今の日本は少子高齢化が進み、介護が必要な老人などがどんどんと増えてきています。
それに伴い、介護をしなければいけない企業の従業員も増えていて、介護と仕事をどうやって両立していくかが問題になっています。
育児・介護休業法では、介護が必要な家族1人に対して1年間通算で93日まで介護休業が取得できます。
介護休業中が無給であったとしても、介護休業給付金を受給できれば生活の安定が図れ安心して介護を行うことができそうですが難点があります。
介護休業給付金は、介護休業終了日の翌日からしか申請することができません。
そのため、介護休業給付金が支給されるのは実際には介護休業終了後になりますので、介護休業期間中の生活については考えておく必要があるのです。
今回は、介護休業給付金についてわかりやすく解説していきます。
目次
介護休業給付金の受給対象者
雇用保険に加入していること
雇用保険に加入できない自営業者や雇用保険の加入条件に満たない従業員は、介護休業給付金の受給対象ではありません。
家族の常時介護のため2週間以上の休業が必要
介護休業給付金を受給するためには、家族の介護のため仕事を休んで介護に従事する必要があります。
2週間以上というのは目安で、必ずしも2週間以上の休業が必要ではありません。
職場復帰が前提であること
介護休業を取得してそのまま会社を辞めてしまうような時は、受給対象ではありません。
介護休業開始日前2年間で11日以上働いた月が12か月以上あること
入社して時間がたってない場合や、休みが多く勤務日数が不足している人は受給できません。
介護休業期間中に就労している日数が10日以下であること
介護休業中に就労した場合は、就労している日数が10日以下である必要があります。
介護休業中の月々の賃金が、休業前の賃金の80%未満であること
介護休業中に休業開始前の賃金の8割以上が支払われている場合は、支給対象外です。
介護休業給付金の申請について
介護休業給付金は、介護休業終了日の翌日から、2か月後の月の末日までに勤務先を経由してハローワークに申請をします。
介護休業給付金の金額
介護休業給付の給付額は以下の計算式で計算されます。
介護休業中に就労した場合は、休業開始時の賃金月額の80%未満であれば介護休業給付金は支給されます。
例1 :支給単位期間中に賃金月額の13%以下の賃金を受けた場合
賃金月額の67%相当額が支給されます。
例2 :支給単位期間中に賃金月額の13%超~80%未満の賃金を受けた場合
賃金月額の80%相当額と賃金の差額が支給されます。
例3 :支給対象期間中に支払われた賃金が、賃金月額の80%以上の場合
支給されません。
介護休業給付金を受給する上での注意事項
介護休業中に介護休業給付金は受給できません。
介護休業給付金は介護休業終了後にしか申請ができないため、介護休業時は受給できません。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)