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【在宅介護】「費用」と「労力」の負担を減らす 国や自治体の「補助制度」と「相談窓口」を知って活用

シニア 介護
【在宅介護】「費用」と「労力」の負担を減らす 国や自治体の「補助制度」と「相談窓口」を知って活用
「介護には終わりがない…」

実際に在宅介護をしているご家族から出る言葉です。

在宅介護にどこまでお金と労力を掛けるのかは、各家庭の事情次第で全く違います。

ほとんど関わらないという家庭もあれば、責任感が強く何でも関わる家庭もあります。

しかし、どちらのケースにも共通して言えるのは、「家族の限界点=在宅介護の限界点」ということです。

筆者は介護業界で長年働いており、施設と在宅の両方で管理者を経験しました。

家庭環境や介護のスタイルはそれぞれ違って当たり前なのですが、1つだけ言えることは家族が疲弊しては元も子もないということです。

この記事では、在宅介護を長く続けるために「お金と労力」の2つについて、負担を減らす方法をお伝えします。

介護保険負担と在宅介護にかかる費用

在宅介護にかかる費用

≪画像元:公益財団法人 家計経済研究所≫

家計経済研究所「在宅介護のお金と負担」2016年調査結果によると、在宅介護の平均費用は約5万円です。

介護度が重度になると費用も上がりますが、費用の半分以上はオムツや医療費といった介護保険以外の費用が占めています。

そして2018年から、一定年収以上の介護保険の費用が3割負担となっています。

今後も増税・介護保険料の改定・介護保険外の費用は変わる可能性があります。

日本は少子高齢化で福祉財源の見直しを進めざるを得ない状況であるため、今後、在宅介護の費用が上がることも十分考えられるでしょう。

在宅介護にかかる費用を抑える方法

在宅介護の費用を抑える

介護にかかる費用を減らすには「他人に任せず自分でやる」つまり、家族が介護する割合を増やすというのが1番分かりやすい方法です。

しかし、家族の介護負担を増やす方法はおすすめできません

同居家族にとって24時間の介護は心身ともに疲弊するリスクが非常に高いためです。

家族の負担を増やさず費用を減らすには、各種補助を受けることが最も有効でしょう。

在宅介護に関する補助制度

費用負担を減らすには、

受ける介護サービスを減らすよりも、各種補助を受けて費用負担を軽減する方法

をおすすめします。

公的な補助が中心となりますが、家族が務めている会社や企業で割引サービスを行っているところもあります。

介護や医療費が高額になった場合の還付制度

「高額介護サービス費制度」、医療保険が高額の場合には「高額療養費制度」があります。

これらを申請し還付できるものはしておくべきでしょう。

住宅改修

家の手すりや段差解消の改修費の補助を受けられます

住宅改修は金銭的な負担を減らすだけではありません。

手すりや段差解消によって、トイレへ1人で行けたり、転倒を減らせます。

家族の体力的な負担を減らす意味でも大きな効果を見込めます。

国や自治体による各種補助・助成金

・ おむつ代を一定額まで補助する「高齢者おむつ支給」

・ 高齢者世帯に対する「水道料金の助成」

・ 要介護4および5の方を長期間家族が介護した場合に支給される「家族介護慰労金」

・ 突発で一時的な介護で休職した場合には「介護休業給付金」

・ 所得に応じて介護施設の居住費などが軽減される「介護保険負担限度額認定証」

「障碍者手帳」の交付や、難病の方に対する「医療費助成制度」もあります。

その他

公的なものではないのですが、会社や労働組合によっては独自の支援があるので調べてみるとよいでしょう。

また、ANAには介護割引という運賃割引制度があります。

このように、よく使うサービスも調べてみると何か使えるものがあるかもしれません。

そして家庭の状況次第では、世帯分離や生活保護の受給という方法もあります

在宅介護で労力を減らすコツ

在宅介護の労力を減らす

ここまでは費用を減らす方法を述べましたが、在宅介護を継続するには、家族の負担を減らすことも大切です。

「生活と介護」を両立させるには、大きく2つのポイントがあります。

ポイント1:家族が行う介護は「割り切り」をもつ

体を良くするためにマッサージをする、少しでも多く食べられるように食事を手伝う、夜間に何度も様子確認をするなど、やれることはたくさんあります。

家族に負担がなければ問題ないのですが、24時間付きっ切りとなると心が休まらずストレスが増加するばかりです。

そこで、「介護に対して割り切りをもつこと」が負担を減らし継続するためのコツです。

ポイント2:できることは本人に任せ、介護保険サービスもうまく使う

介護はどれだけやってもゴールがありません。

「栄養バランスが多少崩れたところで、好きな食べ物を食べられる分だけ食べる。」

「寝てる時間が増えて体力が低下しても、高齢で体力が低下するのは仕方がない。」

このように、家族が思うベストな生活習慣ではなく、高齢者本人に無理のない生活を目指すことで衝突や負担は減ります

また、できることは本人に任せるのもお互いがラクになる秘訣です。

例えば、「食事を食べこぼしてしまう」場合、食べこぼしをなくそうと思うと家族が食事を手伝ったり、何かと目を掛けたりする必要が出てきます

しかし、食べこぼしがある前提で衣類が汚れないようにエプロンを使用すれば労力とストレスはぐっと減ります

そして、家族の休憩を目的に、介護保険のデイサービスや訪問介護も上手に利用してください。

在宅介護をうまく継続するには、家族だけで抱えない

在宅介護をする際にもっとも知っておいて欲しいことは、

介護に関する相談窓口の存在

です。

一般的に、介護保険を使うならケアマネジャーが相談窓口です。

しかし、ケアマネジャーも全ての制度を網羅しているわけではなく、介護保険のことしか分からないという人もいるかもしれません。

お住まいの地域で、

・どのようなサービスがあるのか

・困ったことを相談する専門家がどこにいるのか

・認知症の家族会といった同じ境遇の人たちが集まる場所があるのか

これらの地域の情報を1番よく知っているのは「地域包括支援センター」です。

地域包括支援センターは高齢者の総合的な相談窓口

です。

・認知症介護の問題
・虐待
・ごみ屋敷
・生活保護

など、かなり複雑な問題も取り扱っていますので、困ったことがあるのであれば相談してみることをおすすめします。

介護には楽しいこともたくさんある

今回は介護の金銭と労力を減らすという視点で書きましたが、介護には楽しいこともたくさんあります。

一緒に過ごした時間は、介護を受ける高齢者のためだけではなく、家族にとっても「深く寄り添う貴重な時間」です。

その貴重な時間を有意義にできるよう、生活と介護をうまく両立させてください。(執筆者:小原 しろう)

《小原 しろう》
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小原 しろう

小原 しろう

介護業界15年で複数事業所を統括する現役のエリアマネージャー。在宅〜施設までの様々な経験から、介護の裏と表を熟知しています。本業は介護ですが、育児や自己投資の分野でも積極的に活動しており、沢山の本を読んでシェアすることが好きです。私が学び体験した「上手なお金の使い方」を皆様にもお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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