要介護認定で損しないコツ 正しい認定を受けるためのポイント

「要介護度」によって、利用できる介護サービスの幅が決まっています。

そのため、介護サービスを必要としている人やその家族にとって、どの要介護度に認定されるかはとても重要でしょう。

ただ、本人の状態にきちんとマッチした認定が受けられればよいのですが、時には実際よりも軽い認定が出てしまうケースがあります

単位が足りなくて希望の介護サービスが受けられないと、そのぶん家族の負担が増したり、100%実費で介護サービスを受けなければならないことも…。

そこで、きちんと現在の状態に見合った要介護度が認められるよう、認定を受ける際に気をつけたいポイントを解説します。

要介護認定で損をしないコツ

要介護認定の流れ

介護認定とは、「その人にどのくらい介護サービスが必要か?」を判断するものです。

今後の介護プランに大きく関わってくる重要な審査なので、認定を受ける側もしっかり心構えをして臨みましょう

まず、住んでいる市区町村の窓口で必要書類を提出して申請をおこなうと、1次判定に向けて調査員による「訪問調査」がおこなわれます。

その後、コンピューターによる1次判定をしたのち、主治医の意見書や訪問調査での特記事項などを元にして、保険・医療・福祉分野の学識経験者5人程度による「介護認定審査会」で2次判定がおこなわれ、最終的な要介護度が決定します。

要介護度の区分は、要支援1~2、要介護1~5の7種類です。

結果は、原則として申請から30日以内に本人に通知されます

その後、決定した要介護度に合わせたケアプランが作成され、いよいよ介護サービスの利用がスタートします。

カギとなるのは「訪問調査」

要介護度の判定で、大きな要となるのが「訪問調査」です。

いったいどのような点を調査されるのか、前もっておおよその内容を把握しておきましょう。

訪問調査では、以下の項目にそって審査がおこなわれます。

第1群「身体機能・起居動作」

麻痺の有無、立ち上がり、寝返り、歩行、洗身、視力、聴力など

第2群「生活機能」

移動、食事摂取、排泄、洗顔、着替え、外出頻度など

第3群「認知機能」

意思の伝達、日課の理解、年齢や名前や生年月日、場所の理解、徘徊など

第4群「精神・行動障害」

物盗られ妄想、作り話、感情が不安定、大声を出す、会話にならない、物忘れなど

第5群「社会生活への適応」

薬の内服、金銭の管理、集団への不適応、買い物、簡単な調理など

その他「過去 14 日間にうけた特別な医療について」

点滴の管理、透析、ストーマ(人工肛門)の処置、酸素療法、褥瘡の処置、カテーテルなど

※要介護認定 認定調査員テキスト2009より(厚生労働省)

正しい認定を受けるポイント

正しい認定を受けるポイント

調査員は、訪問調査のこまかいマニュアルにそって聞き取りを進めていきます。

質問されたことに正直に答え、普段どおりの姿を見てもらいましょう。

ただ、人によっては、突然やってきた見知らぬ相手に緊張したり抵抗を感じたりして、普段とはまったく異なる振る舞いをしてしまうケースもあります。

しかし、ありのままの姿を見て審査をしてもらわないと、正しい判定をしてもらうことができません。

そこで、このような事態を避けるためのポイントをいくつかご紹介します

認定調査票の内容を確認しておく

まずは、どのような調査がおこなわれるのか、上記でご紹介した第1群~5群の認定調査票の項目をしっかりチェックしておくことが肝心です。

質問されるたびに思い返しながら答えていると、うっかりして肝心なことが抜けてしまうかもしれません。

事前に、質問に対する答えを用意しておくと安心です。

家族が同席する

他人の前ではどうしても「良く見せたい」という心理が働くため、調査のときはいつも以上に張り切ってしまう人が多いです

いつもは足元がおぼつかないのに、調査員の前ではしっかり歩いたり、普段は答えられない質問にハキハキと答えたりといったことも、実際によく起こる事例です。

でも、これでは本人の普段の生活状況が正確に伝わらず、最適な要介護度を認定してもらえない恐れも…。

そのため、訪問調査を受ける日は必ず家族が立ち会うようにしましょう。

家族が同席すると、以下のようなメリットがあります。

・本人の当日の調子に左右されず、普段の様子をしっかり調査員に伝えることができる

・物忘れなどの、本人が自分では気づいていないような問題点を伝えられる

日常生活の状況をありのままに伝える

調査員の前では、困っていること、不便に感じていること、できないこと、普段の介護状況などを、すべて正直に話すことが大切です。

なかには他人に話しにくい内容もあるかと思いますが、必要な支援を受けるためのとても大事な情報ですので、些細なことも包み隠さずに伝えてください

また、本人の感じていることだけでなく、家族の目線からの悩みごとや心配ごとも話しておくと、より正確な判定に役立ちます。

要介護認定調査票には決まった項目以外に特記欄があり、そこへ何か記入があればのちの2次判定の際にその内容が考慮されます

もし本人の前で話すことが憚られる場合は、本人のいないところで調査員にメモを渡すなどして、正しい情報がしっかり伝わるようにしましょう。

伝え忘れがないよう、メモしておく

訪問調査の所要時間は、おおよそ30分~1時間程度で、わりとあっという間に終わってしまいます。

調査員が帰ってから「これを伝え忘れた」、「あれも言っておけばよかった」ということにならないよう、事前に伝えたいことをメモにしておくのがおすすめです。

普段の困りごとに加え、これまでの病歴や怪我についてもできるだけくわしく記載しておきましょう

メモを忘れずに

また、家族は個別に、

「〇月〇日に薬を飲み忘れた」

「〇月〇日、トイレに行くときに廊下で転んだ」

「毎朝の洗顔のたびに服がびしょ濡れになる」

「イスから立ち上がるときによろける」など

普段の生活のなかで気づいたことを具体的にメモしておき、当日忘れずに調査員へ渡すようにしましょう

適切な認定を受けるためしっかりと準備しましょう

訪問調査は、要介護度を決める重要なポイント。

適切な認定を受けるためには、本人だけでなく家族のサポートが不可欠です。

ポイントは、以下の4点。

1. 訪問調査の質問項目を前もってチェックしておく

2. 家族が同席できるよう、日程を調整する

3. 正直にありのままの様子を伝える

4. 伝えたいことは事前にすべてメモをとっておく

不本意な要介護認定をされないためにも、ぜひしっかりと準備をして当日を迎えるようにしましょう。(執筆者:渡辺 有美)

この記事を書いた人

渡辺 有美 渡辺 有美(わたなべ ゆみ)»筆者の記事一覧 (16)

OL時代は都銀で支店窓口→秘書室に転勤になり役員秘書に従事。その後、結婚と子育てを経て、人様のお世話をする仕事がしたくなり、介護の道を選びました。介護福祉士としてデイサービス・特養・訪問介護の現場で10年以上働いた経験を活かし、介護にかかるお金や、さまざまな生活の知恵をお届けしていきたいと思います。
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