【法定後見制度】申し立て費用と期間 「知っていたほうがいい」と相続のプロが言ってます。

高齢化社会の日本では、認知症の方の数の増加も重大な社会問題となっています。

一人暮らしを続ける認知症の親を持つ方は、「成年後見制度」について調べたことがあるかもしれません。

成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」がありますが、今回は法定後見の仕組みと、実際に利用する際の費用について説明します。

法定後見とは?

法定後見とは?

認知症や精神障害などで判断能力が不十分な本人(被後見人)に代わり、家庭裁判所に選ばれた後見人が財産管理や一定の法律行為を行うことで、被後見人の財産や生活を守るという制度です。

なお、後見には本人の判断能力の程度により

・ 補助
・ 保佐
・ 後見

の3種類があり、このうち後見は判断能力が「ない」とされる方のためのものですが、ここでは一括して「後見」と呼ぶことにします。

後見人は不動産売買などの重要な契約、被後見人が行った契約の取り消しなどの法律行為を行えます

高齢者を狙った詐欺まがいの売買契約を被後見人が結んでしまっても後見人が取り消せます

後見人は財産管理も行いますから、

・ 大きな現金の授受を本人がすることはない

・ 財産を騙し取られない

・ 親族の1人が勝手に使いこまない

など、心配がなくなります。

法定後見が始まるまで

親族などが家庭裁判所の後見係に対し、後見開始の申立てをし、裁判所の審理を経て法定後見開始の決定が出されることで後見が始まります。

申立てから決定まで3か月は見ておきましょう。

誰が後見人になるかにつき、申立人が候補人をあげることもできますが、審理の結果裁判所が別途専門職後見人などを選定することがあります。

法定後見にかかる費用

法定後見にかかる費用

申立てにかかる費用ですが、審判や登記手数料としてだいたい1万円前後を裁判所に納めます

さらに本人の判断能力を医師が調べる鑑定費用が必要で、金額は医師によりばらつきがありますが、相場は5万~10万円くらいです。

また、申立て手続自体を弁護士などに任せた場合、報酬も必要となります。

実際に後見を開始すると、後見人と後見監督人の報酬が発生します。

後見監督人は定期的に後見人から事務報告を受け、家庭裁判所に報告をする役割を持ち、家庭裁判所が選任します。

目安として後見人が月額2万円、後見監督人が月額1~2万円とされています。

なお、管理財産の額が多いとその分事務が大変になるので、報酬も増加します。

制度は使わなくても、知識はあったほうがいい

後見は判断能力の衰えた方のために役立つ制度ですが、活発に利用されているとはいえません。

費用を見ても分かるようにある程度まとまった財産がある人向けと思われるところもあります。

法定後見は比較的新しい制度ですので、しばらくは推移を見守るという方もいるでしょうが、いざという時のためにある程度の知識は身につけておくようにしましょう。(執筆者:橋本 玲子)

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行政書士事務所経営。相続や遺言関係を専門とする社団法人の理事もしています。アドバイスや業務遂行でお客様の問題が解決するととても嬉しくやりがいを感じます。ライティングもどなたかのお役に立てればという気持ちで取り組んでいます。
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