これまで何気なく過ごしてきた日常生活が、いまや新型コロナウィルスと隣り合わせになっています。

新型コロナウィルスの感染が世界のみならず、日本各地では急速な感染拡大が起こっています。

緊急事態宣言が日本全国を対象にハッシュされ、徐々に新型コロナウィルス感染が蔓延状況になりつつある今般、どうしても出勤や出張などで移動する機会が多い人にとって大きな不安材料となります。

通勤の満員電車はもちろん、職場内での業務、取引先との打ち合わせなどで、新型コロナウィルスに密接に接触してしまうこともあるかもしれません。

新型コロナウィルス感染症も対象になった傷病手当金

感染拡大するコロナウイルス もし感染してしまったら

では、実際に新型コロナウイルス感染症に罹患してしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。

けん怠感や発熱、味やにおいを感じないなどの症状が出ていたら、すぐに医療機関を受診してPCR検査を受けることが大切です

しかし、実際はなかなか医療機関から保健所への連携が円滑につながらず、検査が受けられるまでに複数の医療機関を回らなくてはならないのが現状です。

複数の医療機関を受診することを踏まえて、症状が現れた日付、症状の状態や変化、発症する2週間前からの行動履歴を記録しながら受診に備えるようにしましょう

また、はっきりとした症状が出ている、またはPCR検査で陽性と判断された場合は、専門の医療機関に入院します。

しかし、検査中の期間や感染の疑いがある場合は自宅待機要請をきちんと守ることが大切です。

感染を最小限に抑えるためにもモラルを守って行動するようにしましょう。

4月中旬になり、PCR検査が改良されて判別にかかる時間が大幅に短縮され、ドライブスルーによるPCR検査もスタートすることが決定しました。

そのため、感染者数が今よりも大幅に増え、入院する重篤患者だけでなく、指定ホテルなどに隔離される軽症状者や無症状の感染者、自宅待機者の数も増える激増することが予想されています。

新型コロナウィルス感染症の陽性となる感染者が増えるということは、治療や療養、自宅待機によって就労することはできなくなってしまいます。

そんな時に休職時の生活を支える大切な給付金が、傷病手当金なのです。

休職中で給与がない場合はどうする

突然の発病やケガで仕事を休まなくてはならなかった時、残っていた有給休暇を取得した後は休職する方も多いのではないでしょうか。

しかし、もし休職中の給与が支給されない場合は、入院中はもちろんのこと、退院後の生活も行き詰ってしまうことがあります。

実は、多くの人が勤務先で加入している健康保険では、病気やケガの治療や療養の期間に休職をして報酬(給与)が支給されない場合は「傷病手当金」を申請することができます

傷病手当は、毎月の給与額を一定幅で区分した「標準報酬月額」をもとに計算されます。

一般的には、過去12か月の標準報酬月額の約60%と見ておくとよいでしょう。

2020年3月から新型コロナウイルス感染症も適用に

新型コロナウイルス感染症が日本でも拡大し始めた2020年3月から、新型コロナウイルス感染症による休職せざるを得ない状況で、かつ給与が支給されない場合も、傷病手当金の適用とされるようになりました。

勤務先から出勤状況と給与支給状況の証明、そして医師から病名や症状などの証明を受けることができれば、傷病手当金を受け取ることができます。(参考元:全国健康保険協会

また、傷病手当金申請は郵送での手続きができるので、もし新型コロナウイルスに感染したとしても問題なく申請することができます。

できるだけ早めに手続きを進めるようにしましょう。

郵送での手続きもできる

新型コロナウィルス感染症の拡大により、国民健康保険でも傷病手当金が支給される!

本来、傷病手当金は被雇用者である会社員などが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)や各健康保険組合の制度です。

しかし、2020年3月、政府が設置した新型コロナウィルス感染症対策本部から、国民健康保険でも傷病手当金が支給される緊急対応策が打ち出されました。

その後、厚生労働省より各自治体に向けて、事務連絡として「新型コロナウィルス感染症に感染した被用者等に対する傷病手当金の支給について」が発信されました。

参考URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000607518.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/000612737.pdf

気になる対象者や受給条件、適応期間、受給額について確認しておきましょう。

(1) 傷病手当金を受給できる対象者は?

国民健康保険加入者で、新型コロナウィルス感染者、および発熱などの症状があり感染が疑われる者

(2) 傷病手当金を受給できる条件とは?

労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間があり、その間に労務不能であったことについて医師の証明を受けることができること

また、今般の感染拡大に対する緊急対応策のため、適用期間が「2020年9月30日の間で、療養のため労務に服することができない期間」と限定されているので注意が必要です。

ただし、入院が継続するなど治療、療養が長期化する場合は、他の健康保険と同様に最長1年6ヶ月間の傷病手当金を受給することができるので、安心して治療に努めましょう。

(3) 傷病手当金の受給額はいくら?

直近の継続した3ヶ月間の給与等の合計額を労働日数で割った金額の3分の2(約66%)に相当する金額×労務不能であったと認められた日数分となります。

ここで気を付けておきたいのが、労務不能であった日数です。

新型コロナウィルス感染症によって働けなかった期間が30日間であったとしても、「労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から」が傷病手当金の対象期間となるため、30日間-3日間=27日間が傷病手当金の対象期間となります。

また、受給する人の直近3ヶ月間の給与額によって傷病手当金額は異なるため、一律の金額ではないことも念頭に入れておきましょう。

退職しても対象期間中なら受給可能

病気やケガの治癒が思いのほか長引いてしまった場合、休職ではなく退職を選ぶ方もいるかもしれません。

傷病手当金は最長1年6か月の支給対象期間内であれば、勤務先を退職した後も受給することができます

これまでに勤務先の会社で証明してもらっていた出勤や給与支給額の証明が不要になり、担当医の「就労不可」とする証明書と申請書を合わせて提出するだけで、引き続き傷病手当を受給することができます。

ただし、退職後の申請フォーマットが異なる場合があるので、加入している健康保険に問い合わせるようにしましょう

休職中で収入もない状態だと、経済的な不安がストレスとなり病気やケガの状態が悪くなってしまうこともあります。

傷病手当金を忘れることなく申請することで、通常の給与どおりとはいかなくとも定期的に手当金が振込まれるので、安心して治療や療養に専念することができるはずです。(執筆者:花見 結衣)