚生年金受給権者の平均年金月額の推移

≪画像元:厚生労働省「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(pdf)」≫

「平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平成28年度の

1か月の年金額の平均:国民年金が5万5,373円、厚生年金が14万5,638円ですので、合わせて約20万円

となっています。

年金支給額は人によって異なるものの、あくまでこの平均値で考えると、厚生年金を受給している人であれば公的施設でも民間施設でも年金のみで入居できる施設が見つかる可能性はゼロではないでしょう。

ただ、施設へ支払うお金以外にも生活費や医療費などの経費は必要になりますので、とくに民間施設を選ぶ際はしっかりこの点を加味して施設を絞り込む必要があります。

一方、自営業の人などで国民年金のみの受給となると、たとえ特養であっても年金のみですべてをまかなうのは厳しいと言わざるを得ません。

年金だけで介護サービスを受ける場合は施設ではなく在宅ケアを検討し、必要最低限のサービスを利用して介護費用を低く抑える工夫が必要でしょう。

老人ホームの費用を安く抑えるコツ

老人ホームの費用を安く抑えるコツ

老人ホームは長期にわたって入居する可能性もあるので、決して無理をせず予算に合わせて施設を選びましょう。

入居料のほかにも、病院にかかれば治療費や薬代がかかりますし、趣味や娯楽のためのお金も必要ですから、年金の額ギリギリではなく予算にある程度の余裕をもっておくことが大切です。

費用の安さを重視するなら特養がおすすめ

もし、「少しでも費用を低く抑えたい」と考えている場合は、やはりおすすめは特養です。

特養の入居条件は以下の通りです。

・ 要介護3以上で、感染症などの医療処置が必要ない65歳以上の人。

・ 要介護3以上で、特定疾病(がん、リウマチなど)を持つ40~64歳までの人。

・ 要介護1~2で、特例(※)による入居が認められた人。

※特例とは、日常に支障をきたすレベルの認知症や障害、虐待の恐れ、事情により家族や地域による介護サービスが手薄になるなどの要件です。

特養はなかなか空きが出ずに何年も待たされてしまうケースが確かにありますが、本人の介護レベルや家庭の事情によっては優先的に入居させてもらえることもあります

条件に当てはまる人は検討してみる価値はあるでしょう。

特別養護老人ホームに有利に入居する方法

特養に入りたいと思ったら、押さえておきたいポイントがあります。

入居を有利に進めるためにも、ぜひ参考にしてください。

1.複数の特養に登録する

特養はいくつ申し込んでもOKです。

地元だけでなく、他の市町村や県まで範囲を広げて何か所か重複して申し込めば、それだけ入居の可能性は高まります

2.申込書には状況をできるだけ詳細に記入する

特養の入所申込書には特記欄があり、自由に記入できるようになっています。

入居者を決める際は、この申込書も判断材料のひとつになるので、入居の緊急度を訴えるにはこの特記欄を最大限に利用することがポイント。

施設側もこの欄はしっかりチェックしているので、問題行動や日ごろから困っていることをできるだけ詳しく記入しましょう。

3.ユニット型を検討する

特養には、全室個室の「ユニット型」もあります。

料金は、相部屋を基本としている従来型より月4~5万円プラスになりますが、民間の有料老人ホームよりは費用を抑えられる可能性が高いです。

また、ユニット型ならそれほど待たずに入居できることもありますので、気になる人は担当のケアマネ―ジャーに確認してみましょう。

民間の有料老人ホームに安く入居する方法

民間老人ホームに安く入居するコツ

民間の老人ホームの入居費用は実にピンキリです。

ピカピカの建物に広い居室、豪華な食事に行き届いたサービスとなれば、利用料は驚くほど高額になってしまいますが、いくら民間といえどもそのような高級施設ばかりではありません。

探し方を工夫すれば、民間施設でも入居一時金がなく思いのほか低い料金で入れる施設もあります

また、空き部屋がある施設では月額使用料を値下げしているケースも。

有料老人ホームの入居費用を安く抑えるポイントは、以下の4つです。

1. 東京や神奈川などの都市部を避け、地方の施設を選ぶ

2. 駅周辺ではなく駅から少し離れた場所の施設を選ぶ

3. 新しい施設は避ける

4. 個室ではなく相部屋を選ぶ(ただし、現在は有料老人ホームの相部屋は減少傾向にあります)

どうしても都心や主要都市は値段が高くなるので、とくに事情がなければできるだけ都心部から離れた土地で探すのがおすすめです。

また、駅に近いほど値段が高くなりがちなので、車で通うのが可能であれば駅から離れた施設が狙い目といえるでしょう。

年金の範囲内で入居するには早めのリサーチを

年金の範囲内で老人ホームに入居するには、早い段階からリサーチをして生の情報を得ることが大切です。

たとえ施設入居が無理でも、介護サービスは在宅ケアもしっかりフォローしてくれますので、在宅でどのようなサービスが受けられるのかについて、同時に情報収集していくとよいかもしれません。

第2の人生を安心して過ごすためにも、介護サービスの仕組みやかかる費用をぜひ早いうちから調べておきましょう。(執筆者:渡辺 有美)

《渡辺 有美》
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渡辺 有美

OL時代は都銀で支店窓口→秘書室に転勤になり役員秘書に従事。その後、結婚と子育てを経て、人様のお世話をする仕事がしたくなり、介護の道を選びました。介護福祉士としてデイサービス・特養・訪問介護の現場で10年以上働いた経験を活かし、介護にかかるお金や、さまざまな生活の知恵をお届けしていきたいと思います。 寄稿者にメッセージを送る

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